パチモンとしての『不思議の国とアリス』
先日来何度もご案内している『不思議の国とアリス』だが、そのタイトルがなぜ『不思議の国〈と〉アリス』なのかということに関して、同DVDに収められたオーディオコメンタリーのなかで監督が言及するのは、「『不思議の国のアリス』と間違えて手に取ってくれるような、パチモンぽい感じがいいかなと思って」という、ある意味拍子抜けのするような説明である。その説明がどの程度本気なのか、あるいはどの程度照れ隠しなのかはわからないけれど、「パチモン」というそのセンでいけば、じつにすばらしい成果をあげているのが先日私の書いた「『不思議の国とアリス』DVD発売」という記事であり、「不思議の国のアリス DVD」という組み合わせで検索したとき、いま現在Googleで、その第5位に顔を見せるのが同記事なのだった(Yahoo!ではぐっと下がって92位。どうやらウチはGoogleウケがいいらしい)。
この5位がいかに痛快なものであるかは、1位と2位がディズニーの『ふしぎの国のアリス』公式サイト、3位、4位がAmazon.co.jp内にある同作品の商品ページであることからも際立ち、というかまあ、「不思議の国のアリス DVD」というそのキーワード選択からいって検索者の大半は迷うことなく1位〜4位のいずれかをクリックし、無事目的地へゴールインしているだろうことが想像されるわけだけれど、しかしこのさい購買へと結びつくかどうかは別として、現象としてはパチモンの名に恥じない愉快な事態となっているのだった。
チェーンいとうせいこう
というわけで以下はいとうせいこうさんの文章だが、これは引用ではなく、複〈声〉である。文責は、私(相馬称)であってもかまわない。
ビルマ(ミャンマー)のサイクロンによる死者数は、10万人を越えると推測されている。
ひと晩で10万人が死ぬということ。
我々日本人も同じ規模の「ひと晩での死」を東京大空襲で、さらには原爆投下によって体験している。だから想像しなければならない。そこで今、何が起きているかを。
とんでもない事態である。
だが、ミャンマー軍事政権は救援のための入国を拒んでいる。
愚か者が自らの権力にしがみついて、外からの勢力が入るのを極端に恐れているのだ。
ここで民主化勢力が国内に拠点を作ることを避けるため、彼ら軍事政権は人民の地獄をかたくなに無視している。
愚かな。なんと愚かな殺人者だろうか。ミャンマー軍事政権に巣くう人間どもは。
その間にも真水が飲めずに死んでいく者、伝染病で死ぬ者、二次被害で大海に流されて行ってしまう者がいる。死者の数はこれからも増えていく。
なのに、愚かなミャンマー軍事政権は国民投票をやめようとしない。
野党勢力が参加出来ない投票をして、政権を国民が認めたことにしようとしている。
誰が今、投票などするのか!?
死者の山を前にして、何をしているんだ!?
人間を馬鹿にするな。
死者も生者も、ともに馬鹿にするな。
ミャンマー軍事政権の連中だって、いつか死ぬんだ。
権力をあの世に持っていける人間はいないんだ。
だったら、これ以上殺すな。
俺は日本政府に呼びかける。
ミャンマー軍事政権に、救援者の入国を認めさせるよう、一刻も早く圧力をかけなければならない。
そして、ミャンマー軍事政権にはこう呼びかける。
LET US IN!
TO SAVE YOUR PEOPLE,MYANMAR!
けれど、どんなに軍事政権が愚かでも、人道的支援の手をゆるめることは出来ない。
したがって、一方で俺たちはユニセフ支援を続けるべきである。
だから、今日も書く。
上記の一行を、どうかリンクつきであらゆる場所に貼り付けてください。
あるいはこの文章すべてを。
いまさらAdSense
「いまさらアドセンス」というとなにやら歌謡曲のタイトルめくから不思議だが、そういうわけで、いまさらながらGoogle AdSenseの広告をページに挿入してみたのだった。
AdSenseのアカウントはもうずいぶん前に(数年前かな)取得してあったのだけれど、その当時はいまよりももっとパーツの選択肢(というかデザインカスタマイズの幅)がなかったためだったか、いや、もうよく理由を覚えていないのだけど、結局使わないまま今日まで来たのだった。先日、『不思議の国とアリス』のサイトにAdSenseを挿入する作業をし、で、その要領を掴んだところだったので自分のところにも入れてみる気になる。
デザインカスタマイズは依然として(というかその「以前」をもうよく覚えてないけど)痒いところに手が届かない面があり、まあそれはしょうがないというか、一面では広告ツールとしての強いポリシーがそれらをユーザーに委ねるのを許さないってことがあるのかもしれないが、ひとつには文字サイズを自由にできない。大別して、大きめの文字が使われるパーツと小さめの文字が使われるパーツとがあり、大きめのほうだとページ本文の文字サイズよりも大きくなってしまうから嫌だというような場合、後者のパーツ(要は面積が小さいために小さめの文字が使われているパーツ)を選ぶしか方法はない。
サイズチェンジマニア問題
『不思議の国とアリス』だけれど、あらためて思い知らされるのはYouTubeってやつの伝播力のすごさだ。YouTube上の映像には海外からのアクセスが、アップロードした当初からわりとあるらしく、それで兄(監督のそうまあきら)はあわててオフィシャルサイトのほうにできるかぎり英文を併記させたりしていたのだった。
で、サイトに仕込んだアクセス解析の結果(リンク元ページ)から先日知れたのは、海外のとある掲示板にこうした投稿がなされていたことだ。最初の発言者はオフィシャルサイトとYouTube上の予告編映像へのリンクを示した上で、このように言及する。
Looks promising. I like that it's not going the standard "Gothic horror story" route. And there will be size-changing. Bits and pieces of them are scattered throughout the trailer, but the best one is at 2:27.
[だいたいの訳]これ、よさげ。標準的な「ゴシックホラーもの」の手法をとっていないところがいい。でもって(アリスとくれば)サイズチェンジもあるはず。いくつかその断片的なシーンが予告編のなかに散らばっているけれど、ベストは2分27秒のところのそれ。
Indie Alice re-imagining in the works! - The Process Forum
『不思議の国とアリス』DVD発売
ついにDVDの発売です。というか、発売は一週間ほど前にしてたわけですがやっとウェブ上から注文いただけるようになりました。自主制作による3DCG中編アニメーションです。足かけ十年近い制作期間を経てのリリース。私も本編の声の出演と一部脚本協力、ウェブ制作協力で参加していて、監督(企画・脚本・編集も)は次兄、そうまあきら(相馬彰)です。
原作はルイス・キャロル『不思議の国のアリス』、舞台はデパート(そこには何でもあるのに、自分のものは何ひとつない!)。
キャロルとヴィトゲンシュタインの、デパートでの出会い——といったそれらしい(わけもなくワクワクしてしまうような)謳い文句を付けることも可能ですが、けれど中身はバカ話、態度において原作に忠実な、ただのバカ話。あるいはでたらめ、ノンセンス。たわむれに生起した〈オハナシ〉ではあるけれど、あらかじめ〈物語〉が用意されているわけではなく、現にそこに起きていること、起きつつあることや、登場者たち相互の雑多な関係性というもののほうにより力点が置かれています。
ある意味、そこで目指されているのは「リアル」なるもの——神話的で、ゆえに現実的であるような「リアル」です。リアルな、あるいは実写的な3DCGといったときに想起される一方のベクトルに、たとえば「ファイナルファンタジー的なるもの」があるんだと思いますが、それとはまったく異なる志向/嗜好/試行のもとに、『不思議の国とアリス』はリアルを目指します。デジタルゆえにつきまとう「画面(世界)の完全静止」にあらがうためのキャラクターの「呼吸」、CGアニメーションに似つかわしくない長回し、安易なピント技術の拒否(パンフォーカス効果)等、試されていることはさまざまです。
といった能書きを、これもやっぱり省くとして、つまるところここには、監督にとっての快楽原則につらぬかれた純粋な58分25秒があります。ここには「そうまあきら」がいます。そう書くことには、無名作家であるこの場合何の説得力もないわけですが、私はしかし、「そうまあきら」を推しますね。観客として、弟として。
作品詳細やご購入、あるいは予告編(高画質なそれ)等こちらから。予告編を含めたいくつかのムービーはYouTubeでもご覧いただけます。その一覧はこちら。
AirfoilとVMware Fusion、およびParallels

だいぶ以前にごく簡単な紹介記事を書いたこともある「Airfoil」は、iTunes以外のアプリケーションの音源をAirTunesで飛ばして部屋のスピーカーから流すことを可能にするユーティリティー。
で、VMwareやParallelsで起動したWindowsが再生する音も同様に(つまり対象アプリケーションに「VMware Fusion」や「Parallels Desktop」を指定することで)飛ばせるのかやってみたところ、VMwareはダメで、Parallelsは可能だった。両者の仮想化の手法のちがいによるものか。
いや、やってみたらそうだったというだけの話。その説明は厳密でない、Airfoilの理解が足りないだけでVMwareに対してもやり方はある等々のご指摘がありましたら歓迎です。


