blue
笠木さん、とれたよ。
長毛種は、といってほとんどこの一匹しか知らないが、しばしば何かの加減で体毛の一部がからまり、ほどけなくなるうちにやがてフェルト生地のようになった固まりを腰のあたりからぶらさげて歩いていることでよく知られる──いや、知られると思うのだが、知られていないかもしれないというのは先日、たずねてきた友人がこの猫を見つつ、「長毛種もいいよねー。飼ってみたいと思うけど、毎日ブラッシングしなきゃいけないのが面倒だってよく聞くしね。やっぱり面倒?」と言うからで、そうだったのかと気づくのはつまり、長毛種には日々のブラッシングが不可欠らしいということである。たまに思いついて、興に乗ったときにブラシを取り出しているのではダメなのが長毛種というものらしい。
知らなかったね。
それで写真のこの猫は毎年、定期的に固まりをこしらえては、「あーあ」と飼い主たちが囁きあい眺めやって過ごすうちに、するっと、毛の生え替わる時期をむかえてはそれが抜けるということを繰り返していたのだったが、去年のなかばぐらいにできた腰の固まりはじつにしぶとく、いよいよからまって大きくなり、冬になっても抜けず、こりゃもうダメだな、生涯これを背負って生きていくことになるのかお前は、まあいいじゃないかそれもと、「フェルトちゃん」の別名も与えてあらためてかわいがっていたが、いや、抜けた。
抜けました。(写真で手前に落ちているのがそれ。)
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