2014/4/1(火) 新宿末廣亭
- April 18, 2014 2:23 AM
- rakugo
志ん好の披露目、三日目。大場さんと。
〔夜の部・途中から〕
黄金の大黒 柳家権太楼
漫才 ロケット団
シンデレラ伝説 三遊亭圓丈
彦六伝 林家木久扇
小言念仏 柳家小三治
漫談 三遊亭圓歌
〈仲入り〉
口上 下手より小さん=司会、木久扇、志ん好、志ん橋、圓歌、小三治
俗曲 柳家小菊
居酒屋 古今亭志ん橋
出来心 柳家小さん
太神楽 鏡味仙三郎社中
火焔太鼓 古今亭志ん好
今日の感想はまず志ん好から先に。というのはつまり、よくなかったから。たんに「固かった」ということなのかもしれないが、うーん。
これはごくごく枝葉だけれど、「古くて損したもの」のところはやっぱり、三つ目あたりに何かオリジナルなものを入れるべきで、少なくともそのくらいの挑み/企みがないことには噺自体のもつエネルギーに演者が拮抗できないような気がする。「中大兄皇子の襟巻き」とか、まあ、そのへんはなんでもいいので。
「バカ顔」と対になる、「優秀な顔してますでしょ? ユウ顔と申しましてね」のところは志ん五のクスグリだっけか。ここもね、せっかくお家の芸なんだから遊びましょうよと言いたい。
バカ目(志ん生)、バカ顔(志ん朝)ときて、次は? というのをああでもないこうでもないと考えれば時間はすぐに過ぎていく。「バカな面してますでしょ? ツラバカと申しましてね、松竹から映画化の話もあるくらいで」。
2012年3月16日 23:49
いや、これはちょっとどうかと思うけど。
あ、そうそう、同行の大場さんにはサゲの意味を尋ねられてしまった。そっかー、「半鐘」「おじゃん」がわからないかーと思わずにはいられない。(といって、そのことにはべつに何を動じる必要もなく、サゲを変える必要はないと思う者だけれど。)
圓丈ひさびさ。よかった。
そしてなんともいっても、今日は小三治だった。マクラなしの「小言念仏」。「ドジョウや〜!」と声を張り上げるところで切るケースもままあるようだが、今日は「ざまあみろ」までのいちおうフルサイズ。フルサイズったって短いけど。すばらしかった。
仲トリの圓歌はいつもの漫談のごくさわりだけで切り上げ、「今日はおしまいのやつにたっぷり語らせますんで」とさっと降りた。いくぶんかっこよかった。
口上では木久扇が、志ん好の来歴をあんちょこなしですらすらと言い立てる。そういえば前に見た誰かの披露口上のときも、このひとこうだったなあと思い出す。ふだん演じている「バカキャラ」とは真っ向から矛盾するので客に戸惑いを与えかねないとも思うが、そこへのエクスキューズもまったくなしで清々しい。ネタ(「彦六伝」)のほうではさすがにいくばくかの衰えを感じないでもなかったが、こういう面ではまったく衰えを見せず。
三本締めの音頭は小三治。「一本目は新真打のために。二本目はお客様の健康のために。三本目は世界の平和のために」。
小菊。都々逸の「惚れた証拠にゃお前の癖が みんなわたしの癖になる」がなんだかよかった。これ、検索すると「惚れた証拠にゃお前の癖が いつかわたしの癖になる」というのも出てきて、ああそうか「くせになる」ね、とそこの懸詞にいまさら気づいたり。
志ん橋、今日の「居酒屋」はあんまりよくなかった。微妙なものだなあとあらためて知る。
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