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2014/4/12(土) 浅草演芸ホール

  • Posted by: SOMA Hitoshi
  • April 18, 2014 7:29 PM
  • rakugo

 志ん好の披露目、五日目。

〔昼の部〕
手紙無筆 古今亭きょう介
しわい屋 古今亭志ん吉
一目上がり 柳家三三
音楽 のだゆき
堀の内 古今亭志ん丸
漫談 柳家さん吉
フルート漫談 ひびきわたる
大安売り 鈴々舎鈴之助
あくび指南 古今亭志ん陽
曲ごま 三増紋之助
やかんなめ 林家木久蔵
夕立勘五郎 古今亭志ん輔
漫談 昭和こいる
長屋の花見 柳家小さん
漫談 鈴々舎馬風
〈仲入り〉
口上 下手より小さん=司会、金馬、志ん好、志ん橋、馬風
漫才 ロケット団
浮世床(床屋の看板) 古今亭志ん橋
ガーコン 川柳川柳
親子酒 三遊亭金馬
踊り 志ん橋・志ん陽 奴さん、かっぽれ
天狗裁き 古今亭志ん好

 今日はひさびさアタマっから見たということもあるが、それにしたって多いよ出演者、浅草。まあいいんですけど。ちなみにきょう介の前にもうひとり前座で金原亭駒松が上がり、「酒粕〜からぬけ」を演ったとのこと。

 当代木久蔵、はじめてだっけかな。わるくないじゃん、という印象。

 膝代わりの位置には予定では(仙三郎社中の代演の)ダーク広和の名前が出ていたんだけど、「行方不明」とかで急遽志ん橋・志ん陽のふたりが踊りを披露した。

 そしてトリ。志ん好の「天狗裁き」。これがよかった。どこがどうということもないのだけれど、まずはネタ選択の妙だろうか、軽い驚きがあったのと同時にここまでの番組の流れにぴたっとはまる感じもして、「そうきたか」という快感があった。
 あと、今日はなんだか()からしてよかったんだよなあ。いったいどういう風が舞台を吹き回したものか、はたまたわたしの気のせいか、いつのまにというくらいに、まさに真打(トリ)の気配を身に纏ってソデから現れたようにみえたのだった。
 なにせマクラなのでこれをそのまま当人の本心ととるわけにもいかないかもしれないものの、「真打に昇進して夢が叶ったんじゃないですか? とひとからはよく言われるが、『夢が叶った』というのとはちがう。目標のひとつではあったが真打になること自体が『夢』だったわけではなく、あくまで通過点」といったようなことを言いもした。
 「天狗裁き」は、なんといっても 2001年に大阪のトリイホールで米朝のそれを見ているのでわたしにとっての極めつきはそれになり、むろんまだまだそれには比ぶべくもない志ん好の「天狗裁き」だけれど、場面々々、米朝の高座の記憶がよみがえってくるのをけっして邪魔しない、とでも言ったらいいか、とても気持ちのいい高座だった。

 じつにいい気分で寄席を出る。そして、驚くべきことに、なんだか浅草演芸ホールが好きになった。

 ちなみに、以下が米朝の「天狗裁き」と「肝つぶし」を聞いた 2001年5月ゴールデンウィークの日記(の一部)

▼かつて我々が「プロレス」だと思い、それゆえに「プロレスが好きです」と言ってきたものが、今となって実は「猪木」だったと分かるように──喩えて言えばそういうことなのだが──、ひょっとして我々が「上方落語」だと思っているものは「桂米朝」なのではないか。そう思ってしまうだけの名人が、目の前なのだった。「上下〈かみしも〉を切る」ことによって突如そこに構築される空間と時間が、ちがう。ちがうと言うか、なんだこりゃだ。問題は圧倒的に、「ナマだ」ということの方にあるだろう。「ナマだ」ということに比べれば、おそらく、「大阪だ」ということはちっちゃな要素にすぎない。(というのはしかし、「大阪で」「ナマで」見た人間の言い草でしょうか。)「東京で見る」ことのデメリットは実際、「大きいホールになってしまいがち」ということの方にあるんではないかね。トリイホールはまったく、こぢんまりしていてよかった。詰まるところのアドバイスはまあ、「急げ、急ぐんだ、みんな。」ということであって、それはもう変わりようがない。『米朝全集』等のパッケージで馴染みのある姿が早もう十年近く前のものであって、うん、そうだよなあというお歳なのだった。
web-conte.com | Red | コーナーの日記/2001年GW特別篇

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