空飛ぶモンティ・パイソン、スケッチ台本の和訳/訳=相馬称

第1シリーズ/第1回(2/7)

イタリアン教室

  • カット変わって夜間学校の先生が教室の窓から外を見下ろしている。彼が長い壁の黒板の方へと移動すると、その近い方の端には豚の列が描かれてある。彼はうち一匹を線を引いて消し、「夜間クラス 午後7〜8時」と書かれてある黒板の向こう端まで歩いていって、その下に「イタリア語」と書いてからカメラの方を向く。
    先生(TERRY J)
    アー、こんばんはみなさん、イタリア語教室の2回目の授業へようこそ。みなさんのイタリア語に磨きをかけるお手伝いができればと思っています。先週は基礎から始めて、そうですね、イタリア語で「スプーン」を何と言うか勉強しましたね。さあて、諸君のどれくらいが覚えているかな?
    見るからに全員イタリア人の生徒たちから 'Si, Si, Si,'(ハイ、ハイ、ハイ)の大声。
    先生
    いっぺんにはダメですよ……マリオ君、座って。ジュゼッペ君!
    ジュゼッペ(MICHAEL)
    II cucchiaio.
    先生
    よくできました、ジュゼッペ君。もしくはイタリア語ではこう言いますね、'Molto bene, Giuseppe'.
    ジュゼッペ
    Grazie signor ... grazie di tutta la sua gentilezza.
    先生
    えー、それでは今週から、イタリア人と会話する際に役立つ表現をいくつか学んでいきましょう。ではまず、相手に自分の出身地を伝えるところからやってみましょう。例えば、私だったらこうです、'Sono Inglese di Gerrard's Cross' 私はジェラール交差点のイギリス人です。ご一緒に?
    全員
    Sono Inglese di Gerrard's Cross.
    先生
    結構です。では、誰か他の人の場合でやってみましょう。えーと?
    マリオリーニ(JOHN)
    マリオリーニ。
    先生
    ああ、マリオリーニさん、どこの出身ですか?
    マリオリーニ
    Napoli, signor.(ナポリです、先生)
    先生
    え、あ、イタリア人なんですか?
    マリオリーニ
    Si, si signor!(はい、そうです、先生)
    先生
    えー、ではこう言います、'Sono Italiano di Napoli'.
    マリオリーニ
    Ah, capisco, mi!le grazie signor...
    フランチェスコ(ERIC)
    Per favore, signor!
    先生
    はい?
    フランチェスコ
    Non conosgeve parliamente, signor devo me parlo sono Irallano di Napoil quando il habitare de Milano.
    先生
    ごめんなさい…理解できない!
     
    ジュゼッペ
    (フランチェスコを指して)友人はこう言ってます、「どうして…」
    教室の後ろで手が挙がり、ゲルマン民族風のズボンつり付きの革の半ズボン姿の男が立ち上がる。
    ドイツ人(GRAHAM)
    Bitte mein Herr. Was ist das Won f?r Mittelschmerz?
    先生
    あー!ヘルムット君、君はドイツ語教室へどうぞ。
    ドイツ人
    Oh ja! Danke sch?n.(教室を立ち去り始める)Ah das deutsche Klassenzimmer... Ach!(立ち去る)
    ジュゼッペ
    友人はこう言ってるんです、「何故ナポリ出身のイタリア人だと言わなければならないのか、私はミラノ出身なのに」
    先生
    あー、だから…お友達に言って下さい…もし彼がミラノ出身なら、こう言えばいいんです、'Sono Italiano di Milano...'
    フランチェスコ
    (興奮して、足を跳ね上げながら)Eeeeeee! Milano ? tanto meglio di Napoli. Milano ? la citta la pi? bella di tutti ... nel mondo...
    ジュゼッペ
    彼は、「ミラノはナポリより美しい街だ」と。
    先生
    ダメだ、そんなこと言っちゃ、比較級はまだやってない。
    後ろでは、みんな銘々が興奮したイタリア語で喋り始める。この時になって、メンバーの間にまぎれていた本物のマンドリン弾きのイタリア人が、'Quando Caliente Del Sol...' みたいなやつをかき鳴らす。クラスはもう制御不能状態。先生は困惑しながら彼らを抑えようとするが、結局あきらめて自分の机に退却し、腰を下ろす。と、豚のでかい悲鳴がして跳び上がる。

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