空飛ぶモンティ・パイソン、スケッチ台本の和訳/訳=相馬称

第1シリーズ/第2回(2/9)

羊航空機についてのフランス人の講義

  • 二人のフランス人が、飛行用に改造された羊の図解の前に立っている。二人は早口のフランス語でしゃべる、その多くは疑似フランス語。
    フランス人1(JOHN)
    こんばんは!ここにありますのが一匹の最新式アングロ=フランス羊、その図解でありまして…でもって…メエー、メエー…ここにありますのが、頭部の中に、乗員室であります。ここに、小さなイギリス人機長トラブショー氏の姿を見つけることができます。
    フランス人2(MICHAEL)
    元気なブリアン、君は一体どこに?
    フランス人1
    わかってるよ、わかってるよ。では紹介しよう、わが同僚、彼が有名な、ジャン=ブリアン・ジャパタティーク。
    フランス人1、口ひげをフランス人2に移す。
    フランス人2
    では、その羊…離陸します…その車輪、よろしい。
    図を展開し、羊の足についた車輪を見せる。
    フランス人1
    結構、車輪、ここに。
    フランス人2
    こりゃ素晴らしいねえ…(わけの分からないまま、羊の後部のモーターを表示させる)
    フランス人1
    旅行者たちは…その荷物は…それは…ここに!
    勝ち誇ったように残ってる図を展開し、素晴らしい配置を全て披露する。二人、手をパタパタさせ、メエーメエー言いながら走り回る。
    カット変わってスーパーマーケットにいるペパーポットたち、画面外にインタビュアー。
    ペパーポット1(GRAHAM)
    ええそうよ、このあたりフランス人が多くなったわ。
    ペパーポット2(TERRY J)
    えーえ、まったく。
    ペパーポット3(MICHAEL)
    そこいら中にね。
    インタビュアー
    フランス人とはうまくいってますか?
    ペパーポット1
    ええ、とっても。
    ペパーポット4(JOHN)
    あたしもよ。
    ペパーポット3
    私も。
    ペパーポット1
    そう、私フランス人好きよ。だって、あの人たち考えるの得意じゃない? つまり、だからパスカルとか。
    ペパーポット2
    ブレイズ・パスカル。
    ペパーポット3
    ジャン=ポール・サルトル。
    ペパーポット1
    そう、ヴォルテール。
    ペパーポット2
    そうそう!レニー・デカルト。
    レニー・デカルト、座って考えてる。頭からフキダシ、「考える」と書かれてる。彼、急に幸せそう。フキダシの中、「我考える[思う]、故に我在り」になる。画面に大きな手が現れ、持っているペンでフキダシをチクリと刺す。フキダシ、しぼんで消える。一瞬のち、レニーも消える。

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