空飛ぶモンティ・パイソン、スケッチ台本の和訳/訳=相馬称

第1シリーズ/第2回(6/9)

バカ女王

  • フィルム・リーダー:
    9 … 8 … 7 … 6 … 31 … 6 … Jimmy Greaves … 6 … 3 … 2 … 1 … And Interviewer:
    ヴィクトリア女王のフィルム:フィルムの質感は、ヴィクトリア朝時代の写真が動き出したような感じをできるだけ正確に再現する。ヴィクトリア女王(TERRY J)とグラッドストン(GRAHAM)が、オズボーンの前の芝生を歩いている。
    司会者(JOHN)
    これらヴィクトリア女王の歴史的な映像は、1880年オズボーンにおいて撮影され、グラッドストン首相とともにいる女王の姿を捉えています。この貴重なフィルムは、世界の半分を支配したひとりの女性の、あまり知られない私生活の様子をちらりと覗かせてくれます。最初期のレコード盤に吹き込まれた解説の声は、桂冠詩人アルフレッド・テニスンです。
    (MICHAELが陽気なアメリカ・アクセントで続ける)やあこんにちは、またまたバカ女王のご登場!(女王、繰り返しグラッドストンの脇腹をそっと突いたり、顎の下を軽く突いたりしてる)連れの間抜けは誰かな?ウィリー・グラッドストンだ! さあこの二人、前衛的バカキャラが揃えば、楽しみはたっぷりだよ。(二人、ホースを持った庭師のところへやってくる)そして、ヤッタネ!ホースだ! こいつあ誰かやられるぞ!(女王、ホースを奪い、庭師を蹴っ飛ばす。庭師、すっ飛ぶ)ホーラ、庭師のチャーリーが古典的なイタズラのえじきに。女王から災難の山のプレゼントだ。(女王、ホースをグラッドストンに向ける)ヤッタネ、グラッドストンにもお見舞いだ。(女王、グラッドストンにホースを手渡す)さあてどうする!(女王、蛇口のところへ行き、水を止める)あれっ、ちくしょう、水が出てこんぞ?(グラッドストン、ホースの口を調べる。水の出、元に戻り、グラッドストンにかかる)ヤッタネ、これはしたり、顔中びしょびしょ!(女王、スカートをまくし上げ、追っかけてくるグラッドストンと芝生を走り回る;続いて女王、柵をペンキで塗っている。グラッドストン、反対側から近づいてくる)やあ、こんにちは、英国バカ女王の次なる狙いは? おや、柵の上に座ってる[形勢を見てる]んじゃないねえ。柵を塗ってるぞ。オットト、これまた首相のお出ましだ。(グラッドストン、柵の途切れているところに踏み込んでくる。女王、ペンキで彼を塗りたくる)こいつあやられたね。(グラッドストン、ペンキのバケツを女王から奪い、それを女王の頭にかぶせる。女王、グラッドストンを蹴る。グラッドストン、柵を壊して倒れる)おっと、これで一件落着!
    カット変わって女王とグラッドストンが芝生の庭で紅茶を楽しんでいる。女王、グラッドストンの顔にカスタードパイを押しつける。グラッドストンが仕返しをしようとするところで、映像固まる;カメラ引くと、それが労働者階級宅の居間のマントルピースの上にある写真であると判明する。

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