コーナーの日記

Diary

Title: Superman Red Diary


9月27日(木)「なんと戦後五〇年たっていた」

▼タイトルは、多木浩二『戦争論』(岩波新書、1999)の85頁にある言葉。
▼これのみ取り出してみせたところで日記の読者には意味が通らず、引用する側にしても不必要なカタルシスを身に呼び込もうとするようなものだが、しかし、ともあれこれはショックな言葉である。(同書については今福龍太による書評があるので、参照していただければ幸い。)

▼ところでだいぶ以前の電話の断片、永澤はノートンの「AntiVirus」を、「アンチ・ヴァイラス」と発音していたと思い出す。それはさておいて。
▼「気持ちのいい連中」で使っているデジカメのFinePix 50iは、MP3プレーヤーともなる。ウォークマンのそれのようなリモコンが付属していて、スマートメディアにMP3を保存すれば、それを聴くことができる。
▼FinePix 50iはズボンのポケットに収まるが、ヘッドホンから辿ってコードの先に付いているのはカメラだ。何か間違っているような気にさせられる。「JPEG(ジェイペグ)だよ」と僕は言ってヘッドホンを外し、待ち合わせた友達も頷くだろう。おそらくお気に入りのブリティッシュ・ロックバンドだ。

▼私は、MP3に昧(くら)い。
▼持っているマシンが古い機種の部類に入ってきて、新しいマシンを買うまでは大人しくしていることだと考えるようになれば、自ずとブランクのようなものができる。「MP3」から「iTune」へと至るような一連の言葉たちは、そのブランクの中にすっぽり収まった恰好になるわけだが、CDでいいじゃないかと思っていたと書く方が早いか。
▼部屋のサラウンドスピーカーがなかなかいい音なので、FinePix 50iで聴く128kbpsのMP3はラジカセのような趣をくっきりと漂わせる。その肌触りに、例えばデビッド・バーンの『LOOK INTO THE EYEBALL』がよく混じり合う。それはさておいて。

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9月17日(月)「SevenStars見直し月間」

▼上の帯の灰色を少し濃くしてみる。薄かったのではないかという反省の上に立ってのことだ。

▼今日からセブンスター見直し月間がスタート。「軽み」が感じられて良いのだった。アメリカンスピリットのオーガニックは、つまり何というか、体に悪いのではないか。
▼ADSLモデムのランプ点滅問題は、結局のところコンセントの問題だったようだ。駄目なのであると日記に書いて以降、実はずっと調子よかったのだが、朝、ふたたび症状が出、それをきっかけにして「結局そういうことだったか」というところを掴んだ。おそらくこれで大丈夫だろう。


9月16日(日)「形式と方法」

轡田の さか真新しく 散りきらぬ 心もよいに 通うばかりか
首のまだ 落ちきらずいて 隅田川 寄る者も去り 去る者と往く

▼意味はない。ありそうだが、むろんない。

▼「五・七・五・七・七」という形式には、形式の強固さそれ自体によっておそらくもたらされるところの表現への意志が感じられるとして、しかし、「五・六・七・八・九」という形式は駄目である。駄目だろう。そこでは「七」を「しち」ではなく「なな」と読んでしまいかねず、「九」は「く」ではなく「きゅう」にちがいないからだ。「からだ」ってこともないだろう。


9月12日(水)「テレビ・ラジオは16・17面」

▼社長の実家から送られてきたすだちを10個ほど、ノルマのようにして渡され持ち帰る。わざわざ見合うだけの料理を作る才覚も持ち合わせないので、仕方なく、駅前の酒屋でコロナビールを買い、それに絞って入れて飲んでいる。
▼といったようなことを書けば、「米テロ死者数千人」(朝日、9/12付夕刊、一面見出し)に触れまいとしているのは見え見えだが、しかし昨日から、「まるで映画を見ているようだった」という直喩に出会ってばかりだ。
▼その朝日新聞の夕刊は、折り畳まれた内側、普段は広告と夕方以降のテレビ番組の載るところに、それらを押しやって「崩れ落ちる世界貿易センタービル」の写真が全面。「テレビ・ラジオは16・17面」と言われてみれば、あるいは「自粛」のひとつなのかもしれないと忖度もするが、しかし同時にまた、これはまぎれもないレトリック。でかでかと載るその写真はまさに「全面」だが、しかし本当のビルはこれよりもでかいのであって、そして「全面」ではない。想像の共同体、という言葉をこの際持ち出せば、それこそ陳腐な直喩にすぎないか。
▼黙祷し、あるいは弥陀の名を唱えて、沈痛な面持ちを保ちつつ、そして暗喩に耳をすませ。





















▼それは「あんよ」だよキミ。


9月11日(火)「安否」

▼世界貿易センタービル等をおそった同時多発テロと見られる事件だが、私は無事だ。
▼と、そんなことを書いているとあれのようだが、本当は暗い気持ちなのであり、そうして暗い気持ちになった自分のある種の部分にはまた、別のいやな気持ちにもさせられる。つまり「世界」とは、やはりどうしても「アメリカ」なのだろうかといった思い。
▼とりあえず交換日記を更新。
▼たばこでも断って、願でも掛けようか。


9月10日(月)「大宮あたり」

▼「ADSLモデム」「LINE LINK」「点滅」と並べた言葉をGoogleにかけて、分かったのは、同様の症状を体験した人たちが少なからずいるということで、と同時に、そうした体験をつづった「ADSL導入奮闘記」もまた多く存在するということである。そこにあるのはいわば、「奮闘記」の魔力だ。人はネット上にあってつい、「○○奮闘記」を書いてしまう。それはタメになり、そして凡庸だが、同時にひどく個人ホームページ的でもある。
▼ポーシャ・デ・ロッシはドラマ「アリーmyラブ」のネル・ポーター役で知られる女優。BBSで「気持ちのいい読者」氏が示そうとした画像も含め、例えばファンサイトのひとつ、The Portia de Rossi Zoneを参照のこと。
▼奮闘記と、ポーシャ・デ・ロッシと、そして文豪・森鴎外。その三者が等しく交わる場所がどこかにある。大宮あたりにきっとある。


9月9日(日)「文豪になる」

▼この、ごく当たり前のことを口にするために私は生まれてきたのかもしれないが、ADSLは速いのだった。これまで、くだらない言葉の頭文字として紹介しっぱなしで申し訳なかったが、君は、まぎれもなくAsymmetric Digital Subscriber Lineの略なのだった。さあこい、その次のインフラ。
▼というのは8日未明、ADSLデビューを果たした直後に書いたものだが、その後、続きを考えたりしてアップの遅れるうちに事態は厄介な方向へ揺れた。
▼現時点での結論を言うと、ADSL、というかうちの部屋の回線環境だが、調子いい時間帯と悪い時間帯があるようなのであって、困ったことであるのは「調子」というのが「速い・遅い」の問題でなく、「回線が確立する・しない」の段階の話である点だ。
▼どうも夜中は調子がいい。ADSLはADSLの名をほしいままにしている。が、昼間がダメなのだった。しばしば、接続を開始できない。タイミングよく接続を開始できてもそのあとが続かない。「遅い」んじゃなくて、明らかに電話回線が言うことを聞いていない。証拠となるのはモデムの「LINE LINK」ランプで、これが「点滅→点灯」すると回線が無事確立されたことを示し、以降は「点灯」しっぱなしであるのが正しいのだが、これが間をおいてふたたび「点滅→点灯」を繰り返す。
▼つまりなんだ、「ものすごい速いテレホーダイ」と言えばいいのか。駄目じゃないかそれじゃ。
▼というわけでNTTに電話し、回線工事の人に来てもらったのだった。実際にはまだ来ていないので、いわゆる「未来日記」というやつになるが、回線工事の人はビキニ姿で、ポーシャ・デ・ロッシ似の美人さんだった。いきなりビキニのブラを外し、トップレスになる回線工事の人。「鴎外です。相馬、鴎外」と思わず私は文豪になった。


9月6日(木)「みんないいか」

▼よく分からないが昨日の日記は、きゅっとしていた。
▼モデムはと言えば今日の午前中に再配達があり、遅刻しているうちに受け取れてしまった。それと帰宅後に、接続用ソフトのインストールCD。モデムとはまた別のNTTナンチャラから送られてきて、同じく昨日の配達の際に受け取れなかったものだが、こちらは郵便局。荻窪郵便局に直接行けば24時間受け取ることが可能だというのでお言葉に甘える。荻窪郵便局は案外に近い。自転車で5分ぐらい。
▼この調子では明日夕方あたり、会社を抜けてどこかでLANケーブルを調達するだろう。結局、ADSL(AnD SL, too)デビューは明日の帰宅後早速ということになるのではないかと心持ちを繰り上げるが、考えるにちょうど回線の混む時間帯であって、驚こうとアテこむにはタイミングが悪いかもしれない。
▼鈴木清順の浪漫三部作はDVDボックスが9月21日に発売だそうだ。まあたぶん買うんだろうが、そうやって出るボックス出るボックス買わねばならないだろうなあと考えては手を出しつつ、それでもなお肝に銘じるようにしているというのは、一番の大物で、一番買わねばならないボックスがまだ、出ていないという盲点だ。何と言ってもそれは三十枚組である。いつかそれが出たときに、おいそれと飛びつける余力は残しておかなくてはならない。
▼しかしだ、うっかりしていたがボックスが出るということはおそらく「デジタルニューマスタリング」というやつだ。つまり劇場にも掛かると考えなくてはならない。こうしてはいられない、貯金だ。貯金だぞ、みんないいか。


9月5日(水)「ガラッと変わって」

▼ADSL(And now for something completely Different Subscriber Line)だが、NTT側の切り替え作業が金曜日の午前中で、午後には使えるようになる。が、モデムなど届くものが別にあり、これは今日の配達なのだが、むろん受け取れるわけがなく、ご不在連絡票がドアにはさまっていた。配達指定をしようとすれば結局、土曜日になる。こちら側で用意しなければならないのはLANケーブルだが、まだ買っておらず、買いに行くとするとやはり土曜日だろう。
▼というわけですべては土曜日だ。土曜日にすべてが変わる。仙台を起点に「上り」「下り」言うようになるかもしれない。