足熱図鑑

エッセイ

リンクあれこれ

 「昭和を彩った」と始めて、単語を挟み、「あれこれ」と閉じてやれば大概の言葉はおさまってくれる。文章の一番始めにさらに、まずは、と置けばリズムもつく。「ドリフ大爆笑」から学んだ技術だが、使うのはこれがはじめてになるか。
 まずは昭和を彩った、リンクあれこれ。こちらから御覧いただきます。

 リンクと言うと大雑把だが、ここで扱おうとしているのはいわゆる、リンク集のことだ。ホームページのコンテンツにあって、目次でいえば後ろの方、mailtoの手前あたりに位置することの多い、あのリンク集だ。「集」の、さらに「あれこれ」なのだから、いよいよ話はまとまらない。覚悟していただきたいと言うかなんと言うか。

 たまに、あるいは定期的に、ロボット型のサーチエンジンでもってキーワードに「Superman Red」と入れ、検索してみることがある。目的はと言えば「無断リンクさがし」ということになるのだが、むろん咎めだてする気は毛頭なく、うちのサイトは、私の知らぬ間にどういうファンを抱え込んでいるのか、というのがもっぱらの興味になる。

 そういう興味であるから、紹介文が付いているタイプのリンク集はありがたいし、また、リンクの数が多くカテゴリ分けされているタイプのものでは、どうカテゴライズされているのかが問題となる。まあこういうサイトなので、多くは「笑い」とかなんとか、そういうカテゴリに分けられるわけで、こちらの方でもそういう扱いを受けているものとタカをくくっていると、「text」というカテゴリに入っていることがままあり、それはそれでぐうの音も出ない。見抜かれている。いや、見たままなのかもしれないが。

 一方、紹介文が付されているでもなく、カテゴリ別になるでもなく、リンク色に塗られたサイト名だけが延々と、ほんとうに延々と並ぶリンクページがある。そうしたページはえてして、来訪者のためにではなく、制作者自身のための「ブックマーク」として用意されているようで、「ブックマークを使えばいいのではないか」とも思わされるが、「そういうものでもない」何かが私の知らぬ環境にはひそんでいるのかもしれない。

 ところで、Yahoo! JAPANへのリンクを個人ホームページのリンクページに見つけたときには、心底、無駄なのではないかと思わされるものだ。gooであれ、Infoseekであれ事情は似たようなものだが、とりわけYahoo!はいけない。だって知ってるだろう、みんな。と、思うのはしかし、インターネットを始めて久しい者の油断なのかもしれない。

 Yahoo! JAPANのアドレスが www.yahoo.co.jp であるということは誰もが知っていて、そんなものはブックマークだのお気に入りだのにとっくに登録済みの問題だとなったとき、合理性や、あるいは「スマートさ」といったものの名のもとに、「Yahoo! JAPANのアドレスは www.yahoo.co.jp である」とあらためて口にすることを、何かしら忌むべき行為のようにして扱う世界がそこに到来する。「あそこだろ?」と巷間の者たちは訳知り顔で合図しあい、エグゼクティブたちは笑って取り合わない。そうして数十年が過ぎたとき、街には、「Yahoo!を知らない子どもたち」が姿を現し大人たちを戦慄させることになるのだ。「油断した!」と思ってももう遅い。なにせもう数十年過ぎてしまっているからだ。

 馬鹿なことを書いてしまったお詫びとして、おすすめの検索サイトをひとつ紹介してお役に立たせてもらえばと思う。あるいは世間的にとっくに有名になっているところなのかもしれないが、私は最近知った。「Google」というロボット型の検索サイトである。ごちゃごちゃしていない、使ってみてこちらの思ったところの検索結果を引っぱってきてくれることが多い、などがおすすめの理由だが、もうひとつ便利と思われる点を挙げれば、「キャッシュ」機能があるということだ。ロボットが巡回した折りのそのページを、そっくりそのまま「Google」側のサーバにキャッシュとして貯め込んでいて、それを表示させることが可能なのである。もちろん、たいていの場合は実際のページに飛ぶ方が話が早いし、それがネットサーフィンというものだが、と同時に、キャッシュが確保されていることによって「(擬似的にではあるが)Not Foundがない」のである。更新によって、ロボットが巡回した時点のものからページが書き変わってしまっている場合(例えば掲示板など)でも同様だ。これはちょっとありがたいと思うのだが、どうだろうか。

« あれから || それは楽しげな作業である »