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Feb.
2005
Yellow

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/ 21 Feb. 2005 (Mon.) 「インフルエンザ前後」

パパ・タラフマラ『三人姉妹』『ヲg』を観に行く。
これは妻が読了した横溝正史『本陣殺人事件』。ただし現在手に入る角川文庫はこの表紙ではない。

1月の終わりの京都での日々をまとめた前回の更新からまた間が空いてしまった。もう下旬だというのに2月はまだ2回目の更新であるのは不甲斐ないかぎりだが、言い訳はひとつだけ用意してあり、インフルエンザにかかって高熱の床に伏せていたというのがそれだ。じゃあしょうがないね。
11日〜13日の三連休はまだインフルエンザにかかる前になる。連休前夜の10日(金)も夜のだいぶ早い時間に会社を退け、荻窪駅前にあるブックオフに寄ったのはあれ以来ずっと妻がそればかりやっている──むろん「ゲームはといえば」という意味での「そればかり」だが──「マリオカート64」に代わる新しいゲームを探すためである。
「これやりたい」と妻が声を弾ませたのはスーパーファミコン用ソフトの「かまいたちの夜」だった。ネットで調べると1994年の発売だから10年前のソフトで私はその当時19歳という計算になり、こうしたものの適齢期がどのあたりにあるのかにわかに判断はつかないものの、まあ世代としてはど真ん中ということになるはずだし、そんなことを言い出したら私は、そもそも「テレビゲーム世代」というやつそのもののど真ん中に属しているべきはずの者なのだが、当時もいまもゲームから縁遠く暮らしてきてしまったとまるで人ごとのように思うのは、「サウンドノベル」とたしかそのようなジャンル名で呼ばれ、「面白い」と話題になっていたそのゲームのことだ。妻の声の響きから、かつて遊んだことのあるそれを久しぶりに見つけて懐かしがっているのかと思ったがそうではなかった。妻もやったことがないという。
といったようにつらつら描写をはじめてしまったがどこへ向かおうというのか出口が見えない。いきおい話を端折ることになるがその晩、妻とふたり明け方ちかくまでプレイしてクリアしてしまった。もとよりゲームの特性のちがいから明らかだったとはいえ、「マリオカート64に代わる新しいゲーム」の任をまったく果たさない結果に終わったのだった。
寝て起きると「『be found dead』DVD発売記念オールナイトイベント」のある11日である。上山君から電話があったのはお昼ぐらいだったか。夫婦でいま山梨に来ているのだという。永澤(共通の友人で山梨に住んでいる)の電話番号を教えてくれというのが用件。この連休を使って上京してくるということはすでに知っていたが、その途次で山梨に寄るとは思わなかった。ずいぶんと精力的なスケジュールを組んだものだと驚いていると、さらに電話口から「永澤は今晩のオールナイトを見に行くつもりだろうか」と上山君が私に聞く。さあ、わからないと答えたが、案の定「なりゆき」から2人揃ってオールナイトを観に行くことになったと夕方にまた電話があった。永澤の運転する車でこれから東京に向かうとのこと。
そいつらのことはそいつらのこととして、われわれは夕方から出掛けるつもりでいた。会場となるテアトル新宿では昼間『トニー滝谷』という映画をやっていて、それを観たのちに食事をしてオールナイトに突入することを目論んでいたのだったが、このところ風邪気味だった妻の具合がよくなく、悪化したようで、その様子を見つつ家で過ごすうちに『トニー滝谷』はあきらめることになり、あきらめてさらにベッドでゆっくりしていたが妻の具合は好転せず、結局、そうこうするうちに到着してしまう永澤の車を待って、私ひとりみんなと出掛けることにする。
早く新宿に着いてしまったのでモスバーガーに入ったのはほかに適当な店を見つけられなかったからだ。「風邪でね」と妻のことを説明すると永澤は「インフルエンザではないの?」と言い、私は言下に否定したが、じつのところ妻がインフルエンザだったことは翌日になって知れることになる。その日の夜のうちに高熱が出、心細くなった妻は未明に何度も電話とメールをくれたらしいが、私は劇場で携帯の電源を切ったまま、それをふたたびオンにするのを忘れてオールナイト明けの新宿の朝を何人かの役者さんたちと「つぼ八」で過ごしていた。
連休の残りの二日は妻のとなりで寝て過ごした。そのようにしていればインフルエンザがうつるだろうぐらいのことは目に見えていそうなものだが根拠のない自信に支えられていたにちがいない。当然のことながら根拠のない自信には根拠がないのだった。月曜になり、会社で「おや」と思ったときにはすでに悪寒の予兆があった。午後、会社近くの医者に診てもらう。病院の受付ではじめて熱を計ったところが37度ほどで、熱の度合いから言えばまだ発症していないことになりそうだが状況からいってインフルエンザとおぼしいこと、それとはまたべつに1月の本公演に端を発している咳と痰が治りそうで治らず、すでに一ヶ月も引きずっていることを訴えた。細長い綿棒のようなものを鼻の奥にぐっと突き刺すインフルエンザのテストをはじめて経験する。ひとことで言えば痛いのだが、綿棒はものすごく深いところまで到達し、ことによるとこれで治るのではないかとよくわからない気分にさせられる。よく知られるように人間の鼻の穴は二つあるが、その両方に刺す。
医者はしかし「一ヶ月も引きずっている咳」ということのほうにより心配そうな表情を見せ、その勧めにしたがって胸部のレントゲンも撮る。レントゲンというものの原理もその見方もわからないから指し示されたその写真を見ても「ああ、撮れましたね」というほどの感想以外に何もないが、医者の言うのにはさしあたってこれという異常は認められないのだそうでそれは一安心。そしてインフルエンザは陽性と出た。その日大事をとって早めに会社を退けたあと、結局木曜(17日)まで会社を休むことになる。妻のほうは火曜ぐらいに恢復。
単純な話で『レイクサイドマーダーケース』を観たことが引き金になっているとおぼしいが、ついついミステリー小説に手を伸ばす日々が続いておりこれはインフルエンザ前だが島田荘司『斜め屋敷の犯罪』(講談社文庫)を読み、恢復へと向かいつつある病床で法月綸太郎『生首に聞いてみろ』(角川書店)を読了する。いずれもつまらなくはないが、どうも「これ」という感動がないのはどうしたものか。あるいは気づくのが遅いだけでミステリーというジャンルそれ自体を私は好きではないのではないかとさえ思うのは両者ともミステリー好きの間では傑作の誉れ高い(少なくとも定評のある)作品であるらしいからで──ちなみに『生首に聞いてみろ』は例の「このミステリーがすごい!」2005年度版の国内第1位作品──、しかしミステリーを嫌いだと言うには比較対象としてたとえば横溝正史の『犬神家の一族』『獄門島』などが私のなかには厳然たる傑作としてあるのであって、いま思えばあれはなぜあんなに面白かったのかというほど面白かった。
DVDで『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』を観たのはたしか金曜日(18日)だった。土曜日(19日)の夜には『トーキョー/不在/ハムレット』に出演していた熊谷さんの所属するパパ・タラフマラの新作2本立て公演『三人姉妹』『ヲg』を観に行く。元演出助手仲間の江尻君、三浦さんがそれぞれ観に来ていた。日曜日は私の部屋の片づけをしたが、これはまだ作業がたっぷり残っていて、そのことについて書く機会がいずれあるだろうからそのときにまた。

本日の参照画像
(2005年2月24日 05:27)

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