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Apr.
2005
Yellow

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/ 30 Apr. 2005 (Sat.) 「今月もこれだけ。式とその後」

司会のふたり。おそらく、宮沢さんからのメッセージを読み終わり、声を揃えてその署名である「宮沢章夫」を読んでいるところ。(撮影:永澤)
兄嫁・アンド・ゼア・ハズバンヅ。上が次兄夫婦、下が長兄夫婦とその次女で、細野さんの「夢見る約束」を披露した。(撮影:永澤)
南波さん制作のビデオレターに出演してくれた(上から)熊谷さん、南波ひとさしゆび詩人さん、岩崎さん。

いつの話からはじめればいいだろうか。むろん私の結婚式・披露宴からだが、それは4月3日に行われた──ちなみにこの日記上の無沙汰は新婚旅行によるものではない。新婚旅行はいずれ折を見て行くつもりだが、まだ行っていない──。事前の天気予報でその日は午後からの雨が心配されたが、蓋をあけると快晴。外にはときおり暑いくらいの日差しがさす陽気で、付け加えれば二次会を終え、われわれふたりがタクシーで荻窪に帰宅したその直後に窓の外ではざあざあ雨が降りはじめた。
時系列に、細かなことを逐一書くにはもう時間が経ちすぎてもおり、すでにみえさん(兄嫁)の日記上山君の日記笠木さんの日記などがその役を果たしていて、おおよそそれをなぞるようなことになる。加えて、われわれふたりは当日それぞれのデジカメを持って出掛けはしたものの、ついに一枚の写真も撮らなかった。妻のデジカメで何か一、二枚撮った気もするものの、いずれたいした写真ではなかったはずだ。ここにあらためて披露するようなオリジナルの写真素材はひとつもないのだった。
関係ないがアップルの iLife '05 を買ったのは、例の、iPhoto ブックというやつを作ろうかと思ったからで、式の当日はオフィシャルカメラマン的な立ち働きを見せパシャパシャ撮ってくれた永澤のそれを中心に、みんなが各々のデジカメで撮影した写真をデータで集め、いいところを選りぬいて構成した一冊を注文しようと考えているのだったが、その作業は後回しにされたままついぞ進まずにいる。
式と披露宴の会場は築地本願寺で、それは私が浄土真宗本願寺派の寺の三男であることに起因するものだが、むろんそうでなければ縁がなかったであろう、そのひどく古めかしく荘厳な容れ物は、しかし単純な話がとてもいい空間だった。式と披露宴の合い間などに正装のふたりが記念写真を撮る部屋があり、記念写真業界の巷の動向などよくは知らないものの、それでも、これはいまどきちょっとないのではないかと思わせられる、いわゆる写真館の一室といったおもむきのそこは、『病院坂の首縊りの家』に出てくる「本條写真館」かと見紛うばかりの古色蒼然ぶりである。
当事者となってじっさいにそのなかに置かれてみれば、事前に第三者的に考えていたのとはがらりと感じ方がちがってくるというものでありまして、パイプオルガンやら雅楽やらが奏でられもするその本堂での仏前結婚式がもつ独特の格調の高さは、しかしその中心に腰を下ろしてしまえば何ら違和感がないのだった。より俗に言えば、「主役は気分がいい」ということでもあるのか──和服の帯締めに苦しめられ、もとより緊張のしどおしだったらしい妻には「気分」らしい「気分」もなかったようだが──。羽織袴といった私の衣裳も、いずれ根のない、急ごしらえの、降って湧いたような身構えにちがいないはずが、さりとてこしらえただけの身構えは不思議とできる。
披露宴の新郎新婦入場ではいきなり司会がトチった(らしい)。打ち合わせていた手筈では、まずエノケンの「アイ・ラブ・ユー」を一曲まるまる(1分少々)流し、それはただそれだけを聞かせて、そののち司会のアナウンスが入り、あらためて藤原ヒロシの「The Faintest Sign」がかかってわれわれが入ってくるという目論見だったのだが、「アイ・ラブ・ユー」と同時に司会が「それでは新郎新婦の入場です」と紹介してしまって入場せざるを得なくなった。しかしまあそれは結果オーライというか、そもそも入場前の状況が想定していたものと異なり、直前にわれわれはロビーにたむろする列席者のみなさんにすっかり姿を見られていて、するといまさらもったいぶったような登場もどうかということにもなっていたのであって、それはそれでよかった。あと、これは式場側の不備で、だいたいその「アイ・ラブ・ユー」の音量が意図していたものよりずっと小さかった。「聞かせる」音量ではぜんぜんなく、あの時点で出ていったのは正解だった。
って、結局けっこう細かに書いてしまっているな。
そんなものを載せてどうするという気にもなるのだったが、何か面倒な説明が省けるのではないかと期待して載せれば、披露宴はおおよそ次のような式次第のもとに行われた。

  • 迎賓
  • 新郎新婦入場
  • 開宴のことば
  • 媒酌人挨拶
  • 主賓祝辞
  • 鏡開き〜乾杯
  • 新婦お色直し退席
  • (歓談)
  • 新郎お色直し退席
  • (歓談)
  • 新郎新婦再入場(キャンドルリレー)
  • 余興
    • スピーチ(新婦友人)
    • ビデオメッセージ(ロビン様)
    • 歌と演奏(兄嫁・アンド・ゼア・ハズバンヅ)
    • 祝電披露
    • 宮沢さんからの贈る言葉
    • アニメ映像(『不思議の国とアリス』より既制作分のダイジェストと、主役・アリスさんからの祝辞)
    • 歌と演奏(ヤス荒川とマダムハニームーンバンド)
    • ビデオメッセージ(南波さん制作のもの)
  • 両親への花束贈呈(新郎母からひとこと)
  • 両家代表挨拶(新郎)
  • 新郎新婦退場
  • 閉宴の挨拶
  • 送賓

 「鏡開き」はつまり「ウェディングケーキ入刀」にとってかわるもの。「宮沢さんからの贈る言葉」は、お願いして事前にメールで送ってもらった文章を、司会が読み上げた。笠木さん、上村君のふたりが司会であることは伝えてあったので、するといきおい「司会を困らせる」ことを趣意とした文章が届いた。『トーキョー/不在/ハムレット』をご覧の方には「詩人の長台詞ふう」と言えばいいか、千文字程度のなかに句点(。)は2個しかなく、その途中に早口言葉がふたつ入っているというもの。ネットで「早口言葉」を検索し、見つけたというそのうちのひとつはまるで聞いたことのないそれで、ほんとうに何を言っているのかわからない。

客ござって柿ござる柿ござったが客ござって客柿くって柿客食わずに客柿食い柿くい客に柿くわぬ客

 ゆっくり読んでも文意が辿れないよ。それを引用し、宮沢さんはしれっとした顔で次のように書く。

「客ござって柿ござる柿ござったが客ござって客柿くって柿客食わずに客柿食い柿くい客に柿くわぬ客」といった言葉に代表されるように、

 あはははは。
「ヤス荒川とマダムハニームーンバンド」は私の友人らで構成されたイベント時かぎりのバンドである。結成されるのは2回目で、1回目は私の高校同級である上山君の結婚披露合宿のさいに、吉沼(私の大学同級)とその奥さんの彩子さん、次兄・相馬彰と兄嫁・みえさん、荒川、田村、永澤(以上、高校同級)、そして私の妻と私で集まり、同じ「ヤス荒川とマダムハニームーンバンド」の名前で歌と演奏とコントと踊りからなるステージを披露した(そのときは、Vocal, Dance:みえさん/Bass, Keyboard:相馬彰/Guiter:吉沼、Percussion:彩子さん、拓位さん/コント班:荒川、田村、永澤、相馬)。で、今回はその面子からわれわれ夫婦が祝われる側として抜け、交替に上山君夫妻が参加して、歌と演奏とスライドショーで構成された出し物をわれわれのために用意してくれた。
「つづきまして、新郎の友人であります、荒川泰久様よりご祝辞でございます」と司会から紹介された荒川がひとりマイクの前まで出て、挨拶がはじまるかと思わせていきなりひとり「乾杯」を歌いだすと、それに合わせて残りのメンバーが隠し持っていた鈴やらなにやらを手にし足にし、それを打ち鳴らしながらぞろぞろと席を立ってステージまで上がってきて独唱に徐々に演奏が加わる、というそのオープニングはなかなかかっこよかった。いずれ上山君あたりが考えた演出だろうが、その「いきなり『乾杯』を歌い出す」というくだらない要求に過不足なく応える荒川には頼もしささえ感じられたのだった。スライドショーの中身も上山君のアイデアらしいが、荻窪で同棲をはじめる前、付き合いはじめのころに私が暮らしていた西荻窪の風景を撮り下ろしてくれたもので、永澤が PowerPoint で操作し、バックのスクリーンにそれが映し出されるなかを細野晴臣さんの「恋は桃色」。最後に(これは私はよく知らないが)曽我部恵一さんの「STARS」という曲を演って全3曲。
あと、「兄嫁・アンド・ゼア・ハズバンヅ」は相馬側の兄2人とその嫁2人、それと長兄夫婦の次女というメンバーで、シューベルトの「野ばら」と細野さんの「夢見る約束」。
余興の最後を締めくくってもらったのは南波さん制作のビデオレターで、同じく『トーキョー/不在/ハムレット』でいっしょだった熊谷さんと岩崎さんがそのなかに出演してくれている。というか、そのふたりのお祝いのメッセージを南波さんが収録して届けてくれるという構成で、南波さんはひとりでカメラマン(ハンディのビデオカメラは上村君から借りたもの)もつとめる都合上、「詩人」の恰好をさせた自身の人差し指をナビゲーターに見立て、もう一方の手に持ったカメラでそれを撮りながら声で出演するというかたち。三人ともそれぞれの公演にむけて稽古を抱えた日々のなか、そうしたものを作ってくれた。ありがとうございますよ、ほんとうに。

さて、四月のその後の日々は。
4月9日(土)。宮沢さんたちとの花見。
4月10日(日)。自主リーディングの会。これも隅田公園で花を見ながら。
4月12日(火)。東京乾電池『長屋紳士録』。スズナリ。
4月16日(土)。演劇集団 円『東風』は、岩崎さんが出演。観劇後、浅草に出て神谷バーへ。相席になったおじさんがいい酔っぱらいで、愉しませてもらう。
ま、そんなところか。あとはだいたい仕事。

本日の参照画像
(2005年5月10日 02:51)

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