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May.
2006
Yellow

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/ 11 May. 2006 (Thu.) 「ダ・ヴィンチ・コード」

ダン・ブラウン『ダ・ヴィンチ・コード』(角川文庫)
ウンベルト・エーコ『薔薇の名前』(東京創元社)
セルバンテス『ドン・キホーテ』(岩波文庫)

ところでいきなりな話、『ダ・ヴィンチ・コード』だけれども、私はまだ読んでいない。「医学都市伝説」のブログが先日取り上げていたのが『ダ・ヴィンチ・コード』で、そこには辛口な読後評が書かれてあるけれども、書き出しには、

連休の間、酒飲んで寝てばかりいたら、定年退職後に濡れ落ち葉となってアル中化し、我が良き顧客(筆者の職業は精神科医:引用者註)となる人々を思い出して、せめてまとまったことをしようと、必死になって文庫本3巻という結構な厚みのこの本を読み通す。
(医学都市伝説: ダ・ヴィンチ・コード)

とあり、まず私が感銘したのは筆者の、「せめてまとまったことをし」たいというその意志だったはずだと思い出す。とかく買ってきた本を読了していないのが私である。そんななか、読後評のなかに軽く引き合いに出されるかたちで登場する「U・エーコの『薔薇の名前』」という固有名詞には、その記事を読んだとき、ほんとうに驚かされる思いがしたのだった。

例えば狙いは似ていないでもない、U・エーコの「薔薇の名前」や「フーコーの振り子」とかでは、別にクソ難しいトリビアを垂れ流しこそしなくても、もう少し厚みがある印象を残しましたがなぁ。
(同上)

 いったい何にはっとさせられたのだろうか。ひとつには、「そうだよ、『薔薇の名前』も読んでいなかったじゃないか」(これは買って読了していないのではなく買ってないのだが)ということがあって、するとそれはつまり、『ダ・ヴィンチ・コード』を読むんだったらそれよりもまず『薔薇の名前』だろうと考えたことになるけれども、しかし立ち止まって考えてみるに、俺、『ダ・ヴィンチ・コード』を読もうとしていたんだっけ? という疑念は当然湧くところで、いやいや、べつに読もうとは思っていなかったはずだと答えるとするなら、結局のところ私は、ただ純粋に『薔薇の名前』を読みたいと思ったのだとしてまちがいない。
そうだよ、『薔薇の名前』もまだ読んでいなかったじゃないか。
読めばまずまちがいなく面白いだろうと思われる本、あるいは少なくとも読んでおいて損はないだろう部類の本で、けれど(だからこそなのか)、読んでいないものは多い。『ドン・キホーテ』だってそのひとつだ。『トリストラム・シャンディ』だってちゃんと読んだのはほんのわずかな量でしかない。そうした本たちはえてして事前に優劣というか、優先順位を付けにくいから、「読んでみるか」とそのうちのひとつを手に取った瞬間にものすごい数の同様の本たちが想起されてしまう。「じゃあ、ひとつこれから片付けよう」とそこで堅実な歩み方ができればいいものの、できないんだなあ。
あと、読書に際しての辛抱も足りていない。最近は本を読んでいるとすぐ眠くなるので困っている。困ったなあ。
で、『ダ・ヴィンチ・コード』はどうなったんだという話だけれども、じつは単行本がうちの本棚にはあって、着実に物事を進めていくことで知られる妻が、しばらく以前に読了しているのだった。で、私はその前に『薔薇の名前』だ。断固、『薔薇の名前』だ。ここはひとつ妻に読ませて、その感想を聞くという手もあるかもしれない。「妻に聞く、世界の名作」だ。それはいいな。

本日の参照画像
(2006年5月13日 04:02)

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