10
Oct.
2007
Yellow

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/ 28 Oct. 2007 (Sun.) 「句会」

築地本願寺にて。

句会だった。会については追ってくわしく書くけれども、最後の句の合評が終わったとたん、どっと疲れが出たのだった。基本的にとても静かな会だし、私も、流れをつくるために意識的にしゃべっていた面はあるものの、しゃべり倒すなどというわけもなく、ごくごく普段どおりに過ごしてしまったとすら反省しているくらいだが、終わってみたら、ぐったりしてしまった。それで、だから、帰り路で南波さんから近況を聞いたときもひどくぼんやりしていた。別れてから、いまのはもっと喰い付いていろいろ聞き出すべき話題だったんじゃないかと思い返すような具合だ。へえー、あそうですか、南波さん。それはそれは。
ぼんやりしたのは、そのとき、帰ってからやらなければならない仕事のことが急に頭に呼び戻されて憂鬱になったということでもあって、なぜそれを片付けてしまってから句会に臨まなかったかといまさら思ってみたりする。で、余韻に浸るまもなく(といって、わりと浸ってたけど)、それらの仕事に追われていたわけで、ちょっと遅くなったが、いまこうしてやっとおとといの日記を書きはじめている。
というわけで句会だった。銀座のルノアールの会議室を借りて、午後一時から五時までやっていた。
いつも髪を切ってもらっている店が銀座にあり、立川に越して以来とくにそうだが、銀座というのもあまりちょくちょく来る場所ではないから、ついでにと、午前中にその床屋の予約を入れた。入れたところ、ずいぶん早い時間に銀座に来なければならないことになり、髪を切り終わってまだ十時半である。ひとまず有楽町まで歩いてビックカメラに寄る。句会の記録用に使うDVテープを買ったほかはけっきょく何も買わなかった。Leopardも買わず。ただ、けっこう時間はつぶした。それからその近くにあるメガネ屋(alan mikli)に行き、フレームの調整をしてもらう。その後、思い立って築地本願寺まで歩いてみようと考えたのはひどく天気がよかったからだ。正面の本堂に上がり、焼香の匂いのなかでしばらくぼんやりする。で、その近くで寿司を食った。腹いっぱいになって銀座にとってかえすと、もうほどよい時間である。
句会の参加者は私を入れて七人。主宰のひとりである大学同窓の吉沼と、その妻の彩子さん。同じく大学同窓だが、こないだのゼミ同窓会が卒業以来の再会だった加島さんは、数年前に自費出版ながら第一句集も出している人で、何年かぶりになるこのわれわれの句会をまたやってみようかという主宰者たちの気分を決定づけたいちばんのきっかけでもある。そしてご存知、南波さん。近頃幻冬舎にうつった編集者の竹村さん。こないだまでは放送大学でアナウンサーをしていたりもした北田さん。で、私。それからここに、「句のみ参加」のかたちで、吉沼の高校同級の大竹君(創設メンバーのひとり)と、私の高校同級の永澤、あと、南波さんが引っぱりこんでくれたらしい『ニュータウン入口』の「浩」役、佐藤君の三人の句が加わる。これらの面々が集まり、「句会」という器を借りて何をするのかと言えば、会の終了後、加島さんにあっさり指摘されたとおりで、「けっこうふつうの句会」である。
とりたてて突飛なことは何もないが、一応その「やり方」を説明しておくと、各自持ち寄った句(一枚に一句ずつ、短冊状の紙に適当な明朝フォントで印刷してきてもらう)を、そのテーマ(秋、朝食、病、自由詠)ごとに分けて回収し、いったん封筒のなかに入れる。そうして無作為に、封筒から一枚取り出したその句を正面のホワイトボードに貼り、はじめは誰の詠んだものかわからない状態で、取り囲んで座っている面々がああだろうかこうだろうかと思いついたことを言う。で、もういいかなとなったら、封筒から次の句を取り出し……というのをずっと繰り返す。

 以下、今回の投句一覧。

【朝食】
こまり顔でおまえ何を焼いている 相馬
ふとんのそと りんごかじる音 佐藤
真白い朝コーヒーのみ黒くて 吉沼(晴)
梨梨梨梨梨梨ヨーグルト 大竹
ねばねばの力まだまだとがんばる 吉沼(彩)
すき焼きが残った翌日の雑炊 北田
台風一過朝食のクロワッサン 加島

【秋】
赤に茶の木にあの山に葉が落ち 北田
秋燕の告げたる風の行方かな 加島
鐘鳴るやサモアの浜の栗拾い 吉沼(晴)
宵いまだ黒ぐろとねる秋なすび 相馬
沈黙の山まんじゅう囓る墓の前 南波
万灯の明りすいこむ夜の闇 吉沼(彩)
バス停に巣を張る蜘蛛とわれと待つ 大竹
はなくちとおるきんもくせい 佐藤

【自由】
ローファーの先ばかり見た檸檬のころ 竹村
それは雪ではない桜でもない 南波

【病】
父のもとへ走る君と冬の朝 竹村
あけぬ眼のわずかな動きに意志を聞き 永澤
青空がなだめてくれる検査の日 南波
おなかのすみのさなぎ 佐藤
旅に病んでタクで帰る 大竹
幸せかと問う弟花火のあと 竹村
なおしえぬ いのちのなみに ゆらぎつつ 永澤
万感を胸にこれから風邪をひく 相馬
紅葉且つ散る小康を疑はず 加島
鼻すすり子供のようにしかられる 吉沼(彩)
月に吠え陽へ病みこころしづかなり 吉沼(晴)

 句会のあいだはずっと音声録音用にハンディカムを回していて(カメラは固定でホワイトボードの句に向けてある)、前回・前々回はそこから文字を起こし、句と合評の様子を採録した冊子を作って、後日参加者に配ったりもした。またそれも作ろうかな。
もっと合評の様子を描写してこまかく報告するつもりだったが、前半余計なことをつるつると書いていたらもうだいぶ長くなってしまった。後日また書くかもしれない。いざとなったら作った冊子をPDFにして、まるまる載せてしまうという手もあるか。

本日の参照画像
(2007年10月30日 15:10)

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