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May.
2008
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/ 7 May. 2008 (Wed.) 「カウンターと中和」

硫化水素の作り方はこちら。といったやり方はやや露悪趣味が勝るかたちで美しくないかもしれないが、ともかく必要なのは──そしておそらくじっさいに有効なのは──国家による規制よりも、民間による「カウンター」と「中和」である。
「GIGAZINE」がまとめた「硫化水素で自殺するための情報をネット上から削除するべきか否か?」という記事は非常に目配りよく各方面の声を配置している印象で参考になる。そこにある「ウェブ魚拓」のきっぱりとした態度表明にも感服するが、加えて、自殺対策支援センターライフリンク(NPO法人)の代表が示している、以下の対策にもただうなずかされるばかりだ。前掲の記事が引用している箇所とまったく同じだが、ここにも引いておこう。そこに挙げられている「ネットでの対策」が「削除」でないことは注目に値する。

考えられるのは、緊急避難的な対策と根本的な問題に迫るための長期的な対策だろう。

緊急避難的な対策については、大きく2点。
ひとつは、報道の仕方をあらためること。WHOの「自殺報道ガイドライン」リンクは引用者]を参考にして、自殺対策に資するような報道に変えていくことである。

もうひとつは、ネットでの対策。「自殺」「硫化水素」と検索したときに、相談窓口のHPが先に検索されるような仕掛けにすること。加えて、2ちゃんや自殺掲示板などに、相談窓口のHPアドレスをカウンター的に打ち込んでいくこと。そうやって、自殺の方向に向かう情報ばかりが集まっている状態を、生きる方向に向かう情報を増やしていくことで「中和」させるべきだろう。

また長期的な対策も、2点。
ひとつは、教育の中で「悩みを打ち明ける訓練」「死にたいという気持ちになったときそれを伝える訓練」をすること。
自殺予防教育というと、すぐに「命の大切さを教えよう」ということになりがちなのだが、子どもたちだって「命が大切なこと」くらいはすでに分かっているわけで、問題はその「大切な命」を守れなくなってきたときに助けを求める方法を教えてあげることなのだと私は思う。

またもうひとつは、「生きるに値する魅力的な社会にしていく」ということだ。そのためにも、社会がもっと「死から学ぶ」ための仕組みを整えるべきだろう。当事者の声が施策に反映されるような仕組みを作っていく必要があるのだと思う。
ライフリンク代表日記:「坑道のカナリア」の声を聞け 〜「硫化水素自殺」報道に思うこと〜

 「『自殺』『硫化水素』と検索したときに、相談窓口のHPが先に検索されるような仕掛け」は、むろん検索サイトの側で対応してしまうことのほうが話は早いだろうが、一方で、たとえば冒頭のようなリンクを個々人がそのサイトに張ることでも、「硫化水素」で検索した場合の当該ページ(もしくは別の、自殺志望者に読ませたいと思うページ)の順位を上げることは可能だろう。もちろん、素直に「硫化水素自殺を考えているあなたへ」とリンクを張るのでもかまわないし、効果は同等かそれ以上だと思う。
そしてまた別のカウンターとして、私が用意したいと夢見るのは「ひどく時間のかかる硫化水素の作り方」である。「作り方」というか「作り方を記した(とされる)読み物」で、主人公の男は四十二歳で硫化水素による自殺を遂げることになるのだけれど、そこでは自死へと至る男の一生が語られる。途中何度も語り手によって確認されるように、目的はあくまで男が用いたとされる画期的な硫化水素の生成法を説明することにあるはずなのだが、しかしその欠くべからざる前段として語りはあくまで男の生涯に寄り添おうとし、ときにその記憶のひだにまで拘泥したかと思えば、ときに思わぬ脱線を見せる。読み進むうちに奇妙なことが起こるのは、どうも、いま語っている当の語り手こそがその男なのではないかと思える言及が現れはじめるからで、とすると、男は自殺しなかったのだろうかという疑念が沸くことになって読者は混乱するが、そのさなか、三十六歳になった男が上海へと旅立つところで唐突に第一部の幕は閉じられてしまう。そしてつづく第二部、同じ語り手によってこれまた唐突に語られはじめるのは、男の母親の物語なのだった。
「なのだった」じゃないよ。

コメディライターの須田泰成さんから電話をもらう。5月21日(水)に新宿ロフトプラスワンで「モンティ・パイソン・ナイト」なるイベントがあるそうで、よかったら来てくださいとわざわざ。ありがたい。台本集を翻訳した『空飛ぶモンティ・パイソン 第1シリーズ』でお世話になったイースト・プレスの編集者の方はその後、私のブログ(ここ[=Yellow]かな、ここだとは思うけど)を読んでくれてもいるそうで、かつまた「面白がっているらしい」とは須田さんからの伝聞である。だとすればこれもありがたい。
4月26日付の「贅沢をする」でただただ自慢させてもらった細野晴臣&ワールドシャイネスのライブ(@Billboard Live TOKYO)だが、そこでの音源から2曲、「Pom Pom 蒸気」と「はらいそ」が iTunes Music Store限定でリリースされている。
そしてビルマ(ミャンマー)だ。たいへんなことになっているのだった。死者数がすでに2万を越え、推計100万という数のひとが家を失ったサイクロン被害へのユニセフ緊急募金はこちらからどうぞ(クレジットカードによるインターネット募金も可能)。Save Burma!

(2008年5月 8日 20:12)

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