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Aug.
2008
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/ 7 Aug. 2008 (Thu.) 「さかのぼって志ん五のことなど」

夏休みウルトラ計画『アメリカに行く』

まずは夏休みウルトラ計画・第一回公演『アメリカに行く』の告知から。基本はこっちに書いたことの繰り返しだけど。
舞台方面にも手を染めてひさしい映画作家の浅野晋康と、「ラストソングス」の活動でも知られる俳優・鈴木将一朗とが組んだ新ユニット「夏休みウルトラ計画」は、その第一回公演に井苅智一、関寛之、松永大輔、柳沢茂樹を迎え、8月22日・23日の両日、新宿ゴールデン街劇場にて『アメリカに行く』全3ステージを行う。これはぜひ観ておきたいところ。
はじめにサイトの打ち合わせを行ったのがほぼ二ヶ月前になり、途中「やっぱり何か写真素材がほしい」と駄々をこねたり(で、将一朗をモデルにした大量のくだらない写真=撮影:渕野修平さんが送られてきたり)しつつ、ずるずると先送りにしているうちにはや稽古もはじまってしまったのだったが、で、あわてて作ったサイトがこちら。チケット予約フォームもあり、いま、ウェブから予約してくれた方にはもれなく「素敵な鈴木将一朗 壁紙」をプレゼント中である。ぜひ、この機会に予約していただきたい。

さかのぼって7月30日は古今亭志ん五の独演会を聞きに新宿へ。夜やや早い時間にはじまるので、このさい会社は早退し、手前で鍼治療にも行く。三回目の鍼で、いよいよだいたいのところが呑み込めてきた。何がこわくて何がこわくないか、真に緊張すべきはどの部位か。手足に打たれるほうが格段にこわいというのは一回目から知れたが、手足のなかでもどこがわりあい平気で、どこが百パーセントだめか、百パーセントだめなところはほんとに百パーセントなので(こりゃ来るなと思っていると案の定全身に電気が走るので)、そこはもうあきらめつつやり過ごすしかないといったことなどさまざまにわかってきたが、しかしこわいものはこわい。
いっしょに行く予定だった妻が来られなくなったので、何人かに声をかけた結果、志ん五は米倉さんと聞くことに。開口一番は、志ん五の弟子で前座の古今亭だん五が「豆や」。いや、開口一番てやつは十中八九いたたまれない思いをするものだけれど、このだん五さんがねえ、思わず10コ下を掴まえて「さん」付けもしようというほどの完璧な下手くそっぷりで、いっそなんだか好ましく、清々しいほどに「まっさら」であることに驚いた。たいていはもう少し知恵というかクセというか、要はあざとさがあってそれがいたたまれなかったりするのだが、そういうものの一切ない、直球の下手くそ。視線が定まらないにもほどがあるよ。この「まっさら」な状態に出会ってしまった以上、だん五さんにはぜひともこの上なく精進され、大成してほしいと願ってやまないけれど、このだん五さんがやがて「うまく」なることがあるとすれば、いよいよ芸ってやつはわからない。
志ん五は「ねずみ」と「大工調べ」の二席。収穫は「ねずみ」。口はばったい言いようながら、いま、「古今亭」のもつ最良の部分をもっとも体現できるのは(あるいは、その可能性があるのは)やっぱりこの人なのだと再確認させられる一席。演りようによっては粘っこくも描写できるだろうところを軽く、すっすっと筋から筋へつなげていきながら、それでいて個々の場面(ショット?)は非常に解像度が高いというようなそんな印象で、たとえば甚五郎の二度目の仙台行きにほぼ藪から棒に同行する大工・政五郎の江戸っ子ぶりなどはもう一種のクライマックスである。
だからこそ、なおのこと、「大工調べ」にはもっと期待したいし、まだまだ解像度を上げられるはずだと聞く側の欲が出る。ちょっと冗長かなあ。「おなじみ『大工調べ』の序でございます」として裁きの場面まで演らずに降りたが、いっそサゲまで演って同じ時間というぐらいまで刈り込んでいいのじゃないかとも思う。というか、ちょっと「手入れが足りない」といった感じの出来と言うべきか、いずれにしろ、「古今亭」の面白さも「志ん五」の面白さも、まだまだこんなものじゃないのだよ。ひたすら期待したいね、私は。

8月2日には、FUKAIPRODUCE羽衣の『ROMANCEPOOL』を観た。受付で売られていた今作のサントラCDを買い、以来ずっとそればかりループさせているような毎日である。

(2008年8月 8日 19:49)

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