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Apr.
2009
Yellow

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/ 2 Apr. 2009 (Thu.) 「デジカメを注文してしまった」

カルロ・ギンズブルグ『糸と痕跡』

飯田祐子ほか編著『少女少年のポリティクス』

煮込みうどんとたっぷりの睡眠がたしかに効いて、朝には鼻が止まり、夕方から気分もだいぶ戻って、快癒まであと一歩というところに漕ぎつける。
きのう(1日)のことをもう少し書くと、風邪気味だからといつもより早めに会社を出たあとで、しかしつい、新宿の紀伊國屋書店に寄った。なかなかに抑制をきかせたチョイスで三冊買う。

 ギンズブルグ『糸と痕跡』は歴史学の本。歴史学といってもむろん、文学(テクスト読解)とそれが交差し融け合うような地点から(/へむけて?)書かれたものであり、それでいてなおかつ、歴史(ヒストリー)と虚構(フィクション)とのいっさいの区別を廃止してしまおうとするポストモダン的な、相対主義的な態度には断固として「否」をつらぬく、というような著作であるらしい。これはギンズブルグのまたべつの著作『歴史・レトリック・立証』にある言葉(らしい。孫引き)だが、

知識は(歴史的知識もまた)可能なのだ。

というわけである。ま、まだちょっとしか読んでないからわからないけど。というか、富山太佳夫さんによる書評を読んだわけでして、それで例によって買わされてしまった。
 「『子ども』が少女と少年とに切り分けられたとき、何が起こったのか──。」と紹介文にある『少女少年のポリティクス』は、少女少年表象の政治性をテーマとした論文集詳細な目次については青弓社のページをどうぞ)。生方智子さんの「愛を告げる者──萩尾望都の作品における〈鏡〉の機能」が収められており、ふと「生方智子」でネットを検索していて知った。いまは立正大学で教えているらしい。へえー。(って、この話題が通じるのは吉沼だけだと思うけど。)
 『アーキテクチャの生態系』は、何で知ったんだっけなあ。それこそアマゾンのアーキテクチャが教えてくれる、例の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」だったかもしれない。環境管理型権力を用いてなされる社会設計に着目した、情報社会論の本。
きのうの日記の記述を読んだ妻はすぱっとした調子で言う。「わたしは『ポンヌフの恋人』も『ポーラX』も観たことあるよ」。そうだ、それで、『ポーラX』の原作であるところのメルヴィル『ピエール』が妻の蔵書として本棚にあるのだった(『ピエール』はけっきょく読んでいないらしいが)。「アデュー」の絵が「七夕っぽい」件については、「そうだね、わかるよ、七夕っぽいよね」とやさしく慰められた。また一方、何も三枚も写真を載せることはないのではないかと、横光利一には同情的な妻である。
というわけで、つい、注文してしまったというのは、パナソニック「LUMIX」シリーズの「DMC-LX3」だ。これでまた、『世界の料理ショー』のDVDボックスは遠のいた。『落語研究会 八代目 桂文楽 全集』も遠のいたな。

本日の参照画像
(2009年4月 3日 12:30)

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