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Aug.
2009
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/ 25 Aug. 2009 (Tue.) 「すれちがいの夏」

これが日本一うまい「味道楽ミニ2」。

なんといってもまず驚きと困惑とを表明しなければならないのは「くめ納豆が経営破綻」のニュースだ。なんてこったい。

 「くめ納豆」ブランドで知られる1952(昭和27)年創業のメーカー、くめ・クオリティ・プロダクツ(茨城県常陸太田市)は25日、東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立て、経営破綻(はたん)した。負債総額は110億円。「金のつぶ」を展開する業界2位のミツカングループ本社(愛知県半田市)が、くめのブランドを引き継ぐ。
(cache) asahi.com(朝日新聞社):「くめ納豆」破綻、ミツカンが支援へ 業界3番手 - ビジネス・経済

わが家で納豆といえば「くめ納豆」である。なぜならうまいからだ。このさいはっきり言わせてもらうが、納豆では「くめ納豆」がいちばんうまい。群を抜いてうまい。さらに註を加えるなら、ここで「くめ納豆」と言っているのは「味道楽ミニ2」のことである。より高級を謳った上位商品に「丹精」というのがあるが、これはさほどではなく、やっぱり「味道楽ミニ2」だ。これまで何品か、たとえば「成城石井」の棚で見かけるような「なんだか高級そうな納豆」(じっさい高い)も試してみたけれど、そのつど軍配は「味道楽ミニ2」に上がったのであり、それつまり「好みの問題」ってことは多分にあるものの、しかしやはり日本一うまいとしか言いようがないのが「味道楽ミニ2」だ。
「くめ納豆、くめ納豆」とうるさい相手と暮らすことがなければ、おそらく積極的には食卓に納豆を並べていなかったろう(つまり基本的には納豆が好きではない)妻をして「これはうまい」と言わしめるのが「味道楽ミニ2」であり、妻もまた「食べられる納豆がなくなっちゃうじゃない」とニュースには大きくショックを受けている。とはいえ、支援に乗り出した「ミツカン」が「くめ納豆」からその「営業権と商標権を取得することで基本合意」したとも報じられており、「くめの従業員が10月にも設立する新会社から『くめ』ブランドの納豆を仕入れ、ミツカンが販売を担う」毎日jpの記事というから、まあ、すぐさまその味が消えるということはないのだろう。
ところでわたしはいま、「ドラクエ9」の刺さった妻のDSを持たされて、会社へと出かける日々だ。わたし自身はプレイしていないし詳しく知らないが、「すれちがい通信」というやつなのだった。ゲーム上では「宿屋の客引きを手伝う」という設定になる。客の呼び込みをおこなう状態にしたDS(本体を閉じた状態でかまわない)を持ち歩き、同じ状態にある人と街でまさしく「すれちがう」と、自動的にDS間の無線通信がおこなわれて、その人が宿の客(その人にとってはこっちが客)となる。で、お互い、手土産に宝の地図を持参することができて、泊まった客からその地図をもらうことができる。その方法でもって、妻は「まさゆきの地図」を手に入れたいという。「国民的RPG」だからこそ成り立つ仕掛けだろうが、それにしても、電車に乗るやばんばん「すれちがう」から驚きである。
きのうも持ち歩いていたのだが、きのうはとにかく言われるまま、閉じた状態で朝手渡されたそれをお尻のポケットに入れ、一度も開くことなく純心にただ身に付けて一日過ごしたのだった。昼間、ビックカメラ有楽町店のゲーム売り場(そこで「Wii Sports Resort」を買った)もうろついてみたからじゅうぶん「すれちがった」可能性は高く、重責を果たした思いで帰宅したけれど、いざ妻に返そうとしてポケットのなかのDSをつかむさい、刺さっている「ドラクエ9」のカートリッジに指を当ててイジェクトしてしまう。「あれ?」と俺、「あーあ」と妻。
衆院選と同時に実施される「最高裁判所裁判官国民審査」だが、24日付の朝日新聞朝刊に、今回審査を受ける九人を対象におこなったアンケートの各回答と、それぞれが関与した主な裁判、経歴などが掲載されていたアンケートの回答全文はasahi.comにある。「あれって何で判断すればいいの?」と先日妻に訊かれたばかりだったため、「こんなのがあるよ」と示すと熱心に読みはじめる妻だが、しばらくして笑い出すから何かと思えば、裁判官のひとり、金築(かねつき)誠司(せいし)さんの「経歴など」の欄にこうあるのだった。

 東京地裁所長、大阪高裁長官などを歴任。最近、小学館の「日本の歴史」を読んでおり、全16巻のうち、14巻までを読み終えた。

 そりゃ、このいきなりな「金築さん情報」はいったいなんだということになるだろう。いっそ、「辞めてゆっくり読んでもらったらいいんじゃないか」とさえ思うが、これ、asahi.comにある回答の全文を読めばわかるとおり、わるいのは朝日新聞の要約のしかたなのだった。
金築さんはなにも唐突なことを言い出したのではなく、また小学館の「日本の歴史」のことで頭がいっぱいなのでもなくて、紙面では省略されているが、じつはアンケートのなかに「(19)最近読んで感動した本、面白かった本は」という質問項目があるのである。で、それにたいする金築さんの回答全文はこう。

 (19)小学館「日本の歴史」。全16巻のうち、14巻まで読み終えたが、資料の発掘・解読などが進んで、昔の人々の生活ぶりが詳しく分かるようになってきたことや、日本史に対する新しい見方などを教えられた。

『学習まんが 少年少女日本の歴史』

さらに妻はこれのことだと思ったらしい。これは全23巻だし、おそらくちがうと思われる。

 もちろん、「全16巻のうち、14巻まで読み終えたが」と原文でもつい報告してしまっている金築さんから、そのことにたいする「はしゃぎ」のようなものがどこかしら感じられることはたしかだというものの、だからって、あの要約はちょっと面白いじゃないか。
 質問項目にはほかに、「(17)尊敬する人物と、その理由は」、「(18)趣味は何か。また、好きな言葉、座右の銘は」などが含まれていて、金築さん以外の方々についても、それら「末端の質問」にたいする答えから適宜編集され、とくに説明のないまま、「経歴など」の「など」として朝刊紙面には載っけられている。
本日の電力自給率(25日):56.6%

本日の参照画像
(2009年8月26日 19:18)

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