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Nov.
2009
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/ 22 Nov. 2009 (Sun.) 「観られなかったという話」

寝ている妻を家に置き、東池袋へと出かけたのは『4.48 サイコシス』の当日券の列に並ぶためだが、まあその、だめだったのである。
販売開始の一時間前(開演の二時間前)に着き、それで二〇番目ぐらいだった(「ぐらい」というのは、どうやら一人二枚まで買えるらしいからだ)。当日券は「若干枚」という触れ込みだったからこの時点でもう、ああ、だめかあとあきらめかけたのだけれど、その後もどんどんと後続がやってくるのでひとまず並ぶことにする。途中で案内があり、係の人から「これ以降のお客様は、並ばれましてもご覧いただける可能性がきわめて低いです」と説明を受けて帰っていった人も含めると、ざっと八〇人ぐらいが並んだんじゃないか。
根拠もなく、ただなんとなく「寒空に並ぶ」というような絵を思い描いていて、すると一時間以上はつらいかなあという計算だったのだが、並ぶ場所は室温も快適なロビーで、しかも先頭の二五人ぐらいは床に座っていられるので、これだったら二時間前でもよかったんじゃないかとただそこが悔やまれる。本を読もうと持っていったのだけど、けっきょく一時間ぼーっとして過ごしてしまった。
販売された当日券はおそらく一〇枚程度、それ以降の一〇人ぐらいがキャンセル待ち扱いになってそれ用の紙を配布されていたが、その配布もちょうどわたしの前の人まででばっさりと終了。「ご入場いただいて、舞台装置などのインスタレーションを開演間際までご覧いただくことは可能です」と言われ、ちょっとぼんやりしていると、おや、そこにいるのは江尻君ではないか。『トーキョー/不在/ハムレット』の一年に亘るプロジェクトをともに演出助手仲間として過ごした江尻君である(最終的にかれは生中継カメラマン助手として本公演に臨んだ)。ほんと、あれ以来ぜんぜん会っていなかったから五年ぶりにちかい。思いがけぬ邂逅に気分も一転し、観られなかったことのもやもやが霧消するといったことは、残念ながらこれっぽっちもなかったものの、まあ、懐かしい人に会ったのだった。かれも当日券目当てで来てだめだったクチとのこと。
会場内のインスタレーションを眺めつつ、しばし江尻君としゃべる。聞けば、いまは早稲田にあるお寺に住み込みで働いていて(かれもわたしと同じで寺の息子だ)、劇作家協会の戯曲セミナーを受講したり、小さな舞台に出たりしてわずかに演劇の世界ともつながっているのだという。もちろん開口一番にちかく、「(鈴木)謙一さんはお元気ですか?」と訊く江尻君である。「元気だよ」と答えると「よろしくお伝えください」とのことだったので、よろしくお伝えしたいと思う。そうそう、ここもたまに読んでいると言っていた。で、話しているとそこへふと現れ、「相馬チケット取れたの?(「取れなかったです」)そうか。ぼくはね、取れたんだよ」と言って去っていった人があった。見たことのある顔だった。
会場をあとにしようとすると今度は、エレベーター脇に立ち、道案内役をしている丸瀬君にでくわす。「当日エキストラも募集中なんですよ。もしよかったら」と言われ、本気で少し悩んだ。終演三〇分前ぐらいに集合し、ラストの場面で大勢いっせいにわーっと舞台に出ていくのだという。そうかあ、このさいそれもいいなあと悩んだ末、けっきょくよすことにして帰途についた。

脈絡がなくてあれだが、そう、22日付の「LOSCO」(児玉君の日記)にあった、この言葉がとてもよかった。

とはいえこうして書いている。そういうものにこれはなったのだろう。

 これはちょっと、いい言葉だ。

(2009年11月24日 20:54)

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