2
Feb.
2012
Yellow

最近のコメント

リンク

/ 18 Feb. 2012 (Sat.) 「ロビンの不調」

ひとかたまりになってよくわからないかもしれないが、ロビンに、ピーが乗っている。ロビンはあきらかに元気がないのだが、それをまったく察しないあとのふたりだ。

闘病中のロビン。

ポシュテ。ロビンの闘病とは無関係な一枚だが、かわいいので載せておく。

16日(木)

午前中、妻がロビン(猫、オス、15歳)を病院に連れて行く。
二日ほど前から、足を開いて股間のあたりを舐める行動が目につくようになっていた。ロビンは過去に尿路結石を三度患っていて、だから妻は、ロビンのおしっこが日々出ているかどうかを自然と気にかけるようになっている。何度もトイレに行っては何もせず出てきて、思うように出ない気持ち悪さをどうにかしようとしきりにおちんちんを舐めるのは尿路結石におけるよくある風景だけれど、観察するかぎりおしっこもうんこも出ているから、差し迫った大事とも思われず、ただ「何だろう?」というぐあいに見ていた。それがやがて食欲に影を落としはじめる。
うちにいる三匹(ほかにピー=9歳、ポシュテ=3歳、いずれもオス)のなかで、もっとも食に執着を見せ、俗に「腹っぺらし」とあだ名されるのがロビンである。ちなみにもっとも食に執着がないのがピー。わが家では朝に缶詰、夕刻にカリカリ、夜遅くにもう一回カリカリの計三食を与えているが、ピーはたいてい朝の缶詰を食べない。食事は毎回一階で与えるのだが、階下から缶詰のふちをカンカンとフォークで叩き、名前を呼んでもピーはひとり二階のベッドから降りてこない(たまに降りてくる。また、缶詰を叩くのはピーひとりのためであって、ほかのふたりは呼ぶまでもなくわたしの足元にいる)。そんな、「いまどきの子」かおまえはというピーはしかしいちばん太っていて重く(7kg)、一日二食で太るさまは関取を思わせもする。朝食べないものだから、午後にはひとり腹を空かせて早々にカリカリの催促をはじめる。知ったことかと言いたくもなるのだった。
いや、ピーの話などどうでもよかったのだ。そんなわけで夕刻の催促を主導するのはピーだが、朝と夜の催促はもっぱらロビンの仕事である。机に積んである本に爪をかけ、ばさばさと落とすのがいちばん効く。何かとあとをついてまわってはこちらを見上げ、黒目がちの目(後述)をかがやかせる。そんないつもの元気がどうもない。最近、夕食後に妻がおむすびをにぎるようになってから「海苔」という楽しみをおぼえたロビンとポシュテだが、その「鉄板」とも言える海苔を与えて食べなかったことが決定打となり、病院に連れて行くことになった。
触診の結果でも、やはりおしっこは詰まっていないという。すると喫緊の課題は食欲不振で、すぐにこれという原因がわからず、疑わしいのは「高血圧」あたりだろうかという見立てだ。ただ、有意な血圧を測るにはロビンが興奮気味なので(診察室でひと暴れしたらしい)、ひとまず血液検査で全体の健康状態を診る運びとなる。また、もうひとつ話題になったのがロビンの「黒目がち」。めまぐるしく変わることの喩えにもなるように、暗いところでは光を多く受けられるよう黒目が増え、明るい場所に出れば縦に細く、黒目が減少するのがいわゆる「猫の目」だが、ロビンはここ二、三年ずっと、場所の明暗にかかわらず、めいっぱいに黒目が広がったままで変化がない。それ、表情としてはひじょうに「かわいい」のだが、目としては正常でないわけで、ま、「まったく」ではないにしても「ほとんど」見えていないのではないか、勘だけで不自由なく暮らすウルスラ状態(ガルシア=マルケス『百年の孤独』参照)なのではないかとわたしなぞはとうに思っていた。で、やはり見えていない(=網膜剥離を起こしている)可能性はあるといい、原因として考えられるのは高血圧、甲状腺異常、腎機能障害といったあたりだという。うち腎機能障害は今回の血液検査で調べられる。高血圧は前述のとおりで次回以降。甲状腺の検査も、センターに血液サンプルを送って云々の検査になる都合上、これも次回以降だ。というわけで妻は血液検査の結果を待合でロビンと待つ。なにせ 15歳は老境だ。どうしたって「衰え」はあるだろう。糖尿病といったあたりの病名も妻の頭をかすめた。
30分ほど待たされて、出てきた結果は「健康」というものだった。ロビンの血液、好成績。
となると、元気がない(ように見えた)原因がはっきりしないということにもなるのだが、ひとまず食欲増進のための薬をもらい、様子を見つつ大事がなければまた一週間後に来院くださいと言われて帰ってきた妻からの、以下、SMS。あ、まぎらわしくて申し訳ないが、「よしお」というのがロビンのことである。妻がもともと付けた公式な名前はロビンで、こういった場所にはロビン、ロビンと書いているが、いま、日常ではもっぱら「よしお」と呼んでいる。

今、家に着きました。よしおは水飲んでる。(12:25)

そして残った朝ごはんを食べてます。(同上)

のりも食べました。(13:01)

 あれ? あれれ? という状況にこの日はなった。[電力自給率:3.4%(発電量:1.2kWh/消費量:34.9kWh)]

17日(金)

朝から新宿で、わたしの定期健康診断。昼すぎに結果が出る。わたしも「健康」だった。紀伊國屋書店に寄ってエミール・ブレイエ『初期ストア哲学における非物体的なものの理論』を買い、地下の「和幸」でとんかつを食べる。
ロビン(よしお)に新展開。ふたたび妻からのSMSで。

〔よしおが催促しないので〕誰も催促しないし、カリカリも残ってるから、もう少ししたらあげようと思うけど、よしおが舐めてるところがおかしいかも。(11:03)

舐めすぎてはげてるんだよね。昨日はそんなことなかったと思うんだけど。舐めてた場所も微妙にずれてるし。(11:16)

よっくん、缶詰め食べました。よたよたしてるけど、自力で下に降りて、食べました。やっぱり膿んでるみたい。ちょっとにおいがする。(17:21)

よしおは熟睡中。おしっこもうんこもしたよー。(19:26)

〔舐めてるのは〕おしっこするところの右隣。はげてるというか、今は黒くなっちゃってる。大きさは小指の頭くらいかな。(同上)

皮膚が破けて肉の部分が見えてるような感じ?ちょっとまわりの部分も含めて腫れてるかも。(同上)

 きのうはまだ傷が小さかったため診察時に見逃されたらしいそれが舐めすぎではっきり現れ、見た目に悪化するのと同時に裂けて膿が出たと思われる。元気をなくし、食欲不振になっていた原因も十中八九これだろう。元気のない印として、歩くときに尻尾を上げず、おしりに蓋するようにつねに垂らしている点が挙げられるが、これも件の部位をほかのふたりから防御するつもりなのかもしれない。
夜、銀座で床屋。[電力自給率:38.3%(発電量:12.9kWh/消費量:33.6kWh)]

18日(土)

妻とふたり、新展開のあったロビンをふたたび病院へ連れて行く。布製のバッグに入れ、自転車の前かごに載せて、ゆっくりめに走ること10分弱で「立川プラスワン動物病院」着。診察がいちいちていねいなので混み合うとなかなか待たされるが、いい病院である。
きのうはっきりした患部を診てもらい、「肛門嚢」と呼ばれる部位だと教えられる。直接の原因は不明だが、そこへばい菌が入って化膿したらしい。すでに膿が出てしまったので、当人としては幾分すっきりしているかもしれないと先生。抗生剤の入った飲み薬を処方され、このさき自身で舐めてしまうのはまあしょうがない、治癒を早める意味では舐めないに越したことはないが、エリザベスカラーを付けるとなるとそれ自体のストレスのほうが大きいだろうし、抗生剤が効いて菌が減れば自然と舐めなくもなるだろうと説明を受ける。
帰宅し、ごはんを与えて薬を飲ませる。膿が出てたしかに「峠を越した」感はあり、心なしかただの「腹っぺらし」に戻りつつあるようにも感じられるのだった。
夕方、新宿に出かけて「タムナデ姉妹」とサイト制作の打ち合わせ。[電力自給率:34.2%(発電量:14.0kWh/消費量:40.9kWh)]

本日の参照画像
(2012年3月 4日 15:51)

関連記事

トラックバック(0)

このエントリーのトラックバックURL:
https://web-conte.com/blue/mt-tb.cgi/856