/ 14 Feb. 2014 (Fri.) 「ドキュメント・足止め」
■いつから降り始めていたものか、起きて、二階の窓越しに見た屋根々々の光景には「あちゃー」となったものの、しかしいざ玄関を出てみるとアスファルトにはほとんど積もっておらず、雪質が先週とはちがうみたいねと妻も言う、その〈朝の感じ〉にだまされたなあという思いはつよい。午後にも仕事で外出したが、まだ積もる気配がなかった。
■ 19時過ぎに会社を出て、銀座らへんにある行きつけの床屋へ。髪を切り終わって 21時。担当の美容師さんに『ヒネミの商人』のチラシも渡して意気揚々と傘をさし、妻に電話をする。「有楽町にいる。髪を切っていた」と報告する電話越しのわたしに、妻ははっきりと油断を感じ取っていた。「このひと油断してるなあ」と思っていたという。
■で、有楽町駅前の三省堂書店に寄り、『群像』の 3月号 と、『小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム』(集英社) を買ってから電車に乗る。山手線をひと駅乗って東京駅に出、あとは中央線でまっすぐだ。まったくのところ床屋にさえ寄っていなければわたしは足止めを食うこともなく、すんなり立川に帰り着いていたはずである。
- 21:56
- 武蔵境駅到着。
- 22:07
- 妻宛: 武蔵境で(前に列車が詰まって)いったん止まっております。
- 22:43
- 妻宛: まだ武蔵境です。
■ちなみに武蔵境というのは三鷹のつぎ。(三鷹→)武蔵境→東小金井→武蔵小金井→国分寺→西国分寺→国立→立川(→日野→豊田→八王子→西八王子→高尾)というわけで、立川まではあと 6駅だ。東京(始発駅)から乗ったのではじめから座れており、ここらへんまではヘッドホンで『 A Paris』を聴きながら MacBook Airを膝に広げ、2月3日付の「誕生日がふたつと音楽がいくつか」を書いていた。なので車内アナウンスの案内もあまり聞いていない。だいたい書き終え、そのあと 1月31日付の「いつまで書いている」のアイデアも浮かんで少し書きすすめたが、そっちは家の資料(『 1・2のアッホ!!』)にあたる必要があるので途中まで。最近めっきり充電の持ちがわるくなった Airを閉じ、『群像』の古井由吉に切り替える。と、このへんでいよいよ状況が動かないのでツイッターにも手を出してみた。
- 23:51
- 中央線下り車中。かれこれ二時間ほど、武蔵境駅で止まっています。
- 0:23
- ひと駅、東小金井まで進んだ。
- 0:30
- もうひと駅いくそうだ。
- 0:51
- 妻宛: 元凶は高尾駅。そこのポイント点検(要は除雪?)のために先頭が高尾で止まっていて(上り電車として折り返せずにいて?)、そっから各駅に電車が止まっているという、だいたいそんなイメージ。さっきまでは日野でもポイント点検をしてたんだけどそれは終わって、少しだけ順繰りに進んでいま武蔵小金井。
- 2:09
- で、あれから、こんどは武蔵小金井駅に一時間半ほどいる。
- 2:33
- 妻宛(降りれるの? の問いに): 降りれはするよ。
■「ファミレスとかでごはん食べたりして、朝まで時間潰すとかは?」というもっともな妻の提案だが、いまいち腰が重いのは、気づけばこのあたりも外はけっこうな天候になっているっぽいからだ。風の音がすごい。あと、その手に打って出るには少し時機を逸した感もある。その手に打って出たか、はたまたべつの活路(タクシーとか?)を見いだそうとしたのだろうひとたちが徐々に徐々に降りていった結果、車内はいつしか、まばらに立っているひとがあるという程度にまで空いてきていた。だからファミレスなど長居のできる店は、あったとしてすでに満席なのではないかと想像される。
■とはいうものの、ずっとただ座っているのでさすがにお尻がいたい。お腹も空いてきた。それで、床屋で「バレンタインです」とくれた明治チョコベビーをしょぼしょぼ食べる。うまい。あと床屋では、奥さまにでもどうぞと Avedaのボディークリームの試供品もくれたが、そっちは使い途がなかった。
- 5:30
- 妻宛: けっきょくずっと車内にいる。なんか外は外でけっこうな荒れ模様(風と雨?)っぽいんだよね。
■で、気が変わり、ここで外へ。雪は雨に変わっていたが、風がすごい。一服してくらくら。すぐに目につくのはマクドナルド(さぞ混雑しているだろう)と、吉野家(長居できないかわりに混んでもいなさそう)だ。
- 6:13
- 妻宛: 外でてみた。吉野家が見える。
- 6:18
- 外にでてみたね。
- 6:26
- 妻宛: 牛鮭定食。
- 6:36
- やっぱり牛鮭定食だね。
- 7:11
- 妻宛(タクシーは? の問いに): ポツポツ来る感じでタクシーの列はできてる。マックに入った。
- 7:15
- マックのコーヒーのMは意外にでかかった。
- 7:24
- 妻宛(乗れそうだったらタクシーにしたら? と言われ): さっき外は風がすごかったんだよね〔なので列にならぶ気にならない、と言いたい〕。電車は早くて8時以降かな。高尾で除雪のほかに電源系統のトラブルがあるらしく、そっちのメドが7時50分とか言ってた。
- 7:38
- 妻宛: ちょっと駅の様子をば見てきます。
- 7:45
- 妻宛: 電車、もう少しすると国分寺まで進みそう。豊田まで開通して運転再開したらしい。で、ひと駅ずつひと列車ごと進めている模様。
■そうして電車は動きだし、わたしはひと駅ごと、そのうれしさをつぶやいた。
- 7:53
- 中央線下りは豊田まで開通、運転再開。ひと駅ずつ、ひと列車ごと進めるためのんびりだが、動き出した。上りは依然見合わせ。
- 8:00
- 花の都、国分寺だ。
- 8:07
- ヨーロッパの庭、西国分寺である。
- 8:11
- 上りも、豊田からの折り返しでポツポツ走りだしている模様。
- 8:23
- 銀髪鬼、国立。
- 8:44
- 立川っ。
- 8:45
- 妻宛: バスはいない。
- 8:49
- 歩道橋の階段の下り、無茶言うなあ。というか転んだ。
- 9:18
- 通りからわが家へとむかう路が、長ぐつをもたない者にとって絶望的な景色だ。
- 9:19
- 駆け抜けたいと思う。
■で、駆け抜けて帰宅。マッサージの予約を 11時に入れていたのを 15時45分に延ばし、『 1・2のアッホ!!』の第 6巻を手にして布団に入った。
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