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Feb.
2014
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/ 28 Feb. 2014 (Fri.) 「はしるおれ、まにあうおれ」

古井由吉『鐘の渡り』(新潮社)

13:22
無やる気。あったかい。

と、Day Oneのメモにはある。どうやらこのとき、やる気が皆無だったらしい。そして、あたたかかった。
けれどわたしはがんばった。働いたさ。夜になり、わたしはつぶやく。

20:02
ねむいんだなこれはたぶん。

まったくだめなひとのようだが、それはそれ、今日は古井由吉の新刊『鐘の渡り』 の発売日だ。このツイートのあとに会社を出、池袋へ。21時からシネマ・ロサで上映される『ハロー、スーパーノヴァ』にかけつけるその前に、どこかで『鐘の渡り』を手に入れようと「池袋 西口 本屋」で検索するが、どうも「西口」に期待をかけたわたしがいけなかった1]。「西口ならここへ来い、どーんと来い」というところがうまく見つからず、たとえば教えられたうちのひとつ、「東武ブックス 池袋ホープ店」は駅地下街のなかの「ホープセンター」と呼ばれる一角に店をかまえるが、一歩々々近づくごと、ぜったいちがうな、目指すべきはここじゃないなという予感を抱かせられていくさきにやっと姿を現した「東武ブックス 池袋ホープ店」には、ほんとうに何もなかった。

1:「西口」に期待をかけたわたしがいけなかった

というのはこのときの、気がせくあまりに無駄足ばかりを重ねたためのわたしの心情だが、いま、落ち着いて検索するに、「旭屋書店」(東武百貨店 7F)に行けばよかったらしいことがすぐに知れる。

あきらめて『ハロー、スーパーノヴァ』へ。「経済を語る女」の橋本(和加子)さんがよかったな。走るシーンも含めて。
上映後には出演者らの舞台挨拶があったが、それは失礼してすぐ外へ。〈西口の誤算〉もあっていつしか『鐘の渡り』を手に入れないことにはちょっとおさまらないことになっているわたしは、ここはひとつ確実なところを選んで新宿のブックファーストにむかう。23時閉店だ。

22:52
はしるおれ。
22:56
まにあうおれ。

というツイートはそういう話なのだったが、で、無事『鐘の渡り』と、あと、『東京かわら版』、『 MacPeople』、『 Mac Fan』のそれぞれの 4月号を買った。

 窓に向かって、両の掌に顎を深く沈めている。頰杖をついたかたちに見えるが、坐っているのではなくて立っているとある。

 連作短篇集ということになるのだろう『鐘の渡り』の冒頭作、「窓の内」はこう書き出されて、帰途、中央線車中にあるわたしの頭をがつんと打つ。これが仮に、

 窓に向かって、両の掌に顎を深く沈めている。頰杖をついたかたちに見えるが、坐っているのではなくて立っている。

とあるならたんなる描写だし、たんなる描写なのだろうと油断して読む矢先、「とある」の一語が添えられることでいきなり、語り手の意識にあるらしいもうひとつのテクストの層が浮かび上がる。「それで?」というほどのことかもしれないが、これで早くもどこへ連れていかれるのか皆目見当がつかなくなったわたしは、興奮のあまり先を読み進められず、「ああ」と息を吐いて本を閉じた。

Walked 9.3km • 13,661 steps • 2hr 21min • 447kcal.
Ran 0.4km • 532steps • 3min • 22kcal.
Cycled 0.9km • 4min • 19kcal.
本日の参照画像
(2014年3月12日 22:52)

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