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(1969年9月7日収録、同年10月5日放映)
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(1969年8月30日収録、同年10月12日放映)
第1シリーズ/第2回(1/9)
飛ぶ羊
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- 男、かなり向こうの砂山の上に現れる。男、カメラのある方角を見、それに向かって走る。男、手前の砂山で見えなくなったりしながら、なおカメラの方へと向かう。男、くぼみに落ちて再び姿を消す。男が視界から消えている間、彼が走っている音が聞こえているが、それは誰かが監獄の廊下を走っている音で、大きなドアが開いて閉まる音が後に続く。男、再び姿を現し、砂山を二つだけ越えるが、またまた視界から消える。今度は大きな金属音が続いて聞こえ、その後豚の悲鳴がする。男、一番手前の砂山に現れ、カメラに走り寄って、
- It's Man(MICHAEL)
- It's ...
- ナレーターの声(JOHN)
- Monty Python's Flying Circus
- 様々の奇っ怪な画像が続く。
- キャプション:「パート2」
- キャプション:「羊」
- 野原の広がる田舎にある柵の小さなセット。野良着を着て、くたくたの帽子をかぶった田舎者が柵にもたれている。休暇を取ってやってきたロンドン紳士が、その後ろから現れる。画面外では羊のメエーメエー鳴く音が終始聞こえている。
- ロンドン紳士(TERRY J)
- こんにちは。
- 田舎者(GRAHAM)
- こんちわ。
- ロンドン紳士
- いいお天気ですね。
- 田舎者
- ああ、だね。
- ロンドン紳士
- ここへは休暇を取って?
- 田舎者
- いや、ここに住んでる。
- ロンドン紳士
- おう、そいつはいいですな。あのー…あれは羊、ですよね?
- 田舎者
- ああ。
- ロンドン紳士
- はあ、そう思いました。ただその、木の上にいるのはなぜ?
- 田舎者
- いい質問だ。ここ何週間か俺もそのことを考えてた。俺の結論じゃあ、奴らは巣を作ってる。
- ロンドン紳士
- 巣を?
- 田舎者
- そう。
- ロンドン紳士
- 鳥みたいに?
- 田舎者
- その通り。これは俺の意見だが、羊どもは誤解してるんだ、自分たちは鳥であると。奴らの行動をよく見ろ。まず第一に、後ろ足で辺りをぴょんぴょん跳ぶ傾向が見られること。それに、木から木へと飛び移ろうと試みてるのも証拠のひとつだ。注意すべき点は、奴らはそんなに飛べない…逆さまに落ちる。
- メエーメエー…パタパタパタ…ウェー…ドサッ
- ロンドン紳士
- なるほど、しかしなんで自分たちを鳥だと?
- 田舎者
- それもいい質問だ。ひとつ確かなことは、羊は飛ぶようにできていない。止まり木にとまるという比較的シンプルな動作でさえ多大な困難をともなう。(メエーメエー…パタパタパタ…ウェー…ドサッ)面倒なのは、羊がとても頭が悪いということだ。いったんある考えが頭にとりついたら、それを変えない。
- ロンドン紳士
- でもどっからそんな考えを?
- 田舎者
- ハロルドからだ。奴こそ最も危険な動物、かしこい羊だ。奴は、羊の一生というものがほんの数ヶ月そこらに立っていることと、そのあと食われてしまうことから成り立っていることに気づいた。そしてそのことは、大志を抱く羊にとって憂鬱な見通しだった。
- ロンドン紳士
- じゃあ、なぜハロルドを隔離しない?
- 田舎者
- もし奴が成功すれば、大きな商業的可能性があるからだ。
- ナレーターの声(ERIC)
- では、羊属の動物が飛行することの商業的可能性とは、一体何か?
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