びっくりした話 (1999)

HTMLドキュメントにタイトルを付ける場合は、<HEAD>〜</HEAD>タグ内に<TITLE>〜</TITLE>タグを置き、「〜」としたところにタイトルを書く。このタイトルが、ウィンドウのタイトルバーに表示されたり、ブックマークやページ履歴の名前に使用されたりする。

もちろん初歩の初歩なのだが、手元にあるHTML本に「WEBページを作成する際に忘れがちなことに、タイトルをきちんと設定するということがあります」という「Tips」が載っているので、きっと「忘れがちな」ことなのだろう。実際、ときたまではあるが、「忘れている」ページに出くわすことがある。

「あ、忘れてる」と気づかされるのは、たいてい、そのページのタイトルが「Welcome to GoLive CyberStudio」などとなっている場合である。

別にCyberStudioに限ったことではなく、どのホームページ作成ソフトでもパターンは同じだと思うが、例えばCyberStudioであれば、新規HTML書類を作ったとき、前述の<TITLE>〜</TITLE>タグ内には「Welcome to GoLive CyberStudio」という文字がデフォルトで入っている。つまり、「忘れている=自分で書き直さずにそのままにしておく」と、できあがったページのタイトルバーには「Welcome to GoLive CyberStudio」と表示されてしまうわけだ。使っているCyberStudioが日本語版であれば、「GoLive CyberStudio にようこそ」になる。

まあ、そういう話である。しかしびっくりした。

Sherlock(*1)で「ロシアフォルマリズム(*2)」を検索したのである。

(*1) Mac OS 8.5に付属する検索機能。ハードディスクの中を調べる通常の検索のほか、WWW上の情報も検索できる。キーワードを入力し、「検索」ボタンを押せば、インターネット上の複数の検索エンジンにアクセスして、ランク付けされた検索結果を得られる。使ってみると意外と便利。
(*2) 1910年代半ばのロシアで発生、20年代のはじめに全盛をきわめ、30年頃には終わりを告げた、ひとつの批評運動。文学作品をひとつの自立した言語世界として捉え、言語表現の方法と構造の面から文学作品を解明することで、文学固有の批評原理の確立を目指した。シクロフスキー「手法としての芸術」、エイヘンバウム「ゴーゴリの『外套』はいかにつくられているか」等の論文が有名。現在では一般に使われるようになった「異化」という概念は彼らの理論から生まれた。全然説明足んないけど、まあそんな感じ。各自勉強しとくように。

で、これがその検索結果の画面。

「わ! CyberStudioのプログラミングはフォルマリズムを理論的な支えとしていたのか! GoLive社、すげえ」

いや、まあ、一瞬ですけどね、勘違いしました。びっくりしました。