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前回の更新が2年近くも前なのだが、この「第2回」のネタはその「第1回」更新時にもう用意してあったものだ。間を置かずにアップされていればリズムでもってある程度面白かった(=くだらなかった)だろうと思われるものの、2年が経ってしまった。いまごろ更新したところで面白くも何ともない。そもそも当時はアップルストア銀座ができて間もない頃で、これは時事ネタだった。第1回で永澤は飛行機に乗り、一路大阪を目指す。「アップルストア銀座を目指す永澤が、大阪で見たものとは?」と結んだのだったが、2年が経ち、いまやアップルストアは大阪にもある。そして秋葉原のほうもだいぶ変わってしまった。

写真がぶれているのが申し訳ないが、これは東京・麹町の一角、ビルの壁面にあるウィンドウディスプレイで、そこには毎回ビジネス系の新刊・ベストセラーの紹介がでかでかと貼られてあるが、このあいだ目に飛び込んできたのは、絵のとおり「すごい考え方」というそれこそ馬鹿でかい文字だ。それが書名なのか。書名なんだろうな。しかし、本の広告で書名を大きく誇示するというのは考えてみれば「ふつうの考え方」だ。とすれば、これは書名ではないのかもしれない。なにしろ「すごい考え方」だからだ。「すごい考え方」の前で、人は無力である。目次を想像することさえできない。うっすらと、ああ、きっとすごいんだろうなあとその輪郭を思い描くだけである。ことによると本ですらないかもしれない。それでこその「すごい考え方」だ。本だったらがっかりである。

だめだった。問題はもう少し考えて作るべきだ。だいたいなぜ、犬と言えば「ムーミン」なのかがわからない。そして「セイゴウサン」て誰だ。いるのか上野にそんなやつが。ひょっとすると松岡正剛さんかもしれないが、松岡さんが犬好きかどうかを私は寡聞にして知らない。

→句会(合評)の模様はこちら。
「今週の『書くなよ』」はむろんニセモノで、ネタ用に私が作ったものだが、一方こちらは本物である。ネタを作る途中、検索でこんなページにたどり着いたのだった。笑ったなあ。なにしろ作品の中に「みつを」という他者の署名が含まれているのが斬新だ。「書」が「習字」へと回収される瞬間のダイナミズムがそこにはある。あるいは、「みつを」もこうやってちゃんと名前を書けよという嫌味なのかもしれない。

■何度もいうようだが2年越しの更新だ。感覚は鈍っているから、ことによるとあまり面白くないかもしれない。なんとなくかたちになっている、と見てもらえているならさいわいである■カバーイラスト(あと「ずっこけた人」と、右のこのイラストも)は、先日マツクラさんのライブで知り合った山本明子さんの作品である。山本さんは、持山優美さんと上村君のファンで、その両者がともにサイトでマツクラさんに言及していたために興味を惹かれてライブに来たという■サイトをご覧いただければわかるとおり山本さんは絵を描く人で、それでぶしつけながら後日、当ページ用に何か描いてもらえないかとメールした。「お題は自由で」とお願いしたところ、だったら以前に描いたものがたくさんあるので好きなのを使ってくださいとモノクロ作品を7点送ってくれたのだった。写真と組み合わせたりして作品をいじってもいるし、はたして山本さんの本意に添ったかたちの仕上がりになっているかはひどく不安だ。だいたい、勝手に「ずっこけた人」として使ってしまったこの絵は、そもそもずっこけた人を描いたものではないだろう。ちなみにカバーに使ったほうは、ファイル名によれば「長旅」というタイトルである■ではまた■