「あ!」

と、私はこの写真を見て口に出しそうになった。冷蔵庫にしまわれたそれを思い出したのであり、もう、しばらく以前に彼女の実家から彼女のところへ送られてきていたそのさくらんぼは、彼女に運ばれて先日ついに部屋へとやってきたが、半分ほど食べて残しておいたそれはいよいよ傷んでしまっていたとしてもおかしくない時期で、いや、もう駄目だろう、ああなぜきのう思い出さなかったかと台所に視線をやると、冷蔵庫ごと、さくらんぼは見事に姿を消していた。[文は相 馬称]