私は急いでいた。DVDプレーヤーは目薬の代用品ではなかったのだ。
先日の大雪も大半が姿を消していた。
そもそも雪を溶かしたのはなんだったのだろうか。
太陽熱なのか、それとも雨だったのか。
そんなことを考えていたら(老人が動けない事は既に知っていたが)
道路に張った氷に自転車のタイヤを踊らされた。
その瞬間私は大型トラックの前でプロレーサーになったのだ。
夢と知りせば覚めざらましを てふてふはもう飛んではいない
(相馬称)
そうか、君も急いでいたのか。
こちらはあらかたのこたつを出しおえて、あとはじっとしていたが、それだと「君も」の「も」がおかしなことになるので、あらかたのこたつを出しおえてもまだ、やはり急いでいたことにしようと思う。日記にはそう書くつもりだし、現に今そう書いているし。
深キョンが激太りだそうだ。
夕飯を食べに入った食堂では、同窓とおぼしき男5人の酔っ払いがうしろのテーブルを囲んで、32年前にさかのぼる中学時代の恋の馬鹿っ話。耳に挟んでいるうちにだんだんと釣られて、可笑しくなってきてしまった。鍵を握るのは「おだまゆみ」と「きだきょうこ」という二人の女子生徒だ。
(トリカゴ)