リレー俳句

リレー俳句

 第14回のリレー俳句には、12人の方から延べ16個のカナが寄せられ、私が提出した1文字と合わせて、17文字が集まりました。
 最初に私が提出したのは「わ」でしたので、それに、寄せられたカナを来た順につなげると、以下のようになります(括弧内はカナを寄せた人)。

  • わ(私)
  • ず(andou nobuo)
  • ざ(M Matsuhashi)
  • しゃ(Minoru Nakai)
  • ろ(yamamoto takatune)
  • ど(M Matsuhashi)
  • う(M Matsuhashi)
  • つ(Yasumitsu Watanabe)
  • ろ(Yuji Iizuka)
  • べ(Atsushi Mochizuki)
  • ん(Makita,MotokiTKHAATKHAC)
  • ひ(dh)
  • にゃ(yamamoto takatune)
  • りゅ(Yuji Iizuka)
  • し(YAS)
  • の(右京太夫)
  • ふ(吉GUY)

 つまり「わずざしゃろどうつろべんひにゃりゅしのふ」ということになり、これに、私の解釈を込めると、

「"Woz, the Shallot"、どうっ、Robin!」「ひにゃりゅしのふ」

ということになります。

解説

 安直な物語を組み立てるならば、話者はアニメーション作家(でなくてもよいが、とにかく「作家」と呼ばれる職業の人間)ということになろうか。キャラクターの名前(愛称?)を捻り出そうと懸命だった彼が、ようやくひとつひらめいたというかたちである。
 「“らっきょのウォズ”ってのはどうだい、ロビン!」
 勿論、仕事上のパートナーとおぼしきロビンはすかさず言うのだった。
 「ひにゃりゅしのふ」
 なめているのか。一体何と言ったというのだ。
 単に聞き取れなかったということだろうかと拳を納めかけたものの、「すかさず」であるということが事態を複雑にさせてしまう。大きな声だったような気さえしてきたではないか。なめんなよ、ロビン、てめえ。

 私の解釈に沿った場合のこの句に対する批評、あるいは別の解釈、等も募集しています。宛先はこちら

 

批評


From: "nozaru"
Subject: リレー俳句 私の解釈
Date: Wed, 17 May 2000 07:09:42 +0900

「わずざしゃろどうつろべんひにゃりゅしのふ」

これは
「ワルシャワ労働歌 虚ろ 便ひにゃりゅ 死のふ」であり、

「若きころは革命を夢みた俺も、もうすっかり老けちまった。
ワルシャワ労働歌を歌った記憶も虚ろで、最近は内臓も弱って
大便もひにゃりゅとしている。
もう生きていく希望もない。死のう」


From: "osaka"
Subject: 第14回リレー俳句の解釈
Date: Sat, 20 May 2000 21:30:26 +0900

わずざしゃろどうつろべんひにゃりゅしのふ

僕の解釈を込めると、

「(思)わず座者三度うつろ。便秘にゃ「りゅ」忍ぶ」
(便器に)座っていた私は(きばりすぎて)思わず三度うつろになった。
それほどに便秘という事象には怪物のような力が忍んでいるのだなあ。
その怪物は、竜というには少し大げさすぎるから、ちょっと縮めて「りゅ」
ぐらいであろうなあ。

[解説]
「思わず」を「わず」と簡略化(「まったく」を「たく」と縮めるのと同種の
技法)、また、平仮名の「ろ」を数字の「3」と読ませるという大胆な
技法も取り入れ、最後には竜よりも程度が小さいことを「りゅ」と表現
するなど、技巧派の面目躍如。その一方で、「うつろ」「竜」のイメージ
から、苦痛が逆に恍惚にかわるさまを暗示するという、内容的にも
深い仕上がりの一句。