コーナーの日記

Diary

Title: Superman Red Diary


11月30日(金)「上山君の言うことをきいて眼鏡を買うべきだとぼくも思うね」

▼いや、本当のタイトルは「米朝を見る」だ。
▼サディスティック・ミカ・バンドの『HOT! MENU』、ちょうど「それ行け!トーマス」のギターが鳴ったところで着き、電車のドアがあくなんて、なんて西荻窪はいい町なのか。降りたね、おれは。
▼米朝は、上山君と私と私の長兄の三人で見る。上山君が一番最初に着いていて、米朝の一席目「天狗さばき」がはじまるところで私が着席、仲入りのあいだに長兄が到着した。小米朝「かけとり」のあと、米朝の二席目は「たちきれ線香」。
▼長兄は、実際のところ茨城県在住であるばかりか、今日は娘の誕生日なのであって、折りも折り嫁は四十度の熱をだして「どうか行かないでくれ」ともっともなことを言うそのなか、逃げるようにして出てきたという。そんな悪魔のようなチケットを買ってしまったのは私であって、なんというか、申し訳ない思いだ。
▼見終わって上山君と食事。28日「小さんを見る」のところで書いた恭子ちゃんの有り様は、まったくもって浮かれた相馬のでっちあげだと指摘を受ける。そこでも書いた「何だか、しまいに侍も大家さんもなくなっちゃって、全部とけあって…」という恭子ちゃんの言葉は、虚心に受け止めれば分かる話だが、要は「よく分からなかった」ということを言っていたのだった。まあ、あれはどのみち「自分がどれだけ堪能したか」というのを恭子ちゃんをとおして擬人化して書いた話なわけだが、といって、おれも人じゃないのか。
▼で、恭子ちゃん、あれが聞き取れなかったというのはしょうがないとして、目も悪いのだった。かなり悪いらしい。あの日、小さんは3人いた。でもって、そうだというのに、度のあった眼鏡をもっていないのだった。なぜ眼鏡を作らないかという信念めいた部分の話は省くが、そりゃあ、「一番右が本物」とか言ってないで眼鏡を買うべきだろう。上山君の言うとおりだと言っておくねおれも。だいじょうぶだから上山君にまかせておけ。いい眼鏡を作るよ、彼は。
▼というわけでつまり、米朝を見たのだった。まったくもってそういう日。


11月29日(木)「閑話休題」

▼「コーナーの日記」をはじめた当初に、なんとなく考えていた性格付けというのは、「相馬好きにはたまらないコーナー」というものだ。つまりなんというか、「ぜいたくな感じ」のする何か。
▼日記〜嘘の日記〜エッセイ〜クリティカルなエッセイ〜文章としか呼べないような何か〜たまに画像を前に出す〜ほかのネタとの連動、それへの言及〜それらをとおして行う、いかに公共的に「個人ホームページ」であることができるかという模索〜そして日記。全部、笑わせようとして書かれたものだ(って知ってた? 分かりにくい?)。
▼ちなみに今、トップページの構成をあんなふうにしながら考えていることは、「やっぱり、毎日チェックしている場合に一番面白い」という状態である。
▼といってあれだ、「毎日更新する」と言ってるんじゃないぞ。そんなたいへんなことになるようなことは宣言しない。言いたいのはだから、「これは毎日チェックするようにしといた方がいいな、と感じさせる何か」のことだ。それは「すごく面白い」ということじゃないのか。
▼でも考えてみれば、仮にトップページを3日に1ぺん更新し、3日に1ぺん「コーナーの日記」を書いて、もう1日は日記を交換するか、ほかの何かネタを作るとすると、それでもう毎日更新してしまうじゃないか。いや、例えばの話。そんなことはしない。きっとすごくたいへんだからだ。
▼とにかく今は、ボリュームを落としたサディスティック・ミカ・バンドのファーストに助けられている。やる気が出てなによりだ。しかしこのCDが終わってしまえば、あとはわからない。どうなるのか。いったい何をかけようか。


11月23日(金)「小さんを見る」

▼行けなかった人たちには申し訳ないというか、いやそれはそれとして今後もまめにチェックしていかなくてはいけないというか、「小さんの落語は今が聞きどきだ」という小三治の言葉はまったく言葉そのまんま取っていただきたいところなのだった。ネタは「ふだんの袴」。
▼86歳の名人の、口跡鮮やかでなく、そうしてやたら確かな手つきで口からこぼれるのは全部落語。いつしか落語。何をばかなことをしゃべってるんだこの人は。
▼恭子ちゃんというあんまり落語馴れしていない人を急にさそったホストの身としては、まあ途中で我なんか忘れるものの、さすがに序盤これはちょっと聞き取れてないんじゃないか、魅力の汲みとり方に手が届いてくれればいいがと心配したりしたんだけど、だいじょうぶだったみたいね。「何だか、しまいに侍も大家さんもなくなっちゃって、全部とけあって…」と輝かせた顔で言う。あ、だいじょうぶだこれは。
▼どうやら十数年前からずっと言われてることらしいが、小さん、今が旬。あと、恭子ちゃんも旬。



▼そうして来週は国宝探訪シリーズ第2弾、桂米朝を聞きに行く。おれ、死期を悟ったかのようなスケジュール。
▼あと、ゴッドファーザーのDVDボックスを買った。


11月17日(土)「フラッシュを焚く話」

▼ちょっと更新しすぎなんじゃないかというペースで、トップページにいろいろ書いていることもあって、より訳が分からなくなっているというのはこの「コーナーの日記」のポジションだ。ここに載せられる文章と、トップページに書かれる文章を、分かつものは何なのか。
▼今日11月17日は、フラッシュ供養の日。長崎市内にある永福寺では、今年一年間使った Macromedia Flash に感謝しつつ、持ちよったパッケージやマニュアル、インストールCDなどを火にくべる。
▼ほら、これだってもう少し処理を加えれば、トップページに載っかっていて何らおかしくない。いや、つまりあれか、まったく処理されていないものか、もしくは極度に処理された文章がこっちには載るということか。
▼いや、「日記」ではなかったのか。
▼とはいえ、インストールCDは燃えない。毎年、燃え残っては境内にうずたかく積もる。それもひとつの初冬の風物詩。
▼というわけで明日11月18日は私の誕生日。それを記念して、11月18日は「相馬称の誕生日」というにしようじゃないか。たしか26歳になるんじゃないかと思うが、ひょっとすると52歳になるかもしれない。後者の場合、かなり年をとるね。


11月12日(月)「冬の至福について」

▼夜道。「紙と木でできたまち」である江戸ではむろん許されず、何となく、かたちにならないのではないかという思いもあって、禁じていたのはキセルでの歩き煙草ということになる。
▼「論の内容を捉えたものであること。それと、かっこいいこと」と石原千秋は言ったものだった。提出するレポートにタイトルを付ける際の、留意すべき点。「ナニナニ序説」や「〜について」なんてタイトルは付けるな。
▼ふたたび夜道。「について」と、しかしときどき、そのまま後ろに付けることでにんまりと、かたちを持たせたい何かもある。
▼耳には『People』。
▼かじかむ帰り途を、風に当たって熱くなく、つまんでは温かい、キセルの雁首を指にかかえて歩く。
▼その耳には『People』。


11月10日(土)「まんぷくで帰る」

▼永澤がまた学会で東京に出てくるというので、その前の時間に面白い映画でもどうかと誘えば、シュヴァンクマイエルの名前にひょこひょこと、山梨を何時発になるのかは知らないが10時15分、渋谷南口待ち合わせに相馬は20分の遅刻。
▼すまなかった。
▼というわけで『オテサーネク』を見る。どうでもいいが、今、渋谷ユーロスペースで『オテサーネク』を見るとお得なのは、『ピストルオペラ』の予告編も見られるということだ。QuickTimeでちまちま見ている場合ではない。
▼ご満悦風の永澤と別れ、そのまま渋谷シネパレスへ。『ピストルオペラ』、初日以来の3回目。平日に息をひそめるようにして財布に残した数千円を、土日にパアーッと使うなんざあ、何とも計画的というか、だからどこをどうして煙草入れに1万2千円はたく余裕があるというのだ今月。
▼ちなみにこれが永澤君。



▼見終わって、HMV、小坂忠『People』を買う。ヘッドホンで聞きながら吉祥寺へ移動。兄夫婦と待ち合わせ、そこからバスで千歳烏山へ。旨い中華屋をめざす。
▼バスで向かう途中、ジブリ美術館の前をはじめて通ったのだが、以前住んでいた吉祥寺のアパートから本当に近いのだった。アパートからだと、最寄りのタバコの自販機よりも近い。
▼やがてまんぷく。そうして帰る。


11月7日(水)「グリーンスパン議長」

▼関係ないが、「グリーンスパン議長」というのは、「荒ワシ師団長」みたいなものなのか。それとも全然違うのか。


11月5日(月)「「差し」というタイプのものだという」

▼ついに煙草入れを買う。先に訪ねた、駅までの道すがらにある「伊勢屋美術」。
▼こちらの予算に見合うところで倉庫を探しておいてもらったのだが、結局掘りあたったのは2種類。うち一方はいかにも「予算に見合った」という感じで変哲のない、「ふつう煙草入れといえばコレ」というタイプのもの。で、もう一方のこれを購入
▼木製のような、竹のようにも見える部分の材質は鹿の角だそうで、これにキセルを差し込むように入れる。あまり一般的な形態ではない「差し」というタイプのものだと、店のご主人の説明。「かます(もう一方の刻み煙草を入れる部分をそう呼ぶ。写真手前)の方はどうってことないものだけどね。金具(かますの蓋のところの飾り)もたいしたことないし。これは魚の飾りになってるんでしょ、ん、魚じゃねえか、ん、なんだこりゃ?」とこれもご主人。
▼キセル差しとかますの間に見える玉が「根付け」で、この根付けだの紐だの、それから金具だのをいいものと取っ替えたりして手を入れるとまた全然見違えちゃうモンだから、そういうところに凝りたくなったらまたいらっしゃい。


11月4日(日)「名前決まる」

▼夕方には『ピストルオペラ』を見に行こうと考えていたが目論見がはずれ、夜っぴてトップページのリニューアル作業。しかも、こういっては何だが、がんばったわりにあまり前と変わっていないのではないか。
▼当「コーナーの日記」のキャラクター、つまり丸で囲まれたコの字に胴体がついて歩いている風のあれだが、かねてより募集していた名前は「ハジメちゃん」と決まった。この名前を寄せてくれたのは東京都三鷹市にお住まいの主婦の方で、「(クリックすると)ハジメに戻るから、ハジメちゃん」だそうだ。また、名前の募集と同時に行っていた、「今年一年を漢字一文字で表すと?」のアンケートの方にも、「夏」とお答えいただいた。
▼奇妙な体験をしたというのはファイルのコピー中のことで、コピーの開始後まもなく、進行状況を示すプログレスバーを覆うようにして「爆弾マーク」が現れた。ファイルのコピーが引き金となったのか、どうやら背後で立ち上げていた検索ソフトの「Sherlock2」が厄介なことになったようで、コンピュータが立ち行かなくなったと「爆弾マーク」は告げる。「爆弾」と名前を聞けば大仰だが、Macユーザーにとってそれが出てしまえば話は早い。諦めるも何も、どうにも固まってしまったのだから再起動するほかはない。
▼と、その「爆弾マーク」に覆われていたプログレスバーがふたたび最前面へと現れた。描画異常かと思う間もなく、コピーは続行されていくのだった。「コピーする項目の残り」は減っていき、「残り時間」もまたカウントを続ける。何だというのだ。固まったんじゃなかったのか。そもそもこんな状況下でコピーされたデータを、誰が信用するというのか。思わぬ「がんばり」である。いや、「馬鹿になってる」というやつか。はっと気付き、私はとっさの行動に出る。やはりと言うべきか、なんなくスクリーンショットは撮れたのだった。
▼だから固まったのではなかったのかお前は。



▼コピー終了後、OSは無事に固まった。再起動後に確かめてみると、コピーされたファイルはしかし健闘むなしく、データ容量が若干少ないのだった。


11月1日(木)「近藤真彦」

▼ネタ予告。「三羽が飛ぶ!」と題されたそれは、三羽の侍が羽をバサッ、バサッとやる痛快娯楽テーマサイトだ。
▼上記はNon-Flashで行く。
▼Non-Flashと言えばFlashを使わないことを指すが、一方、Von-FlashはフランスらしいFlashである。
▼「多者の交換日記」を更新。9月中頃から10月にかけて別々にいただいていた日記だが、交換しないままずるずると10月も過ぎてしまい、この際まとめて「11/1」分とさせていただいた。