June 5th, 1998
テクスト
何度か片付け忘れてテーブルの上にあるドレッシングの容器に目が行く。
「油のおいしさと唐辛子の辛味が効いています。おいしい煎りごまがたっぷり入った、しょうゆがベースの中華ドレッシングです。」
ちなみに赤い字で書いてある。
何か、テクストと、決定的に出会ってしまったかのように自分が読み耽っているので、困ってしまった。
このドレッシングが「油のおいしさと唐辛子の辛味が効いて」いて、「おいしい煎りごまがたっぷり入った、しょうゆがベースの中華ドレッシング」であることは、私にとって重要な何かなのだろうか。
いや、そうでもなさそうだ。
それとも、「テクストに外部はない」のだから、私はこの、「油のおいしさと唐辛子の辛味が効いています。おいしい煎りごまがたっぷり入った、しょうゆがベースの中華ドレッシングです。」の真っただ中にいる、のだろうか。
絶対違うような気がする。
私は立ち上がって、冷蔵庫にしまった。