Speak Low d’Akira Yamamoto
- July 18, 2018 3:30 PM
- movie
フランスの日刊紙「リベラシオン」のサイトに掲載された記事「 Speak Low d’Akira Yamamoto」の拙訳です(例によって Google翻訳や Reverso Contextを使い、仏→英変換させたものをなんとなく訳しているので、訳の信頼度はそんなようなものです)。
山本英監督『小さな声で囁いて』
By Jérémy Piette - July 17th, 2018 at 18:36
作りもののヤシの木が誰もいないバルコニーにネオンの閃光を放ち、ホテルの階下では女性がひとりで食事をとっているそこには、もう忘れられてしまったバラたちがそう遠くなく香ってもいる。温泉で有名な東京近郊の観光地、熱海にわれわれはいる。ベトナムから帰還したアメリカ兵の駐屯都市であり、そののち職場旅行や新婚旅行の場所となった熱海は、いまゆるやかな衰退を見せている。サラとリョウが、数日を過ごすことにしたのがここだ。山本英の初監督映画である『小さな声で囁いて』では、この若いカップルが彷徨い、しばしば暗黙のうちに互いを置き去りにして、それぞれの孤独な余暇をさまざまに過ごすのを見守ることになる。人口の半減したその地域、ゲームアーケード、美術館、カラオケバーは、ただのハリボテの舞台装置よりもずっといい。それらの廃墟のような美しさがもたらす、めまいのするような静けさが恋人たちを導いて、かれらに、つかの間の、健康的で感動的な感情を受け入れさせているように見える。お互いが、話し相手となるまたべつの放浪者を見つけ、またべつの行く道を見つけ、こっそり探ってはおそらく嫉妬を抱くことになるような、またべつの関係性を見つける。われわれが見るのは傷跡──肉体的な、あるいは感情的なそれ──であり、肌や壁、そして注意深く撮影された登場人物たちの生のうえにそれはある。若い日本の映画監督が優しくその目に捉えたこの眠たげな街で、記憶が息を吹き返し、静かに、とても小さな話を語り出す。熱海の中心部には、窓がいっさいない大きなホテルと、完全には終わっていない物語、はたまた、深めるのがむずかしい愛がある。
山本英監督『小さな声で囁いて』、1時間50分
Speak Low d’Akira Yamamoto - Culture / Next
下は記事を書いた Jérémy Pietteさんのツイッターから、記事の載った紙面の写真。
Retour du FID Marseille - 29e édition. Dans @libe aujourd'hui : le sublime et spleenétique "An Elephant sitting still" du cinéaste chinois Hu Bo, "Speak Low" d'Akira Yamamoto, "Braquer Poitiers" de Claude Schmitz et "Tonnerre sur mer" de Yotam Ben-David.
http://liberation.fr/cinema/2018/07/17/au-fid-elephant-manne_1667149 https://twitter.com/maybejeremy/status/1019540051338977280/photo/1
2018年7月18日 20:11
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