意味もなく内藤祐希・ファイナル
- June 12, 2018 7:22 PM
- tennis
ファイナルって何だよって話だけれど、いつまで「意味もなく〜」のタイトルを引きずるのもあれなので、ここらでひと区切り。
周知のとおり、全仏ジュニアのダブルスは決勝でカティー・マクナリー、イガ・スウィアーテック組に敗れ、準優勝に終わった。表彰セレモニーで準優勝の銀の皿を手渡してくれた年輩女性(たぶん、フランステニス連盟の副会長、マリー=クリスティーヌ・ペトレ)に、「準優勝も立派よ、ほら、笑って」とたぶんそんなような言葉を掛けられても一瞬笑顔を作るのがせいいっぱいで、後日更新したツイッターでも「悔しいとしか言えません」ときっぱり書いた内藤は、ダブルス決勝を戦った翌日から、ドイツ・エッセンのプロトーナメント( $25,000)を戦っている。
当然予選からの出場で、予選を 3回勝つと本戦。予選の 1回戦と 2回戦が同日に組まれて、それぞれ 7-5 7-5、6-1 6-1で勝った内藤は、さらに翌日、予選決勝を迎えた。相手は内藤の 1コ上で今年からシニアツアーを回っているロシアの 18歳、アナスタシア・クリコバ。
でまあ、見事内藤が勝ち、本戦出場を決めたのは何だったら全仏の結果以上にうれしいのだったが、それはそれとして、「いやー、いよいよ〈こっち〉のひとなのだなあ」の感があらためてあるのは、このクリコバ戦にかんして、以下のような記事が書かれるのを目にするからだ。「 BetXpert」というサイトの記事(原文はデンマーク語)で、つまり、プロテニスの試合に賭けるひとたち向けの勝敗予想支援というか、「この試合に賭けてみては?」という提案記事と思われる。
いやー、ほんと、賭けのひとたちは熱心ですよ。
内藤は自力で本戦に進む可能性が充分にあり
ITF エッセン、予選(クレー、屋外)
内藤は全仏ジュニアで準々決勝まで進み、〔今大会の予選〕1回戦でも力のある相手に危なげなく勝っている。クリコバは今季、その最初のシニアシーズンでハードコートを立派に戦い、20勝6敗の成績を収めているが、内藤には去年ジュニアの大会で負けており、内藤が〔全仏ジュニアを含め 2度〕勝ったタウソンにも負けている。
内藤を推す見方としては
- 内藤は全仏の好成績に自信を掴んでいる。全仏ではクララ・タウソンを倒し、イガ・スウィアーテックに僅差で敗れた。
- この日本人は、ジュニアの世界ランキングで 13位に位置してその年を終えたことがある。たいして、クリコバの〔ジュニアでの〕最高ランクはトップ 60に達しなかった。
- クリコバはここしばらくハードコートでしか試合をしていない。そのなかでよい勝利を収めてはいるし、これまでにさまざまなコートで結果を残しているとはいうものの。
- 内藤はベースラインからしっかり打ち、さほどミスが多くないので、これはクリコバにとって脅威となる。クリコバはいつもより力いっぱい、攻撃的にプレーすることを強いられる。
- クリコバがその年齢で経験を重ねるいっぽう、内藤はまだ本格的にシニアの大会で戦っているわけではない現状では、ランキングの差〔クリコバが 599位で、内藤が 1,216位〕は実力の差を正しく示してはいない。
- 内藤はまた、昨夏、ベルギーのジュニアの大会──今回同様のクレーコート──でフルセットの末クリコバを倒している。
反対の見方としては
- クリコバはシニアの ITFの試合でより経験を積んでおり、今季、ハードコートでは 20勝6敗である。
- たとえばボールター戦など、クリコバはハードコートで印象づよい勝利を収めていて、トップレベルはよいものを持っている。
- 内藤はシニアの大会への出場経験が少なく、そのことはクリコバにとって有利に働くかもしれない。
- クリコバは力強く、攻撃的なプレーで、それがうまくいっているときには堂々とトップレベルで試合ができる。
- 戦うのは、言っても経験の浅い少女同士である。一年前にジュニアの試合で勝っている相手だということを、はたして内藤がプレッシャーに感じてしまわないかは疑問だ。
オッズの状況
Bet365で 2.50、cashpointで 2.4、いっぽう bwinは下げて 2.1だが、依然いい数値である。
ランキングの差が必要以上にオッズに反映されている古典的な例のように見える。事実として内藤は去年クリコバに勝っており、そのうえ、はるかに僅差なオッズを与えられてクリコバが負けたタウソンにも、今年二度勝っている。シニアでの経験はわずかだが、とはいえ内藤の実力はまったく立証されていないわけではない。
Spilforslag: Anastasia Kulikova - Yuki Naito: 2 - 11/06-2018
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