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2002/10/30 Issue

Title: Superman Red FOR FREE Vol.9

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キュラソ!

酔っぱらって見るウルトラセブン

 頭の大きさをあらわす単位として私が提唱したいのは「キュラソ」だが、そうするともっぱらの人は「0.4キュラソ」とか「0.6キュラソ」とかになってわかりにくいわけで、まあ「1キュラソ」は「10ミリキュラソ」だから、そういう場合「4ミリキュラソ」などと言えばいいのではないか。

 「2キュラソ」はでかいが。

観察してみようのコーナー(1)

ショートアイアンは低い球が正解

シリーズ・中吊り広告からお題拝借

 ショートアイアンは低い球が正解だ。高い球ではむろんいけないし、速い球や熱い球でも駄目である。何しろ「低い球」だ。「低い様」ならばどうかという向きがあるかもしれないし、たしかにすごくおしいが、やはりそれでは駄目だ。低い球でこそのショートアイアンなのであって、そうでなければ何のためのショートアイアンかわからないばかりか、ショートアイアンが何かさえわからない。

 棒だ。「ショートアイアンが何かわからない」者にとって、ショートアイアンは棒である。けれども、「ショートアイアンが何かわからない」者はショートアイアンにおいて正解を得られないだけでもあり、一方でロングアイアンやパターならば得意としているかもしれないことを考えるならば、むろん「ゴルフは知っている」ということになるし、どちらかといえばむしろゴルフが「好き」かもしれない。

 であるから当然、「ショートアイアンが何かわからない」者はゴルフ場に足を運びもすれば、友人とラウンドを回ったりもし、ことに及べば「ファーーッ!!」とさえ言うにちがいないが、しかし、5番ミドルホールの第3打、グリーンそばを狙ってショートアイアンを構える友人に、「ショートアイアンが何かわからない」者はこう言うのだ。

 「何してんの?」


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小森陽一・富山太佳夫・兵藤裕己ほか編『岩波講座 文学9・フィクションか歴史か』(岩波書房)。待ってましたというほかない面子による岩波講座『文学』。