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遊園地再生事業団では新作公演(2010年秋)にむけ、出演者オーディションを開催します。

遊園地再生事業団・オーディション開催

 実施要項や応募方法等の詳細はこちらのページを参照ください。そちらにて応募用紙(PDF)のダウンロードも可能です。応募の締め切りは9月1日(火)必着。郵送による応募のほか、メールにても応募用紙の提出が可能です。一次審査(書類選考)を経て、二次審査(面接および演技審査)は森下スタジオにておこなわれます。

 といったわけで、では、主宰・宮沢章夫さんのオーディションにむけた言葉をいくつか。

 さて、遊園地再生事業団は「2010年10月」、三年ぶりの新作を上演します。なぜ、前回公演(2007年)からこんなに時間があいてしまったのか。諸般の事情があったとしかいいようがないものの、この三年間でためこんだ集団の力をまた新しい形で表現できればと考えています。

 そこで、この九月、出演者のオーディションを開催。

 また新しい俳優に、もっというなら、わたしたちを刺激してくれる「からだ」に出会いたいのです。どこかにきっといるだろう、また異なる魅力的な身体。どっかにきっといるはずです。あなたの隣にもいるのかもしれません。でたらめな人でもいいのです。なにか決定的に欠けた人にこそ魅力はあるかもしれません。ただ、演劇はなあ、ずっと稽古場にいなくちゃならないという、きわめて限定された表現領域です。同じ場所に、全員がいなければならない制約はどうしたってあります。社会性を著しく欠いた人はお断りするかもしれませんが、でもそれをも凌駕する魅力があれば、一考に価します。とはいっても、そういった人と、長い時間を共にするのは苦労するだろうけれど。

 また異なる、この時代だからこその、「特権的ななにか(けっして、というか一概に "特権的な肉体" ではありません)」に、わたしは出会いたい。「わたし」というのは、遊園地再生事業団を主催する宮沢です。

 なにか異なる表現を舞台でまたはじめたい。そのための新鮮な人たち。
 どこかにいるだろう、まだ会えない、誰か。
 わたしは待っています。そして、遊園地再生事業団と共同して、「試みのための舞台」を作りましょう。「試みること」とは冒険主義です。べつにファンタージーみたいな冒険の旅にでかけるわけではなく、地味に稽古場でせっせと努力するしかないけれど、そこは冒険のための研究室であり、実験室です。なにかが生みだせたらと願っているのです。
遊園地再生事業団・公式サイト「u-ench.com PAPERS」

まずは先にお知らせ。「遊園地再生事業団」は「2010年公演」のためのオーディションを、この9月22日、23日に実施します。また新しい人に出会いたいのです。詳しくはこちらをクリックしてください。また、多くの人にこのことをお伝えください。たくさんの人に会って刺激されることを願っています。

本日は、「ゴダールシンポジウム」の日であった。トークの最後のほうで会場から出た質問に応えたのは、たとえば『勝手にしやがれ』の、ジャン・ポール・ベルモント、あるいは、ジーン・セバーグ、『女と男のいる舗道』のアンナ・カリーナといった、その時代にあって、きわめて「新鮮な身体」を発見したからこそ、ゴダールの新しさが生まれたということだ。ゴダールの方法はおそらく過去の俳優では成立しなかった。しばしば、僕が口にし、ノートにも書く「からだ」とか「身体」とはそのことだ。現在的な、魅力にあふれる「からだ」に出会える幸福が、映画や、演劇にはあるのだろう。だからこそ、遊園地再生事業団も、公演ごとにオーディションをしているのだと思う。
だからといって、僕の表現に見合わず、そこをなにか無理して「現在(のからだ)」と出会おうとしたところで、ゴダールが「ある映画作家」について批判的に語った「若さの模倣」という陥穽にはまるだけだろう。いまの私にとっての、出会うべき「魅力的なからだ」が存在するのだと思う。だから、オーディションをまた開きます。誰かに出会いたいのだな。で、どこかにいるんだろう、なにか特別な、魅力的な、いまのからだを持った人。
「富士日記 2.1」2009年7月25日付

 わたしもお待ちしております。

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