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ブラジル敗退
- July 2, 2006 6:02 AM
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私のワールドカップが終わった。わが家はかなりうなだれている。われわれが愛すべきは「いま」なのだから、その意味で結果は問題ではないが、しかしこの試合で、ブラジルはどれだけ「いま」とともにあっただろうか。NHKのアナウンサーが仕立て上げる「物語」に毒されていたのは単に私のほうなのかもしれないが、しかし選手たちも(ロナウジーニョでさえも)またどこか、「8年前の決勝で敗れたフランスへのリベンジ」というまったくどうでもいい「物語」のなかへと、自らの試合の「意味」を回収してしまっていたように思えてならない。われわれが見たいのは「いまーここ」においてのみ充足する美しさであり、因果的に再編成された「物語」などでは少しもない。そこはここではないのだ。そしてその一方、今大会かぎりでの引退を表明しているジダンが向き合っていたのは終始「個としての自分」だったということだろうか、彼がひとり、「いまーここ」をプレーしているようでもあった。
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