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Time Capsuleと旧AirMac Extremeでデュアルバンド—802.11nと802.11gとの両立

  • Posted by: SOMA Hitoshi
  • June 30, 2008 1:48 AM
  • mac

 いやー、私は何も知らなかった。「802.11n」と「802.11g」は並び立たないものとばかり思っていた。

 ネットワークを構成する機器のなかにひとつでも802.11g(あるいはそれ以下)が含まれていれば、ネットワーク全体がそれ(より遅いほうの通信規格)に合わせてしまうから、802.11nの恩恵にあずかろうとすればすべての機器を802.11nで統一しなければならず、資産の大半を活かせないことになる上、さらにはiPod touch(802.11g)やWii(802.11g)、Nintendo DS(802.11b)といったいかんともしがたいものたちのこともあり、だから、いま「Time Capsule」や新しくなった「AirMac Extreme」を買うことには(少なくとも通信速度の上では)ほとんど意味がないのだと、その考えを後生大事に抱えていた私だ。

 むろん、その「より遅いほうの通信規格に影響を受ける」という原則は、ひとつのベースステーションに複数のクライアントという単純な「親 ー 子」関係においてはそのとおりなものの、「親」を複数用意し、それぞれの「親 ー 子」関係がそれぞれで完結するように構成するという手があることを、ついこないだ知ったのだった。で、Time Capsule(500GB)を先日購入、ネットワーク構成を下図のようにしたところ、たしかに目に見えて快適なのだった(これまでは旧Extremeのほうにすべてのクライアントがぶら下がっていた)

080628_80211n.jpg

 さて、では以下、もう少し具体的にどう設定したのか(あくまで私が何をしたのか)の説明を。

Time Capsuleをつなぐ

  1. まずその前に、念のため、操作を行うMac Pro以外のすべてのクライアント機器の電源を切っておく。旧AirMac ExtremeやAirMac Expressたちもコンセントから抜いておくが、ただ、設定のリセットまで行う必要はない。モデムは点けっぱなしにしておいた。
  2. 「モデム ー Time Capsule」のWAN接続と、「Time Capsule ー Mac Pro」のLAN接続まで行って、Time Capsuleの電源を入れる。
  3. しばらくすると「AirMac設定ユーティリティ」にTime Capsuleが現れるので、まあここはふつうに、設定アシスタントの流れに沿って「新しいネットワークを作成」する。肝心なのは、ネットワーク名(機器に対する名前じゃなくて、その機器が作成するネットワークの名前のほう)を、これまでの802.11g環境で使っていたそれとは別のものにすること。
  4. 設定が済み、再起動したTime Capsuleのランプが緑色になって、Mac Proがネットにつながることを(つまり、ここまでの設定に問題がないことを)確認したら、Time Capsuleの周波数帯域を5GHzに変更する。これは、「手動設定」を選び、「AirMac」>「ワイヤレス」のなかの「無線モード」の項で、「802.11n のみ (5 GHz)」を選択すればいい(で、「アップデート」して再起動)
  5. 802.11n側につなげ(られ)るクライアント機器たちを起動し、つながることを確認。802.11n対応のAirMac Expessに関しては、この新しいネットワークに参加するよう設定する。

旧AirMac Extremeをつなげる

  1. 802.11n側の新しいネットワークができたら、「Time Capsule ー 旧AirMac Extreme」間をLANケーブルでつなぎ、旧AirMac Extremeを起動。
  2. 以前の設定のままである旧AirMac Extremeは、自身がPPPoEでインターネットに接続するようになっているので、そこ(基本的にはそこだけ)を変更する。
  3. これもAirMac設定ユーティリティーの「手動設定」を使い、「インターネット」>「インターネット接続」のなか、「接続方法」を「Ethernet」に、「IPv4の構成」は「DHCP サーバを参照」にして、「接続共有」を「切(ブリッジモード)」にする。
  4. これで「アップデート」し再起動しても、AirMac設定ユーティリティー上では「状況:Ethernet 未接続」というふうに出るから不安にさせられるが、しかし、じっさいには意図どおりに動作していて問題ない様子。
  5. これで802.11g側のネットワークも作成されたので、こちら側に参加するクライアント機器を起動し、接続を確認する。802.11g側はネットワーク名やパスワード等が以前のままであるから、基本的には起動するだけですんなりこれにつながってくれる。

できあがり

  • PowerBook G4など、802.11n(5GHz)非対応のクライアントからは、新しいほうのネットワークは検出されない。といっても、このネットワーク構成でもって、たとえばPowerBook G4から、802.11n側に参加しているほうのAirMac Expressへと音を飛ばすことはできるし、Time Capsule自体(その共有ディスク)も認識される。マシン三者は相互にネットワーク共有が可能であって、どのマシンからでも、すべてのAirMac Expressへと音が飛ばせる。
  • PowerBook G4を802.11nに対応させるサードパーティー製のカードに「nQuicky」があるが、残念ながら「nQuicky」は5GHzに対応しておらず、上記の構成では802.11n側のネットワークを検出できない。といっても、「周波数帯域を5GHzに変更」することは、この構成においてべつに必須ではない。
  • 「親を二系統にする手があるのか」と気づかせてくれた(あと、図を真似させてももらった)のはこちらの記事[Cocoa を飲んで、ほっとして。: 802.11n は11n 専用かつ5GHz で]。設定にあたって参照したのはアップルによる説明書[AirMac ネットワーク構成の手引き AirMac ユーティリティ編 (PDF)]である。説明書は読んでみるものだね、まったく。

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