続・意味もなく内藤祐希
- June 7, 2018 4:21 PM
- tennis
シリーズになるんだったらもっとタイトルを熟慮すればよかったという話はさておき。
きのうの「意味もなく内藤祐希」でつたなく訳出した、クララ・タウソンについての『 Ekstra Bladet』誌の記事だけれども、紹介しようと思ったきっかけはその最終段落の、タウソンのコーチの(内藤祐希についての)談話にある。その部分、わたしの訳はけっきょくこうなったのだが、
「彼女はクララよりも年上だし、まもなくプロに転向するだろう選手だ。だから勝つには、クララはよほどいいプレイをしないといけない。ただ思うに、総合的に長けているのは彼女かもしれないが、テニスそのものについてより多く持っているのはクララだ。きっと接戦だろうが、そんな思いを今日またあらたにした」。
デンマーク語の原文はこういうものである。
– Hun er ældre end Clara og skal snart være professionel, så Clara skal faneme spille godt for at slå hende. Hun kan lidt af det hele, men Clara kan lidt mere tennis, synes jeg. Det bliver tæt, men det troede jeg jo også i dag.
Powerpigen Clara: 'Den ramte jeg godt' – Ekstra Bladet
いや、そもそもデンマーク語をまったく解さない者が訳を提供しようなどと考えるのが間違いなのだが、これを、この段落ごと Google翻訳(デンマーク語→英語)にかけると、こういう英文に変換されるのだ。
"She's older than Clara and will soon be professional, so Clara will be playing good to beat her. She likes a little, but Clara likes a little more tennis, I think. It will be close, but I thought so too today.
注目なのは第2文。
She likes a little, but Clara likes a little more tennis, I think.
「言ってくれるじゃねえか(笑)」というこの英文は、まあ、
彼女も多少テニスが好きだろうが、でもクララのほうがよりテニスを愛していると思う。
ってなふうに受け取れる。
てなわけで、「そりゃあさあ、なんかつまんなそうな顔してるように見えることが多いかもしれないけどさあ、それはちょっと〈そういう顔〉なんだよ。表情のクセなんだよ。ほっといてくれよ」と、市井の内藤ファンとして断固声を上げるべく紹介記事を書きはじめたのだったが、いざちゃんと訳しはじめると途中で Google翻訳を疑うということも多少覚え、試しに第2文の該当箇所だけを翻訳にかけてみると、まったくちがう英文が返ってくることに気づいた。つまり、
Hun kan lidt af det hele, men Clara kan lidt mere tennis
の部分だけを変換させると、
She can do a bit of everything, but Clara can do more tennis
になるのだった。なんだよ、ずいぶん言ってることちがうじゃねえか。
こうなると、日本語としてのこなれなさは無視するとして、
彼女はあらゆることをできるが、でもクララはもっとテニスができる
ってな感じだ(いや、これはこれで「言ってくれるじゃねえか」感は引き続きあるけど)。
で、デンマーク在住で英語もデンマーク語も解すると思われる方がツイートでこの記事を要約紹介しているのを見つけたが、そこではこのように意訳されている。なるほど。
Danish sport head Jens Anker Andersen: Clara will have to play really well to beat Naito. Naito's a year older and about to turn pro. She can do a bit of everything, but Clara has more game, I think.
2018年6月5日 20:00
でまあ、「 has more game」をうまく訳すことができずに、けっきょく最初に引いたあの訳で妥協(?)した恰好だが、そうして、そもそもの発端だった「 but Clara likes a little more tennis」はどこかに消えてしまったのであった。
いや、そんなことより
さあ、今日だよ。
たぶん、最大の難敵。ポーランドのイガ・スウィアーテック、17歳。ひょっとすると「歯が立たない」という展開だってありうるほどの強敵だ。でも、勝機はあると信じる。
がんばれ。
全仏オープンの三回戦、イガ・スウィアーテックはクララ・ブレルを 6-3、6-1で下した。これで三年連続、彼女はパリでベスト8に到達したことになる。
水曜日、彼女は 1月の全豪オープンのファイナリスト〔クララ・ブレル〕をしりぞけた。それに先立ってはアメリカの第4シード、アレクサ・ノエルを 7-6 (9-7)、6-1で、ラトビアのダニラ・ビスマンを 6-1、6-2で下している。
このワルシャワ出身のティーンエージャーは、過去二回の全仏ではいずれも準々決勝で敗退を喫している。初のベスト4進出をかけた戦いは、日本の第10シード、内藤祐希とのあいだで争われる。
Roland Garros: Iga Świątek awansowała do ćwierćfinału turnieju juniorek - Tenis
あら、かわいい。こちらは二年前の記事。
イガ・スウィアーテックは 15歳、将来を見込まれたテニスプレイヤーで、ワルシャワのコートで毎日トレーニングを積んでいる。コーチ役はジュニアフェドカップでポーランドチームを優勝に導いた Maja Chwalińska。彼女は最近、ストックホルムの大会でイガを ITFのプロトーナメントにデビューさせ、さっそく優勝を収めさせて、はじめての WTAポイントを獲得させた。多くの人がこの若いテニスプレイヤーに、ポーランドの現 No.1プレイヤー、アグネツカ・ラドバンスカを重ね合わせている。本紙とのインタビューにたいし、イガは、このクラクフ女性〔ラドバンスカのこと〕と同じような成功を、そしてできればそれ以上の成功を収めたいと考えていることを認めた。
Iga Świątek: Chciałabym osiągnąć takie sukcesy, jak Radwańska. A może nawet większe [ROZMOWA] - NaszeMiasto.pl
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