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Nov.
2004
Yellow

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/ 3 Nov. 2004 (Wed.) 「自転車を買う」

自転車は無印良品の20インチである。主に妻が乗ることになる。
「KURE 5-56」は、引っ越して以来とんと乗らなくなり、雨ざらしにしてすっかりサビだらけにしてしまった私の折り畳み自転車のために買ってきたのだった。「KURE 5-56」さえあればもう、俺だって。

やけにあたたかな一日。だと思って夜への備えをもたず、身軽な恰好で買い物に出れば失敗する。妻と吉祥寺へ行った。自転車を買ったのだった。
どのようにしてわれわれは自転車を買うにいたったか──というその流れを書けばそれがそのまま今日一日の日記になるわけだが、それについては妻がすでに、『不思議の国とアリス』「制作日記ブログ」のなかで今日の活動報告として書いてもいるので、そちらを参照していただければさいわいだ(該当記事を直接参照する場合はこちらから)。

トップページのブログにはずいぶんくだらない投稿をしてしまったが、その「ブッシュ254人、ケリー252人」というトップ見出しを asahi.com に見つけたとき、同時にその下のほうには「香田さんが無言の帰国 福岡空港で家族ら出迎え」のニュースもあった。恭子ちゃんの日記にあったのは次のような記述だ。

 常連さんらしきおっちゃん二人がお店のおかみさんとお話をしている。イラクで捕まった日本人の話も。若い人が世界に出て歩くのは素晴らしいことなんだよ、それができない国を作っちゃってる政府がいけないのよ、ほんとは、というおかみさんのことばを私は支持する。

 私も支持する。
一方でこのニュースをめぐり、よく耳にするように思うのが「いま行けば危ないとわかっているイラクに自ら行った者のことなど知るか」という、要約するとそういう言葉たちで、私はこのニュースの詳しい内実といったものを知らないのだけれども、ただ、そうした反応に対してはつよい違和感を抱く。当然ながらその批判(?)の言葉が前提とするのは、裏返せばわかるように「いまここ(日本)にいて何もしなければ安全である」という認識である。それはたしかにそうかもしれず、仮にそうだったとして、しかし先の言葉たちはじっさいのところ、その事実を指差し確認しているにすぎないのである。それ以上でも以下でもない──だから、「彼を責めるのはとても簡単」なのだ。問題ははたしてそんなことなんだろうか。
問題とすべきは、このニュースの先におぼろげながら(しかし確実に)見えてくるもののほうであり、それこそは「いまここにいて、何もしなくても悲劇に見舞われるかもしれない」という事態のことである。つまり「戦争」であって、それはまちがいなくこのニュースの先に立っている。問題を「自衛隊のイラク派遣」から「香田さんそのひと」にすげ替えて戦争の影を視界からはずすこと──「いまここの安全」を称揚しあうことの裏にひそむのはそうした欲望なのかもしれないが、そこに欠けているのは、「いまここ」の延長として「世界」を感じるための想像力にほかならない。

本日の参照画像
(2004年11月 3日 23:59)

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