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May.
2010
Yellow

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/ 15 May. 2010 (Sat.) 「そういうの」

『NAVI』2010年4月号。

20歳誕生日コンサートでの薬師丸ひろ子さんだ。

かしまゆう監修『感じたままを表現できるじょうずな俳句の作り方50のポイント』(メイツ出版)。

ひさしく『NAVI』を立ち読みしていなかった。だから数日前、ふと目にした自動車雑誌『CAR GRAPHIC』についてのニュースに、

CGの姉妹誌『NAVI』も2010年4月号をもって休刊しており、
二玄社、自動車雑誌から撤退『カーグラフィック』新体制に | レスポンス自動車ニュース(Response.jp)

とあって不意をつかれたのだ。古書店から取り寄せたその『NAVI』2010年4月号が届く。といって──いまごろそのことを知ったくらいであり──「クルマ好き」なのではない。連載コラム「ジドウシャ巷談 是々非々」の最終回が、やっぱり気になってしまったのだった。けっこうな長期連載だったはずである(最終回は「第178回」とカウントされている)。「そういうの」書かせるとうまいっていう、なんだかいやらしい期待もあったわけだけど、でもまあ、ファンなのですね、けっきょく。以前はよく本屋で立ち読みしたものだった(なにせ読むのはそこだけなのでね)。一冊だけ(だったと記憶するが)たまらず買ってしまったのは、「ナンちゃんのこと」と題された2002年9月号のそれである。そのすこし前に亡くなったナンシー関さんのことが書かれた回だ。
手元に届いた最終回は、「そういうの」じゃないかなあとなんとなく想像していたところの「そういうの」だった。つまり「最終回」とか「休刊」とかいったことにはいっさい触れずに、しかしほかならぬそのことを書いている。「さよならは別れの言葉じゃなくてぇー」と、ひと呼吸あって(薬師丸)ひろ子ちゃんが歌い出さんばかりですらある(ま、歌い出しちゃったらこの場合台無しだけど)。押切伸一さんのお店「ミュージックバー 道」で、高校同級の「杉森」と会ったという話。これ以上のニュアンスを伝えようとすればいきおい全文を引用しなければならないほど、ひたひたとつながっていくその文章である。
来週末には、成城大学時代の「石原千秋ゼミ」同窓会がある。三年前にあったそれの二回目。その件で、いっしょに行く吉沼からメールがあり、「予習」という表題だったので何かと思えば、「これ知ってた?」と訊いて下にアマゾンの商品リンクが添えられている。開いてみると、これ、『感じたままを表現できるじょうずな俳句の作り方50のポイント』(メイツ出版)だった。監修の「かしまゆう」というのが、前にも書いたけど、ゼミの同窓なのである。知らなかったなあ。着々とご活躍じゃないか。で、それを注文。同窓会までにしっかり予習しなければならない。吉沼も買ったといい、後日あったメールには、

これでぼくらもようやく、感じたままを表現できるじょうずな俳句が作れるようになるのだな。

とその感慨を書いて寄こす吉沼だ。そうともさ。かしまさんのおかげもあり、われわれはもはや、感じたままを表現できるじょうずな俳句が作れるふたり(かしまさんを入れて三人)なのである。
たとえば「50のポイント」のひとつ、「バスルームで」という項には、その日常のひとときを五・七・五に切り取るさいのアドバイスとともに、例句としてかしまさんのこうした句が載っている。

石鹸のまるく減りをり巴里祭

 オッケー、それでいこう。
 バスルームのなかでは、わたしもまた決まって大声でこう詠むのだ。

石鹸のまるく減りをり巴里祭!

 もちろん吉沼だって、声の大きさではけっして負けていない。

石鹸のまるく減りをり巴里祭!!

いや、まあ、ひじょうにまじめな方であるかしまさんが怒り出さないうちに、きょうはここらで引き揚げることにしようと思うのである。では、また。

本日の参照画像
(2010年5月19日 03:11)

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/ 14 May. 2010 (Fri.) 「写真は茶色い猫特集」

駅前の自転車置き場でときたま目にする仔猫である。今回撮影に初成功、あらためてその存在が確認された。ポシュテに似ている。

ポシュテはこんな案配。現在妻の iPhone の壁紙になっている一枚。本日は茶色い猫特集だ。

庭によく遊びに来る茶色い猫は「デカポシュ」と呼ばれている。窓ごしに対面するポシュテとデカポシュ。

「チェリーブロッサムハイスクール」の主宰であり、かつて『トーキョー/不在/ハムレット』では「ギルデンスターン」役を演った柴田(雄平)[@yuheishibata] がツイッターをはじめていることを、朝、フォローされて知る。で、さらに知るのは、その柴田君がこんどのミクニヤナイハラプロジェクトvol.5『幸福オンザ道路』(準備公演/7月2日〜4日、9日〜11日、STスポット横浜)に出るということだ。まったくなにもチェックしていなかったわたしである。いやあ、そうですか。どうも、どうも。ここのところチェリーブロッサムハイスクールの舞台(近作2本ぐらい?)に行けてなくてすいませんね。『幸福オンザ道路』はもちろん、観に行こうと思いますよ。
さてその『幸福オンザ道路』(準備公演)のチケットは、先行予約プリコグのメールマガジン登録者、またはツイッターアカウントのフォロワーを対象、くわしくはこちらが15日の午前10時から(というか書いている現在ではすでに)はじまっている。いや、チケット状況のことなどちっとも知らずに書くのだけれど、ここはひとつ、早めに予約しておくのが吉ではないかと思うのだ。
なにしろ会場であるSTスポットはたいへんに小さな劇場だから、おのずと客席数もかぎられる。記憶で書けば、なかに入れるのは二人ぐらいだ。三人までなら無理に入れないこともないが、そうするとこんどは役者がひとりも入れないから、客は三人で肩を寄せ合ってすぐ目の前の壁を見つめ、流れてくる開演前のアナウンスを「いやいやいやいや」という思いで聞くことになる。ってのは嘘です。もっと入れます。
えてして、「準備公演」ってやつはぜいたくなのである。数十人にむけて発するその表現行為もぜいたくなら、また、〈準備〉を観に行こうって側の人間もかなりぜいたくだ。「準備公演」を観ることで〈準備〉を促されるのはわれわれ客のほうでもある。っていうか、早く観たいじゃないか、柴田君の出るミクニヤナイハラプロジェクトを。
と書いていて、ふと(作・演出・振付の矢内原)美邦さんのブログを見るとたいへんなことになっているのだったが、といってまあ、このブログでは毎度こうした記事を読んでいる気もする。だからだいじょうぶだ。そうでなくともだいじょうぶだ。なんとかなる。STスポットにわたしは、その「なんとか」を観に行く。「なんとか」なったそのとき、ひょっとすると世界はSTスポットと同じ大きさをしているかもしれないと夢に見つつ、わたしは『幸福オンザ道路』の準備公演を観に行く者である。
というわけで、左欄の写真は『幸福オンザ道路』のチラシに促され、茶色い猫特集なのだった。

本日の参照画像
(2010年5月17日 17:01)

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/ 13 May. 2010 (Thu.) 「ワカコのこと、ヤマダのこと。」

これが、今年の4月16日にあらたにオープンした「ビッグスケールの都市型大型店舗」、ヤマダ電機の「LABI新宿東口館」である。
『ミナ』(ロマーヌ・ボーランジェ主演、マルティーヌ・デュゴウソン監督、1993年)。

そういえば2コ前の日記で、チェルフィッチュの会場で会った橋本(和加子)さんの名前を出し、彼女がつぎに出る『家の内臓』という舞台のことをちょろっとだけ書いたのだけど、いっしょに生活している今野(裕一郎)君の話によれば、それを見た橋本さんがものすごく喜んだという。それも、「よっしゃー」の声をあげるほどの喜びようだったと今野君は語る。そうなのか。で、そんなに喜んでもらえるのであれば、もう、どーんと載せようじゃないかと思うのである。右がその公演のチラシで、クリックしてもらうとPDFが開く。上(左)から二人目に写っているのが橋本さんだ。大阪府出身。これは児玉(悟之)君から聞いた話だが、橋本さんはかねてより大阪訛りをとりたいと考えているらしく、あるとき今野君に、「うち、これからもう標準語でしか話さへんねん。もし大阪弁になってたら指摘してやあ」と言っていたという。そんな橋本さんが、舞台上で魅力的でないわけがないじゃないか。あと、「嫉妬深い」という噂。それから、「掃除をしない」。ぜんぶ伝聞である。よくは知らない。じぶんの目で見て言えるのは、「かわいい」ってことぐらいだ。そしてこれは、彼女の長年の盟友である今野君が、せんだってブログに書いていた橋本さんの紹介である。

橋本和加子は人の悪口を言わない人です。ふと見ると、だいたい笑っています。笑い顔です。いろいろと尊敬しています。大げさにいえば命の恩人だったりもします。これは言い過ぎかもしれません。あと、とにかくよく寝ます。
バストリオ、書く! 役者紹介 その四

 だから繰り返せば、そんな橋本さんが、舞台上で魅力的でないわけがないじゃないかという話なのである。
朝のこと。通勤電車が四ツ谷に着き、ホームに降りたところで、いっしょに降りたアジア系(韓国かなあ)の男性に英語で話しかけられた。「それは iPhone か」と。降りしなにわたしが iPhone でツイッターかなにかを見ていたのである。「Yes」と答えると「気に入ってるのか」とまた訊くので、ふたたび「Yes」と返す。「上智大学(四ツ谷にある)に行くところか、学生か」というので「No」、「何をしているのか」に「web designer」と、ホームを歩きながら答えていく。そこで質問の角度が変わり(上智つながりなんだろうと思ってわたしは聞いていたが)、「教会には行くか」というので「I'm Buddhist」と返す。で、さらにしゃべるのを聞いていると、なんでも「きょうの午後6時から中野サンプラザでクリスチャンの催しがある」らしく、「時間があれば来ないか」ということなのだった。「予定があるので行けない」という英語が出てこず、「いやあ、行けないなあ」というのを表情で返して、最後に「丸ノ内線ののりかえはどっちだ」という質問に答えてから別れた。まあたぶん「布教精神のごく日常的な発露」ってところじゃないかと思うのだが、いま調べると、その催しってこの「エジンバラ100周年記念世界宣教会議・東京大会」ってやつじゃないのか、さては。なんだかものすごく大規模なものに誘われていたのだった。
その誘いをことわって夜に行ったのはエレキコミックの単独ライブ『中2のアプリ』。銀座、博品館劇場。初日である。ルアプル・メンバーのうち、黄木(多美子)さん、上村(聡)君、今野君、わたしの四人で観た。終わって、ちかくのモスバーガーに入る。軽くお茶をしながら、いよいよ17日から稽古がはじまるリーディング公演(『ジャパニーズ・スリーピング/世界でいちばん眠い場所』)のことでおのおの伝達と確認など。
その帰り道、黄木さんとふたり、丸ノ内線に乗って銀座から新宿まで。話題はいつしか「ヤマダ」のことになった。「ヤマダ、行きました?」と黄木さん。「行ってない」と答えると、「わたしもなんですよ。今度仕事が落ち着いたらゆっくり行こうと思って」と夢を口にする黄木さんだ。その目線の先に浮かんでいるのは、この四月、新宿の東口にオープンしてその一角の風景を大きく変えさせた、ヤマダ電機「LABI新宿東口館」の姿である。

相馬:
ヤマダの魅力っていうか、黄木さんにとってのヤマダって何なの?
黄木:
じつはわたし、ヤマダほんとはそんなに好きじゃないっていうか、こうして「ヤマダ、ヤマダ」言ってるじぶんが好きなんじゃないかって、最近そう気づいたんですよ。
相馬:
それはあれかな、恋に恋する、みたいな。
黄木:
そうですね、ヤマダにヤマダするっていうか。
相馬:
ドキドキの対象はあくまでイメージのなかの「ヤマダ」であると。じっさいに行ってみると幻滅もあったりして。
黄木:
行くと疲れますしね。
相馬:
コジマじゃだめなの?
黄木:
コジマはねえ、ちがうんですよねー。存在がもっと近いんですよ。トモダチ感覚というか。親とかもコジマで買ってますから。近所にあるし。
相馬:
あ、そうなんだ。地域的に、家電量販店といえばヤマダっていう環境に育ったとかじゃないんだ?
黄木:
ちがいます。うちのほうはコジマです。だから、コジマだとドキドキがないというか
相馬:
コジマは電機としてみられない?
黄木:
そうですね。コジマは親に紹介できるんですよ。
相馬:
そっか。買ってるからね、親も。
黄木:
「コジマで買った」っていうのはすぐに通じる。
相馬:
ヤマダだと、「なぜコジマでなくヤマダで買うのか」ってところから説明しないといけないから
黄木:
面倒ですよね。
相馬:
ビックはどうなの?
黄木:
よく行きます。いちばんポイント溜まってるのがビックかも。
相馬:
便利な存在?
黄木:
ですね。ビックは便利です。

 と、大笑いしながらこんな話をしていたと思っていただきたい。
中古で売られているのをネットで見つけ、こっそり注文しておいた『ミナ』という映画のVHS(DVD化されていないのだ)が届き、「ホワイトデー」だと言って妻に渡す。「学生時代に何度も借りて見た、いちばん大好きな映画である」と長らく聞かされてきた映画がそれだ。「むかしいちどTSUTAYAで、レンタル落ちとして売られているのを見てずいぶん悩んだんだけど、なにせ2万くらいしたんでねー。以来ぜんぜん見かけないし、DVDにもならないし。あー、やっぱりあれ買っとくべきだったかなー」と、つい先日もまた『ミナ』のことを口にしたのだった(そのほか、どんな映画だったかという説明なども。主演のロマーヌ・ボーランジェのファッションが見所だとして、そうした側面から『オリーブ』に取り上げられ、それで観に行った『オリーブ』女子たちがみな「なにこの映画、つまんない」と言って劇場から出てくるような、世間的にはそうした映画だったとのこと)。これまでも何度か、妻がそのタイトルを口にするたびに思い出してはネットで探していたのだったが、今回はごくあっさりと、アマゾンのマーケットプレイスで見つかってこの日に至ったという次第。で、深夜、妻とそれを見る。

本日の参照画像
(2010年5月14日 23:26)

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/ 12 May. 2010 (Wed.) 「PLASTICSのUstライブ中継だった」

どうだろう、「なんかしみた」ように見えないだろうか。

いま音源を買うならさしあたりこれでしょうというベスト盤、『PLASTICS ORIGATO25』。

右は、さきごろメジャーバージョンアップをはたした Mac OS X 用のFTPクライアント、「Transmit 4」のアイコンである。「Transmit 3」のそれとくらべると、トラックはやや大きくなり、そのぶん細部がより複雑に描き込まれて、こまかな陰影や映り込みが表現されるようになっているが、言ってもわれわれはまだ前バージョンのアイコンのほうに親しみがあり、そっちに目が慣らされてしまっている状態であるから、危惧するのは、いま、世のウェブデザイナーのおよそ二割が、バージョンアップしたその「Transmit 4」のアイコンを目にするたびに「なんか、しみた?」と思っているのではないかということだ。思ってるんじゃないか、みんな、それ。いや、このぐらいでかく表示させれば細部まで把握できるからそんなに違和感はないのだけど、この半分以下に小さくなったときにね、どうしても「しみてる」感は出てくるのだ。本日の、どうでもいい話その一である。
無印良品のネットストアで注文したあれこれが昼間、家のほうに届く。ネットを利用したのは、クルマがないのでどのみち配送になる衣裳ケースを買うからだが、ほかに、敷き布団カバーと掛け布団カバー、枕カバーも買ったのである。布団カバーはどちらも白い「麻平織」の、ダブルサイズを選んだ。注文が完了し「ありがとうございました」と出る画面には、「こちらもどうぞ」として、購入商品をもとにシステムが推測したのだろうおすすめ商品が表示される仕組みだが、表示されたのはすべて、白い麻平織のカバー、シーツ類だった。いま注文したのと同じ布団カバーの、シングルサイズ、セミダブルサイズなども並んでいる。だからうちはダブルサイズだと言っているだろうこのわからずやめ。たしかに枕カバーも白い麻平織のものを買ったけれど、白で麻平織ならこの人は何でも買ってくれると、無印はそう踏んだのだろうか。だが、うちにも都合ってものがあって、そうはいかないのである。本日の、どうでもいい話その二だ。

本日の日記は、なんだったらここから読んでもらってもいいくらいなのだが、しかしこちらはさしあたり「かっこよかった」と言葉にするしかなく、さほどの分量にはならない。夜、代官山「UNIT」で行われた PLASTICS のライブの、Ustream中継があって、それを堪能した。たいへんによかった。いっしょに──って、ネットワークのむこう、茨城でだが──次兄家族 [@somaakira @mizutama12kai と、途中で就寝したらしい3歳児と0歳児 ] もそれを見ていた。もうおぼろな記憶だが、むかし、「この人たちかっこいいよ」と言って PLASTICS が出た「ザ・ベストテン」の録画をわたしに見せたのがこの次兄だ。あれは「コピー」(曲名ね)だったろうか。その次兄はツイッターで、ボーカルの(つまり佐藤チカさんの代わりの)マドモアゼルユリアさんを絶賛する。たしかに。で、それへの完全な同意のうえに言わせてもらうならば、同じくチカさんパートを担当する、コーラスボーカル(フルートも)のSAORIさんも弟は支持したい。タイプであるって意味でも、ぜひ支持したいところだ。って書いてたら、この方あれなんですね、中西俊夫さんの奥様なんですね、どうやら。とまあ、ともあれ、よかったのです、とてもいい夜でした。
先日、「おばけ強盗団」のことを児玉君 [@sk_losco] に宛てツイッターでつぶやいたさいに、その返信で、あの曲の背後にはこうした悲しいお話のイメージがあるのですと、児玉君が書いた「おばけ」という短い物語を教えられた。JPEGにしたそれをサーバにアップしてくれ、一時的に見られるようにしてもらったわけだが、それ、保存しとくのを忘れた。もう削除されてしまったようで、きょう見に行ってみたらなかった。あれ、もういちど読みたいな。

 と書いて日記をアップしたら、さっそく児玉君が対応してくれた。こちらである。

sk_losco: @soma1104 「おばけ強盗団」の元になった話、画像なのもあれなのでpdfにしようと思い、消したんですが、なかなか元のテキストデータが見つからず……。遅くなってすいません、pdfです。http://bit.ly/anJciF
3:36 PM May 14th Tweetieから soma1104宛

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(2010年5月14日 14:40)

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/ 11 May. 2010 (Tue.) 「そしてまだ風邪は抜けきらず、咳と痰がのこった」

もう一枚。何枚も撮ってしまった。

「おっ、こりゃ写真、写真」とあわてて、これはまず先にiPhoneで押さえた一枚。けっきょくこのあと、ゆったり三分ほど出したままでいたのだけど。

アル☆カンパニー第7回公演『家の内臓』(作・演出:前田司郎、5/21~ 30=新宿・SPACE雑遊、6/4~6=川崎市アートセンターアルテリオ小劇場)。

『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』。

ロビン君、ひさびさに出す──2010.5.9

 いやー、出たね。ひさびさにしっかりと出た。
 何度か書いているようにロビン(写真の猫)は、そもそも舌を完全に仕舞いきることができないと言っても言いすぎではないほど、ほとんどずっと多少のベロを出している猫であり、一般に言うところの「あ、ベロ出ちゃってる」という状態はロビンにおいてはけっこうな長さが出たさまを指すのだけれど、まあこれはほぼ、MAXに出た状態と言っていいだろう。

『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を観る──2010.5.7

 チェルフィッチュ『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』を観る。初日。ラフォーレ原宿。前回公演『わたしたちは無傷な別人であるのか?』の衝撃からわずか二ヶ月ばかり、その残像がいまだ脳裏に残るなかで、客電が落とされ、浮かびあがった舞台にはしかし「時計がなかった」。
 『わたしたちは無傷な〜』の舞台(ほぼ素舞台)にあってきっぱりと現在時を指し示していた壁掛け時計が、同じくシンプルでクリアーな『ホットペッパー〜』の舞台装置には存在しないというその一点がまずわたしの心を捉えたのは単純に事実で──それは逆にいえば、『わたしたちは無傷な〜』のあの時計がいかに強烈だったかということでもあるだろうが──、つまり『ホットペッパー〜』は、『わたしたちは無傷な〜』がそうだったようには〈いま〉ではないのだというふうに、わたしはその不在の意味をまず受け取ったのである。
 『ホットペッパー〜』が描くのはまちがいなく、〈いま〉ではない、過ぎ去った時間のなかの風景だ。そのことは、断片となり反復されるいわば「編集」されたセリフと、それを聞いている(セリフを発していない)者の側に流れる時間とがつよく印象づけるとおりであり、〈物語内現在〉が、〈語る/観る現在〉と完全に同期した〈いま〉でないことはそうして巧妙に周知されるわけだが、いっぽう、ほかならぬそのことによって舞台上には、物語の外部に用意された〈いま〉がくっきり示されもするのである。それは、送別会の幹事をつとめた派遣社員らがすでに「あとを追った」あとなのかもしれない〈いま〉、あるいは少なくとも、すでに帰宅した「エリカ」が案の定、猫によって食い散らかされた蝉の残骸を玄関前で目にしているだろう〈いま〉だ。
 それらの時間が存在するのは物語の外だが、けっして舞台の外ではない。ほぼ全編に流れていると言ってもいい、「時間そのもの」である音楽(「時計」はここにあったとも言えるだろう)が舞台上に侵食させる〈語る/観る現在〉とともに、〈いま〉は、たしかに舞台上にあったのだった。
 と、いまはこれがせいいっぱいの感想。
 会場では今野(裕一郎)君と橋本(和加子)さんに会った。橋本さんがつぎに出る舞台、アル☆カンパニー第7回公演『家の内臓』のチラシをもらう。いや、きっと行くのだけど、さていつ行くか。

おばけ強盗団と赤い風船──2010.5.8

 7日にチェルフィッチュを観終わって帰宅後、前回更新したぶんの日記を(半分ぐらいノートに下書きしてあったそれを、あらためてブラウザにむかって)深夜に書きはじめ、そのまま朝まで書いていた。不思議と眠くならず、というかまだ微熱をかかえてもいるのではやく寝るにこしたことはないのだが、しかし書いているうちにかえって気分は爽快になっていくようでもあって、しらじら明けていく朝の光がカーテンごしにじつにすがすがしく思われた。
 少し寝て、昼前に起きる。同じころ起き出した妻に、寝室のスピーカーで「おばけ強盗団」を聴かせた。妻、大笑いである。

このところ、特にインフォメーションも無いので、趣味で作ったアルバムをダウンロードできるようにしておきます。たぶん、次に告知することが発生するまでの期間限定です。

ということなので、ぜひこの機会にダウンロードしておくことを勧めたいのが児玉(悟之)のアルバム『KODAMA SATOSHI Ⅰ』だ。5月5日のかれの日記に全曲解説があるが、その冒頭の一曲が「おばけ強盗団」である。これは相当いい。底抜けにいい。
 『ホウ・シャオシェンのレッド・バルーン』をDVDで。初見。クライマックス(でしょ?ここが)の、天窓ごしの風船はほんとうにすごかった。やられた。カメラが徐々に天窓のほうへ向かっていくところで「ああ!」となる。ちっとも説明になっていないがそういうことである。

夜、ご機嫌な妻と──2010.5.10

 まあ、何のこっちゃわからないでしょうが、とある、睡眠にかんするアンケートに答えた。ものはついでと同じアンケートを妻にも答えさせ、妻の回答といっしょに質問者にメールで送信する。
 で、どうもそのアンケートの回答を書いているうちにそうなったっぽいのだが、深夜帰宅してみると妻がたいへんにご機嫌である。ひさびさ、ただの酔っ払いのような調子になっており、自分の MacBook からシャッフル再生させた音楽をリビングのスピーカーで流しては、「はぁぁ、『ヘイ・ジュード』ねえぇ」などとその一曲々々に感嘆しているのだった。
 まあ、ご機嫌でなによりである。

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(2010年5月12日 16:48)

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/ 6 May. 2010 (Thu.) 「風邪などひいている場合ではない」

外へ出せとせがむもきち。

これが『水の精』のジャケット。と、アマゾンにリンクを張ってみたもののいま現在は「出品者からお求め」いただくほかない。『細野晴臣の歌謡曲20世紀BOX』などでもその収録曲を聴くことができるが、これはやはりアルバムで(筒美京平楽曲も併せて)聴いておきたい一枚。名盤。

路面電車は浮かんでいくよ銀河へと──2010.5.5

 大きな破裂音が二度、しばらく間を置いて小さくもう二度、やがてあまたのサイレンが鳴りだして止む気配がない。夜おそく、細目にあけた寝室の窓の網戸越しにその喧噪が届けられ、「なんだなんだ?」とツイッターにつぶやいたわたしの頭は取り替えたばかりのアイスノンの上にある。風邪なのだった。「こちらは立川消防署です」とラウドスピーカーで話し出した声はなかなか枕元まで届かない。ノドと熱。水銀式の体温計を振って、上がった目盛りを元に戻すアレが、妻はとてもうまい。一、二度振るともう水銀が三十五度の手前に少し顔をのぞかせるばかりになっている。わたしがやるとなかなか引っ込まないのに、である。ツイッター上を「立川」で検索したり「火事」で検索したりするうちにほどなく、

momoiro_momoji: 近所で火事だ!ちょっとみてくる!
11:23 PM May 5th movatwitterから

という立川在住らしい人のつぶやきにぶつかり、火事らしいとはわかったものの、「ちょっとみ」にいったその人はその後なかなか戻らず詳細が知れない。ゴールデンウィークの入りばなにひいた風邪である。治りかけのままここまで来てしまった。またべつの人のつぶやき。

YoshiakiMatsun: @camperPAPA 立川通りで車が爆発炎上してましたよ。
11:44 PM May 5th Chromed Birdから camperPAPA宛

微熱を微熱と気づかずにいたはずもないが、やっぱり気づかずにいたのだな、微熱のなかで、わたしはゴールデンウィークのあいだずっと、まる五日も宙に浮いていたようなものだ。こちらは立川消防署です。この車輌の運転手、もしくは関係者の方がいらっしゃいましたら、お近くの署員までお知らせください。とかなんとか。

京都二日目──2010.4.25

 男どもが起き出すはるか前、朝早くに、山村(麻由美)さんは駅ちかくのバイト先へと自転車でひとり出かけたようだった。その山村さんがバイトを終える昼すぎの頃合いに駅へと向かい、落ち合って、三人でまた昼食を食べてからわたしは帰りの新幹線に乗ろうという算段で、それまでのあいだ家に残された男ふたり──児玉(悟之)君とわたし──は、リビングのこたつに収まり、あるかないかの会話をしながら午前中をぼんやり過ごしたという。
 陽気がさそうのか、もきちがしきりと外に出たがった。児玉君が玄関を開けると外に出ていく。すぐ目の前の路地がお気に入りの場所で、そこより遠くへ行く心配はまずないが、隣り合う家の玄関が開いていたりすればするすると上がり込んで平然としているらしく、それであまり目を離すことができないと主はいう。路地へ出て、それで何をするわけでもないらしいもきちを「もういいだろ?」と家のなかへ戻せば、またしばらくして出せとせがんで土間に陣取るから、いったんはいっしょに出て隣家の案配を確認したのち、路地にもきちを残しこたつへ戻ってくるという繰り返しを数度、主が重ねるのをわたしはこたつから眺めていた。
 そのことが話題にのぼったわけではなく、たんにかれのサイトのプロフィール欄から引いて確認してみるのだが、児玉君は1983年生まれ、わたしの8ツ下である。年の離れ具合はおおまかに言って、わたしとわたしの兄たち(7ツ上と10コ上)のそれぐらいだ。そんなふうに書くところをみると、なんだ、「弟のような存在」だとでも言いたいのか俺はってことになるが、なんせ、これまで兄ってもの以外に持ったことがないのでね、それはちょっと想像の埒外だ。とはいえ、そうか、兄たちからすればわたしはこうした距離にいた(/いる)んだろうかということを、少し想像しないではないのであり、だから──とつないでいいものかどうかわからないが──、わたしからかれへ〈影響を与える〉ということが仮にあったとして、それはどんどん与えていいんじゃないかというふうに、いま、ふと思うのだった。
 という前置きでもって何を記すのかといえば、かれの日記にさらりと書かれた一節のことであり、

25日。昼過ぎに相馬さんと京都駅で別れる。それから地点の公演に向かった山村と、52円しか所持していなかったため観れない俺は別れ、帰宅。裕木奈江『水の精』を聴きながら、必要があって舞台公演の出来そうな寺を調べる。
LOSCO » 2010. 4. 25|SUN

という、この唐突なまでの〈裕木奈江『水の精』〉は、まったくもってわたしのせいなのだった。
 昼は駅ナカで、つけめんと丼の組み合わせにさらに唐揚げだのなんだのさまざま添えられてちょっといやんなるくらいのボリュームのセットを食べた。で、山村さんと児玉君からは土産に「緑寿庵清水」の金平糖をいただく。ミルクの金平糖で、これ、うまかった。

「007」一挙録画──2010.4.29 - 4.30

 4月29日から5月1日にかけてWOWOWでは、映画「007」シリーズ全22作品の吹替え版を一気に、48時間ぶっつづけで放映するということをやっていたのだった。で、そのうち、ショーン・コネリーからティモシー・ダルトンまでの16作品、約36時間を録画。というのは、まあ全部DVDはもってるんだけど、わたしが買ってもっているDVDボックスではピアース・ブロスナン以降の近作をのぞき、それらには吹替えの音声が併録されていないのだった(現在売られているパッケージでは全作品日本語音声が収録されている)。今回放送された吹替えはそれぞれ、ショーン・コネリー=若山弦蔵、ジョージ・レーゼンビー=小杉十郎太、ロジャー・ムーア=広川太一郎、ティモシー・ダルトン=大塚芳忠で、いずれも現DVD版と同じもののようである。
 なお、

soma1104: おいっ、広川っ、「だから石鹸じゃないって」は言ってないだろぜったい。
10:47 PM Apr 30th TwitBird iPhoneから

と思わずつぶやいたのは『007/美しき獲物たち』のラストシーンのことです。

最近読んだ少女マンガ

 なんでしょうか、わたしは。卒論でも書くんでしょうか。

  • 椎名軽穂『君に届け』(1〜10巻、集英社 / マーガレットコミックス)
  • 末次由紀『ちはやふる』(1〜8巻、講談社 / コミックスビーラブ)
  • ろびこ『となりの怪物くん』(1〜4巻、講談社 / KCデザート)
  • 鈴木ジュリエッタ『神様はじめました』(1〜5巻、白泉社 / 花とゆめCOMICS)
  • 岩本ナオ『町でうわさの天狗の子』(1〜6巻、小学館 / flowersフラワーコミックスα)
  • 咲坂伊緒『ストロボ・エッジ』(1〜8巻、集英社 / マーガレットコミックス)
  • 小椋アカネ『絶対平和大作戦』(1〜3巻、白泉社 / 花とゆめCOMICS)
  • 葉月かなえ『好きっていいなよ。』(1〜4巻、講談社 / KCデザート)
  • 小村あゆみ『うそつきリリィ』(1巻、集英社 / マーガレットコミックス)
本日の参照画像
(2010年5月 8日 05:32)

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