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Oct.
2004
Yellow

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/ 31 Oct. 2004 (Sun.) 「ご無沙汰です」

準備公演の会場は東京タワーのとても近くだった。
ところでこれは実験公演の模様。
第5回自主リーディングで使用した戯曲、松尾スズキ『ドライブインカリフォルニア』(白水社)

もうとっくの話だけれど「準備公演」は終わり、それどころか日記上での無沙汰はもっとさかのぼって「実験公演」の報告すら私はしていなかったはずだが、しかしもう目前へと迫ってしまっているのがいよいよ『トーキョー/不在/ハムレット』の本公演の稽古である。私は演出助手だ。
「準備公演」を終えてほどなく、京都に行ったのは、『be found dead』の京都での上映会に足を運ぶためで、いや最初は私だってさすがに「京都」はパスしようと考えていたが、それも上映後に行われるトークショーでの宮沢さんの相手が丹生谷貴志さんだと決まるまでの話だった。「行くの?」と妻は聞く。「行っちゃおっかなー」とニマニマしながら答える私に妻は金銭面での困難を訴えた。京都は遠い。遠いだけならいいが、新幹線は高いのだった。そういうわけで今回は妻は乗り気にならず、「ひとりで行ってください」ということになり、それはいいが、しかしやはり往復の新幹線代はいま出せる懐ではなくて、はじめてJRの高速バスというやつで行くことにした。前夜、金曜日の11時すぎに新宿駅新南口発で、翌朝、7時すぎに京都駅前に着く。
いま、『トーキョー/不在/ハムレット』関連の演出助手の仕事と、会社の仕事と、それとまたべつに発生しているのが、「0 1/2(ぜろとにぶんのいち)計画」と総称されるプロジェクトの一環であるサイト作りで、それはつまり兄(そうまあきら)が監督する自主制作CGアニメーション『不思議の国とアリス』についてのサイトだ。この、『不思議の国のアリス』を原作にもつアニメはかれこれ6年ほど前からその制作がスタートし、当初は大手スポンサーも付いていた企画だったが、さまざまな要因から頓挫、中断をくり返し、しかし企画(に対する兄の思いと言いますか「縁」と言いますか)だけはずっと生き延びて、ここ最近は兄がひとりこつこつ、細々と制作を進める状況がつづいていたものだが、このたびスタッフを再度集め、「DVDの予約販売」というかたちで制作資金を確保することにして、来年8月の本編完成、ならびに9月のDVD発売を目指すというスケジュールが引き直されたのだった。私が作っているのは、そのいわばプロモーションサイトである。
『be found dead』の上映があるのは午後2時半から。京都には早朝7時すぎに着くことがわかっていたので、そこで映画までの空いた時間をその『アリス』のサイトの制作作業にあてたいと考えたが、問題はネットワーク接続環境で、ネットにつなげられないとなるとできることが限られてきて厄介だ。事前に調べると、「みあこネット」という公衆無線インターネットの実験プロジェクトが京都発で行われていると知り、それを使うことにしたのは、なにせそれは「おもてなし」の考えで運営され、無料だからだ。現地の窓口(たとえば京都駅ビル内にひとつある)に行って利用登録をすると、その日から一週間利用できる。
で、京都駅ビル内の「カフェデュモンド」でPowerBookをひろげているところへ大阪在住の上山君夫妻がやってくる。いっしょに『be found dead』を観ることになっているからだが、また、上山君と恭子ちゃんはその『アリス』プロジェクトの一員でもある。プロモーションサイトのなかの「作品紹介」にあたるコーナーの構成案を恭子ちゃんが担当していて、私はそれをHTML化する。その相談なども少し。プロモーションサイトはすでに「プレオープン」というかたちで開設されていて、行けば見れるのだが、まだ念のためリンクを張らずにおくのは、いくつかのページが制作途中のままアップされている状態だからだ。正式オープンは11月9日予定。
刺激的なトークショーを終え、宮沢さんや丹生谷さん、その他スタッフのみなさんなどで飲みに行くことになってそれについて行ったが、どさくさで上山君と恭子ちゃんもその席におじゃますることになる。その席での話題などはもうよく覚えてもいないので割愛するが、その最後、「最近、手相に凝っている」という恭子ちゃんは、もう二度とない機会だからと宮沢さんの手のひらを見せてもらっていた。「手相に凝っている」と、さしあたり近い言葉を探せばそういう言い方になるが、べつに占うわけでないのが彼女の手相見の厄介なところだ。差し出された両方の手のひらをただ見る。そして「へえー」とか、「すごい」とか、「私のには似ていない(あるいは似ている)」といった感想を返すが、それとてこちらが「で、感想は?」と促さなければ口には出さず、おそらくただずっと手のひらを見て自分で納得しているにちがいない。宮沢さんの手相に対しては「手の皮が厚いですね」と言い、「それ、その時点で手相じゃないよ」とつっこまれていた。

で、急に現在時に戻るが、きのう(30日)は夜、渋谷で行われたとあるライブイベントに行く。『トーキョー/不在/ハムレット』に出演している上村聡さんと鈴木将一郎さん(というのはつまり、「車じゃねえもんな」のコンビです。と、準備公演をご覧になった方には通じるかと思いますが)のふたりによる、「自分たちがいまやりたいことしかやらない」コント。ふたりをプロデュースするのが、『be found dead』第1話の監督でもあるところの鈴木謙一さんである。これが面白い。かなりくだらない。
明けて今日(31日)、自主リーディングの会の第5回。戯曲は松尾スズキ『ドライブインカリフォルニア』。以前、稽古の折りに「やってるんですよね、自主リーディングってやつ。あれ、興味あるんですよ」と声を掛けてもらっていた上村さんも参加。ほか、実業之日本社のTさん、荒川が誘った長谷川君(「結婚披露合宿」でのコントに出てもらった彼)が初参加。Tさんは(って、高森さんが日記でイニシャル表記しているのでここはひとつそれにならうが)、宮沢さんの『資本論を読む』の単行本化を担当している編集者の方で、高森さんが誘ったかたち。また、宮沢さんがENBUゼミで行った本家テキスト・リーディング・ワークショップの3月分に参加していたというKさんは前回の自主リーディングから参加しているが、私が前回不参加だったため初顔合わせ。
私は「若松」役。単行本のうしろにある公演記録を見れば、再演の際には仲村トオルが演じている役で、だからというわけだが、せいぜいかっこよく読ませてもらいましたよ、そりゃ。「ユキヲ」役の上村さんはとにかく真摯に読んでくれていたように思う。そしてうまい。
詳しいことの次第はおそらく、今回の幹事でもあった赤羽さんがそのサイト内の「自主リーディング、自主報告。」にまとめてくれるのではないかと予想され、ここはひとつ、そっちを参照していただきたい。

本日の参照画像
(2004年10月31日 23:59)

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