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Jan.
2016
Yellow

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/ 9 Jan. 2016 (Sat.) 「ラストソングス『暗い町』を観る」

『暗い町』のチラシは牛尾千聖さん作。画像はラストソングスの Facebookページから拝借。

こちらもチラシを写した一枚。透けて見える裏面も牛尾さん手書きの公演案内。こちらはラストソングスのツイッターより拝借。

9:53 起床。起きぬけに開いた「 Day One」というアプリのデータ同期がおかしくなり、面倒になってごっそりこれまでのデータをリセットする作業から一日がスタート。そのあと、前回更新した 8日付の日記を書いたり、ドラクエ 10をやったり。
夕方出かけて下北沢へ。「風知空知」というカフェ兼ライブハウスといったようなお店で、ラストソングスの舞台『暗い町』を観る。よかった。カフェのテーブルをどけて作られた狭く細長い空間をぐるりと取り囲んで観覧用のイスが置かれ、その中央、客席とフラットに地続きな床の上で、裸足のふたりが演じる。出演:上村聡、鈴木将一朗、作・演出:鈴木謙一。約一時間、三人ぽっきりのミニマムな舞台だ。
開幕、たっぷりの間をとって第一声を発した鈴木将一朗に、その斜め後ろにやや離れて立つ上村聡がちょっといぶかしむような視線をむける。そのわずかな眼差しは〈役〉から生じたものでなく〈役者〉から発せられているように見えて、そこにいきなり、われらがラストソングス的なるもの──たとえばそれは、演じることの不思議にたいして率直であろうとする態度のことだ──が立ち上がるのを思う。とはいえ、もちろん、両者のあいだに〈信じる者〉と〈疑う者〉といった関係が固定化されるわけではなく、直前にいぶかしげな視線を投げた上村聡が、つぎの瞬間には己のセリフを信じてみせる。〈信じる/疑う〉という二項対立を脱構築するのが、すなわち〈演じる〉ということなのだと言わんばかりに。
鈴木将一朗によって発せられた第一声──「何もない!」──は、あとから考えるとちょっとエストラゴンの「どうにもならん」を思わせもするのだったが、これもまた、じつに率直なセリフとしてそこにあったはずだ。ややメタな視点を含んだ物語言説のレベルでも、また、のちに示唆されることになる物語内容のレベルでも、ほんとうにそこには「何もない」。はたして、「何もない!」と口にしたのは誰だったろうかと、いまになり思う。(鈴木将一朗演じる役のひとつの)「大木連太郎」は、はたしていつから舞台に出現したのだろうかと。何もないところから、何かが出現し、出現するように見えて、けっきょく無に帰していく。そのことのほの暗い哀しさと、それだからこその愉楽と充実。「あっちから来たから、あっちに帰るんじゃないかな」という終幕にさいしてのセリフ(うろ覚えなので正確ではないです)がつよく印象に残るのだった。
終演後は同じ回を観ていた石原(裕也)君、島(周平)君といっしょに外に出、何か食べるかとなって、(だったらそのまま「風知空知」で食べていけよという話だけれども、)「餃子の王将」へ。火事の話など、しばし歓談。あと、とある目的のため、『乃木坂46 ALL MV COLLECTION』というブルーレイボックスを島君から借りた。
観劇中からどうにも洟が出てしょうがなかったのだったが、うん、ひいたね、風邪を。薬を飲み、大量のティッシュを消費しつつ、ふたたびドラクエをやってから就寝。
本日( 9日)の電力自給率:39.6%(発電量:12.7kWh/消費量:32.0kWh)

Walked 2.6km • 3,890 steps • 44min • 121kcal.
Cycled 2.9km • 14min • 63kcal.
本日の参照画像
(2016年1月13日 16:41)

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/ 8 Jan. 2016 (Fri.) 「長いんじゃね?」

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。007もスター・ウォーズもまだ観ていません。
いや、びっくりですね、去年はけっきょく 3本しか日記をアップしなかったんですね、わたし。更新されたもののほかにあと 2本、書き切らず公開に至らなかった「下書き」── 5月17日にみんな(相馬、島、石原、近藤、牛尾、大場)でやったテニスの話が 1本と、ドラクエ 10について書こうと思った 1本──もサーバに残っていますが、それを足したところで 5本ですよ。
そんなていたらくのうちにわたしはとうとう四十(!)になり、立川には「ららぽーと」までできてしまった。

@soma1104: 若くなく、かわいく。
2015年11月25日 20:22

と、唐突につぶやいたこちらのツイートは 40歳を迎えての抱負。若くなく、かわいく、いきたいと希っている。ららぽーとにはまだ行っていない。
大晦日にわたしの実家(茨城・下館)に帰り、元日に帰京というのは例年どおり。明けて 2日には妻の実家(埼玉・北本)へ行き、恒例のすき焼きでもてなされた。今年もたらふく食べさせてもらい、そろそろお風呂をいただいて客間に辞そうかという頃合の 23時52分に、うちのとなりに住むTさんから携帯に着信がある。町会の活動で交流があったので互いに番号を知っているのだったが、iPhoneに表示されたTさんの名前にはいったいなにごとかと思わされ、出てみると、いま、うちのすぐ裏手で火災が起きているという。
電話をくれたのは第一にまず「いま、家のなかじゃないですよね?」という確認のためで、呼び鈴を押しても反応がなく、電気も点いていないので出かけているのだろうとは思われたものの、まさかなあ、寝てたりしないだろうなあと現場のみなさんは心配されていたようだ。さほどの距離の近さと火の勢いであるらしい。「ええ」とか「はあ」とか応えてあっさり通話を終了させたのち、さて、どうにも情報不足だということになって、今度はこちらからTさんにかけ直してもう少し詳しい状況を訊く。燃えているのはうちから 2軒となりの家。すでに消防が出動して消火にあたっているが火の勢いは衰えておらず、はっきり大丈夫とは言えない状態。相馬さんち側からも放水しているのでたぶん大丈夫じゃないかとは思うが……、とのこと。
ともあれ心配なのは家で留守番中の猫三匹だが、さしあたり北本からの終電はもう終わっている。義父の運転で車で帰るという選択肢もあるものの、着くころにはさすがに全部決着が付いているだろう時間がかかることを思えば「何もできない」ことに変わりなく、あわてて夜道を帰る危うさのほうにやや天秤はかたむく気がする。うーん、となって身動きがとれないまま、けっきょく座してTさんからの続報を待つ恰好になった。気休め以外のなにものでもないものの、51キロ先の火事への、残るアクセス手段はツイッターだ。網を広げるために「火事」のただ一語でタイムラインを検索し、アカウントのプロフィールや前後のツイートから「立川」っぽいものを探す。するとまあ、思いのほか刻々とそれらしいツイートが見つかって、「これだな」「これだね」というふうに妻と確認し合う。

@UCMM: なんか外くさいと思ったら近所が火事のようだ
2016年1月2日 23:58

@aoya0933: え?ヘリ飛ぶほどの火事なの?
2016年1月2日 23:58

@Yamada1375: IKEAの近く火事すごい
2016年1月2日 23:59

@tomoyuki_259: 近所で火事なんだけど https://t.co/aJW74PvB3a
2016年1月3日 0:12

@Tckw03: 1月3日(日) 0:10 現在、東京都立川市では火事が発生したようで、曙町付近の上空をヘリコプターがホバリングしています。
2016年1月3日 0:17

@kanaism: 立川火事に出動したヘリコプターをトラッキングしていたけど、陸自さんの東立川駐屯地直上を飛んでるやんけ!

営内には寝てる人間多いやろなぁ。 https://t.co/r6OsUrj8tB
2016年1月3日 0:26

@ikechi_cycle: 立川5小付近(高松町2丁目)で火事か。消防ヘリは音が聞こえなくなったので、帰還していったっぽい。
2016年1月3日 0:34

いくつかの写真に「あちゃー」という思いを抱かされつつ、消防ヘリが帰還していったっぽいという 0時34分のツイートが流れてくるに至って、それを心のよすがとするわれわれだ。どうやら事態は収束したか、しつつあるらしい。その後もヘリの音に言及するツイートは現れるものの、〈速報っぽさ〉が身上のツイッター文法にあって、ほんとうにそれが〈いま〉のことなのか、体験自体は何分か前のことをいまつぶやいたのか、そこを見極めるのはむつかしい。言ってみれば、タイムラインがそのまま正しく時系列ではないというところにこそタイムライン読解のダイナミズムはあるのではないかと、どうでもいいことを考えて気を紛らわしていた 0時43分、Tさんからふたたび着信。いま、消防のほうからも正式にアナウンスがあって、完全に鎮火しましたという連絡だった。
ほっ。
残る心配はいよいよ猫三匹だけとなり、始発で帰ることにしていったん就寝。翌朝は 4時すぎに起きて、余裕をもって 5時31分北本発の電車に乗る。高崎線、京浜東北線、武蔵野線、中央線と乗り継いで 7時ちょうどに立川。7時20分ごろに家に着いた。通りから家へむかってのびる行き止まりの細い路──行き止まった先がうちで、さらにその奥、低いフェンスを隔てて火災にあった家々がある──の途中に、黄色い KEEP OUTのテープが張り渡らせられて、脇に見張りと思われる警官がひとり立っている。「奥の家の者です」とことわり、テープをくぐって家へ。で、家に入る前にちょっと裏を覗いたのだけど、よくまあうちは無事だったなということになっていた。

こちら、うちに来たことがあるひとにむけて説明すれば、二階の、あの本棚のたくさんある部屋の窓を開けてすぐの光景である。写真からはちょっとわかりづらいが、この全焼している家の右、うちの真裏にあたる部分は空き地になっていて、ここに家屋が連なっていなかったことが大きく幸いしたと思われる。あとは風向きか。手前左下に写っているオリーブの木はうちの庭の隅に植えてあるもので、つまり全焼している家はうちの斜め裏という位置関係になる。ちなみにうちの真横、全焼している家の真裏にあたるアパートも無事だった。のちのニュースによれば当夜は消防車 32台が出動、火は 5棟、210m²を焼いたが、いずれも不在だったり空き家だったりしてけが人はなかったとのこと。
さて、猫。出かける前、2日の夕方に皿に山盛りにしていったカリカリはまったく減っておらず、いつもなら 23時〜 0時ぐらいがだいたい夕飯( 2回目のカリカリ)の時間なので、どうやら食べるより前に騒動がはじまってしまったらしい。当夜、室内にいて熱・臭い・煙といったものがどの程度だったのか、はたしてそこんところがかれらに伝わったのかどうかはわからないが(家に 24時間換気の機構があるので、締め切っていても多少の空気の流入はあるはずだが)、ともあれ、ずば抜けて大きかったのは音だったはずで、何しろヘリがホバリングしていたのだし、消防車はうちの駐車スペースに乗り入れて放水を行っていたという状況だ。加えて、Tさんが携帯に電話をくれる前、「寝ていたらたいへんだ」と相当な、ほんとうに相当な回数の玄関チャイムが鳴らされたらしい。三匹のなかでいちばん臆病なポシュテは元来チャイムを怖がり、すわ来客となると二階へ駆け上がって寝室のベッド下に隠れるのが習いだが(うちに来てくれたひとのなかでポシュテを目にできたひとというのはほんとうにまれで、ひょっとすると過去にひとりもいなかったかもしれない)、今回もそうしてずーっとベッド下にいたらしい。帰宅後すぐにベッド下にいることは確認したが、その後もしばらく、何時間かベッド下から出てこなかった。あとの二匹、ロビンとピーは一階居間のこたつのなかに寄り添って丸くなっていた。というわけで、まあ、そんな有様だが猫も無事。
火事のニュースはわれわれが電車に乗っていた早朝の時間帯にテレビでもやったらしい。こちらはテレビ朝日のそれ。

あと、TBSのものもここで見られるのだが、その冒頭のカットで現場の奥に見えているこの家が、たぶん、うちじゃないかと思われる。
てなわけで、うちは無事です。というか、ちょっと思ったのだけど、これ、もしもTさんからの電話がなかったらと想像すると、ことによっては、いまのいままでついに知らずに暮らしている可能性もじゅうぶんにあったのではないか。現場は完全に家の裏で、ふだん生活しているぶんにはみごとに死角にあたる位置にあるし(駅と家とを行き来する道からも現場は見えない)、火災を知らなければ家に帰ってくるのは夜だったろうから、その時間には KEEP OUTのテープも見張りの警官もすでになかった可能性が高い。大量に残っているカリカリとポシュテの様子(それらも夜の時点ではどうなっていたか)に多少の異変を感じ取るとしても、よもや火事とは思わず、界隈にただ一軒、呑気な家ができあがっていた可能性はけっして低くないような気がするのだった。いやほんと、どうもありがとうございました、Tさん。
本日( 8日)の電力自給率:41.7%(発電量:11.4kWh/消費量:27.3kWh)

Walked 4km • 5,529 steps • 54min • 190kcal.
Cycled 1.3km • 6min • 29kcal.
(2016年1月11日 10:19)

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