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Apr.
2008
Yellow

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/ 13 Apr. 2008 (Sun.) 「続・いろいろ」

庭の芍薬。

庭のあじさい。

庭を見る猫(庭の側から撮影)。

ひきつづき、無沙汰のあいだの出来事を追えばそれで字数はいくのである。
わけても、それいま言及するのかよというのは広川太一郎氏が亡くなったことだ。3月3日のことで、ニュースが流れたのが8日ぐらいのことである。しかし何らかしら言及しないわけにもいかないだろうというのは、「広川太一郎データベース」という、おそらくいまウィキペディアの広川太一郎の項に次いでネットで参照されているのではないかという非公式サイトの作成者が、私だからだ。どうやらYahoo!等で流された訃報記事にも参照サイトとしてそのアドレスが載ったらしく、それでしばらくはけっこうなアクセスがつづいた。掲示板にも数多くの悔やみが寄せられた。といって、運営者である私は故人と何のつながりもないただの者であるから、それに返すような言葉をもたない。せめて情報を更新し、古くなりつつあるサイトをメンテナンスしようと思うものの、それも忙しさにかまけた。
私が広川氏の訃報を知ったのは3月8日のことだ。兄の監督作である自主制作の3DCG中編アニメーション『不思議の国とアリス』がついに完成し、その販売用DVDに特典として付けるオーディオコメンタリーの収録がその日あった。コメンタリーゲストのひとり、作品中では「帽子屋」の声を演じた俳優の川瀬陽太さんから、休憩中にそのことを聞き、そりゃあやっぱり、「えっ」と大きな声を出したのだった。追悼の意を込めて、新しくリリースされた『空飛ぶモンティ・パイソン』のDVDボックスから何本か見る(今度のものは、東京12チャンネルで放送された日本語吹き替え版の音源が全話分──放送時にカットされた部分など抜けている箇所もあるが──収録されている)

『不思議の国とアリス』DVDパッケージ

というわけで完成したのだった、『不思議の国とアリス』が。オーディオコメンタリーの収録のときに完成版を見たが、その一ヶ月ほど前の0号試写で見たものからだいぶ手が加わっていた。もちろんよくなっている。構成がしまって、試写とはずいぶん異なる印象を受けた。
まあ、ほとんど他人事[ひとごと]に近いんだけど、制作期間は足かけ十年なのだった。構想から含めればもっと長いのだが、シナリオができたあと声の収録がまず先にあって、それが十年前のことになる。主人公のアリスの声は当時小学生だった女の子が演じているが(そしてこれがとても上手いのだが)、その小学生がもう成人して就職活動をしている。「ほんと上手いね、名子役になれるよ」といまさら評価を受けてもどうしようもないのだった。
『不思議の国とアリス』のDVDは、3,980円(税込、送料込、振込手数料のみご負担ください)にて販売中です(ウェブ販売のみ)。というか、その購入申込のフォームなど、私が作ってサイトを更新しないといけないのだが、まだできていないので現時点ではメールにて注文を受け付けています。ここはひとつ、ばかすか売れてもらいたい。

「アデュー」画面キャプチャ「ツイノスミカ」画面キャプチャ

笠木(泉)さんから、ブログをリニューアルしたいとはじめに要望をもらったのはもう一年も前のことになる。去年の4月、「アデュー」の第1回公演が終わってすぐのころにメールをもらったのがはじまりだ。以来、待たせるに待たせた。結局、第2回公演の準備がはじまる時期になって仕切り直し、今年に入ってからあらためて打ち合わせなど行ったが、なかなか取り掛かれずにずるずると、それからまた待たせてしまった。そうこうするうち、宮沢(章夫)さんが「富士日記 2.1」(3月25日付)に、

サイトを全面的に改良しないとだめだな。相馬に助けてもらおうかと思っているが、相馬もかなり忙しそうだ。

と書いているのに応答して、すぐにメールと電話をし、「何を言ってるんですか、やりますよ」と伝えたことはつづく27日付の「富士日記 2.1」にあるとおりで、だから、ことによるとそれを見た笠木さんが「先に頼んだ私のサイトはどうなったんだ」と怒り出しやしないか、内心ひやひやもしていた。
が、それも4月10日にひと段落し、まだ作り足すページなど残っているものの、ひとまず更新できたのでだいぶ気持ちは楽になった。これがね、笠木さんのサイトの件がね、やらなくちゃなあ、待たせてるなあとたえず頭の片隅に、それこそ去年の4月からあったのだった。ついにできた。やればできるじゃないか。はたして「待った甲斐があった」ということになっているかはわからないが、新しいデザインは笠木さんにだいぶ気に入られているようで、それがなによりである。ちなみにリニューアルしたブログと、そして「アデュー」の公式サイトは「adieuadieu.com」という新しいドメインの下に設置していて、ブログのほうはつまりアドレスが変わったのだが、サーバ側の設定で以前のドメインへのアクセスをリダイレクト転送させているから、ユーザーはほとんど意識することなく新しいほうのサイトへ運ばれている。

さて、そうなればもう、あとは宮沢さんのサイトだ。これに全力で取り組むばかりだ。いや、けっして「プリセタ」から頼まれているアレを忘れているわけではないし、前述の『不思議の国とアリス』のサイトだってもちろんおろそかにはしないつもりだが、それはそれとして、君たちはいったい私が誰のファンだと思ってるんだ。
という冗談はさておき、じっさいのところ宮沢さんのサイトの件がどうなるのかはまだわからない。電話をしたさい、近々打ち合わせをもとうという話にはなったものの、なにせ宮沢さんの身体が空かず、私の側もまたバタバタしていた。どうなるかはわからないが、しかし何かしらでも、お手伝いができたらと思う。
そしてまた宮沢さんからは、3月にあったネグリのイベント(私が行ったのは東大での講演会のほう)について、「レポートをまた、ブログに書いてくれればと願うばかりだ」とメールをもらっていたのだったが、それもまた書けずにいた。そう、無沙汰のあいだにはネグリの来日中止という事件もあったのだった。いまさらではあるが、その講演会のこともやはり報告しておこうと思うのだったが、いや、それはまた次回、必ずや次回書こう。

本日の参照画像
(2008年4月15日 18:58)

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/ 12 Apr. 2008 (Sat.) 「いろいろ」

ときおり訪ねてくる野良猫。応対するうちの猫。

去年植えた球根が、まったく手入れをしなかったというのにまた今年も花を咲かせた。

裏の家の桜である。

まさにいろいろである。
何から書いたらいいものやら、なにせ前回の更新からものすごく間があいてしまった。その間、記録しておくべきことや書いておきたいと思ったことは山とあって、さて更新しようというタイミングも何度かあったものの、ついにしそこねて今日ここまで至ったのはひとえに忙しさと、あるいは忙しさを口実とした怠惰と、そしてついつい人は、そうしたときにかぎって瑣末な問題のほうに気を取られがちだということがあり(あるいはそれに逃避をするということがあり)、たとえばこのサイトで使っているMovable Typeというブログツールを4.1にバージョンアップしたりしていたこともそのひとつだ。3.35から4.1へのバージョンアップで、メジャーバージョンアップというやつである。既存のものをアップグレードするのではなく新規インストールに近いかたちをとったのは、裏の仕組みにずいぶん変更が加えられているという話だからで、情報を集め、ああそうか、そうなっているのかとひとつひとつ理解をしながら移行作業を進める。ただ、そうした苦労も、最終的に出力されるページの見た目としては前となんら変わるところがないので伝わりにくいというか、ここを読んでくれているたいていの人にとっては端的に「どうでもいい」ということがあって、そんな仕組みのことより肝心は中身(日記を更新すること)じゃないかと言われれば「そうです」と答えるほかないのだけれど、ま、だから一種の逃避なのであり、苦労といったってそれが楽しかったりするわけだからどうしようもない。

さて、繰り返すようにさまざまなことがあったのだった。何度か更新しようとしたときに途中まで書いた下書きもいくつかある。準備をしながら更新しそこねて日が経ち、中空に漂うことになった半端な言葉たちを未練がましく呼び寄せるという真似も、しかしチェルフィッチュを観たあとでは比較的容易なことであるように感じられるから不思議だ。つづいてのこの文章は、3月13日付の日記としていちど更新しようとしたもので、3月12日の出来事などを書いています。

えーと、前回の日記に書いたような異常な就業ペースからはだいぶ抜け出てきました。依然やることは山積していますが、終電では帰ってます。あるいはもう少し早く帰ったり。「新潮」4月号(宮沢章夫さんの新作だけでなく、古井由吉の最新連作もスタートという思わず手が出る充実の号)は買いましたが、まだ読めてません。それにしてもなぜ、「です・ます」体で書きはじめちゃいましたか私は、ねえ。
きのう12日、生まれてはじめて鍼治療というものを受けたのは、べつにその、腰をやっちゃったとか、どこかを痛めたということではなく、全身に溜まった凝りをここらで一度すっきりさせたいなあというふとした思いからだが、そう思ううちに宮沢さんの日記にときおり登場する鍼治療のことが浮かび、それがどこにある治療院なのかもわからないまま宮沢さんにメールでたずねると、思いがけずすぐに返信があって、メールにその「中田治療院」の電話番号を添えてくれた。電話をかけ、話を聞くうちにいよいよ行く気になっていて、「きょうの夜でもだいじょうぶですか?」と思ってもみなかったことを口にする私だ。20時に治療院へと伺う。
「はじめて(の鍼)でウチに来ちゃいましたか」と冒頭に言われることになるのだが、「鍼」ってやつがどういったことになっているんだかまったくわかっていない状態で飛び込んだのがかえってさいわいしたか、ことさら過剰な恐怖心もなく、二、三度、全身にまさに電気の走るような瞬間も味わったものの、非常に気持ちよく一時間を過ごした。「初回でこんなに打たせてくれる(つまり、あまり痛がらない)方は、とくに男性ではめずらしいですよ」とおだてられたりもしつつ、たっぷりと打たれた。
まったく気持ちがいい。そして若先生はよくしゃべる。終わりのほうに自身でも言っていたとおりほんとうにたんに「話し好き」らしく、だから、接客業としての気遣いのようなものから発せられるそれではないぶん、こちらの客としての気遣いも要らないから受け答えに疲れないということはある。

いや、たしかに相当気持ちよかったのかもしれないけれど、何も一ヶ月もさかのぼって、鍼の話からはじめることはないじゃないか。順を追うのもいいがきりがない。ほかにもいろいろあったのだ。いろいろと。

本日の参照画像
(2008年4月14日 01:07)

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