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May.
2012
Yellow

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/ 6 May. 2012 (Sun.) 「GW後半」

前回の日記1日付「いま、そこにある横溝」で角川文庫の表紙のことを書いたのはほんと偶然以外のなにものでもないのだが、なんと、「東京堂ホール」(東京堂書店 神田神保町店6階)ではいま──というのは書く現在の6月のいま──、そのオープニング記念イベントとして「杉本一文原画展」が開かれているという(6月10日まで)。角川文庫における横溝正史シリーズの、あのカバーイラストを描いていたのが杉本一文(いちぶん)。でもって、角川書店ではいま「横溝正史生誕百十周年記念」と銘打ち、期間限定で主要な文庫を「杉本一文 復刻カバー」にて発売しているとのこと(2012年12月末まで)。どうして期間限定なのだって話だけれど──というか、これらのカバーをデフォルトに戻してもらって、期間限定ではさらに以前のバージョンちがいを復刻してもらいたいものだけれど──、まあ、読むつもりのあるかたはいまのうちに買っておくのが吉かもしれない。手はじめに一冊ということなら、やっぱりおすすめは(いや、これはカバー云々じゃなくて内容で選んで)『獄門島』か、『犬神家の一族』かな。『犬神家の一族』は雑誌連載作だけに〈切れ場〉を意識してるというか、毎回々々盛り上がる感じがあって単純にたのしいですよ。

2日(水)

18:59
24日付「5,400円かあという話」25日付「鍼へ」

といった具合で日記をふたつ更新。
西新宿のミュージック・テイトで「古今亭志ん朝 大須演芸場CDブック」を予約する。

 名古屋の繁華街・大須に「日本一客の入らない」との異名をもつ演芸場がある。その名も大須演芸場。苦しいながらも、必死で寄席の灯を守り続ける席亭の心意気に感じ入った志ん朝は、演芸場を救うため、独演会の開催を快諾。
「俺にできることなら、なんでもするよ」──そして始まった1990年から1999年までの10年間に渡る毎回3日間の公演では、全日満員御礼を記録した。この独演会は、チケットが入手困難であったこと、名古屋という地方都市で行われたことなどから、東京の志ん朝ファンのほとんどが足を運ぶことができず、伝説の落語会とされてきた。この貴重な音源が志ん朝没後11年の時を経て、ここに復活! 地方の独演会独特の、のびのびとした高座、たっぷりのマクラ、なにより志ん朝50代の脂の乗り切った落語をご堪能ください。

という、30枚組のCDボックスだ。前掲のリンクにある河出書房新社の特設ページに「試し聴き」コーナーがあるが、それでまあ、「大工調べ」でもお聞きいただければと思う。あ、そこにある「文七元結」はねえ、どうだろ、もしまだ噺自体を聞いたことがないようなら聞かないほうがいいかもしれない。いや、このCDボックスを買おうというような層にはとても気の利いたシーンチョイスなのだが、「え、そこ聞かせちゃいますか」という、いちばんのクライマックスがいきなり再生されます。[電力自給率:7.8%(発電量:1.9kWh/消費量:24.3kWh)]

3日(木・祝)

7:49
ゴミを出す。

メモはこれだけ。出したぞという、相当な達成感だったのではなかろうか。[電力自給率:7.0%(発電量:2.1kWh/消費量:29.6kWh)]

4日(金・祝)

メモもない。[電力自給率:27.5%(発電量:7.3kWh/消費量:26.5kWh)]

5日(土)

19:28
5/5 風車・志ん公二人会@薮伊豆総本店。代書屋/風車、大山詣り/志ん公〈仲入り〉幇間腹/志ん公、質屋蔵/風車。

日本橋の「薮伊豆総本店」というそば屋の座敷で落語を聞く。鈴々舎風車、古今亭志ん公のふたり会。「幇間腹」が好印象だった。落語のあと、出演者を囲んでそばを食う。志ん公さん、「双蝶々」をよく知らないらしく、「長いんでしょ?」とか言っている。あはははは。[電力自給率:56.8%(発電量:13.3kWh/消費量:23.4kWh)]

6日(日)

ふたたびメモなし。外出はきのうの落語がひとつだけかいという、そんなGW後半の休日たちである。[電力自給率:7.0%(発電量:2.1kWh/消費量:29.6kWh)]

(2012年6月 9日 17:57)

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/ 1 May. 2012 (Tue.) 「いま、そこにある横溝」

『本陣殺人事件』(角川文庫)の表紙。これは2番目のバージョンになるらしい。あ、いま書店に並んでるやつの表紙はこれじゃないですよ。

同じく『獄門島』。こちらは3番目のバージョン(映画公開時に切り替わったもの)とのこと。

『獄門島』の鬼頭月世(浅野ゆう子)。

妻からのSMSで、

恐い。なんか恐い。(18:31)

とあって、右の写真が添えられてきた。写っているのはわが家のピー(オス、9歳)だ。

私〕こえー。(18:45)

妻〕だろー。(同上)

私〕横溝入ってるね。(同上)

妻〕だね、だね。背景とのマッチングが。(同上)

 「だね、だね」とすぐさま返してくる妻をもてたことは望外のよろこびだけれども、問題は、てめえで言っておいてなんなのだが、いったいこの場合の「横溝入ってる」は、どの「横溝」が入っているのかということだ。考えてみるとよくわからない。返信したときに脳裏にあったのはまず「角川文庫の表紙」なんだけど、よくよく検討してみると「これ」という表紙があるわけではなく、われらが「横溝」は茫漠としている。
角川文庫の表紙で「猫」……と考えるならやはり『本陣殺人事件』ってことになるのだが、でもこう、ぴたっとはまる感じではない──とは書きつつ、眺めているうちにだんだん似ているような気にもなってくるのであって、虚ろなピーの表情はどちらかといって上の猫のほうではなく、女性のほう(作中の一柳鈴子がモチーフか)を模しているかのようだ。これでもし、ピーが『本陣殺人事件』を意識していたとすれば、「そっちかよ」という話である。
「背景とのマッチングが」と言う妻の念頭にあるのは、おそらく『獄門島』の表紙だろう(確認してみるとやはりそうだとのこと)。逆さに吊られて死んでいる鬼頭花子の着物の柄(を含む表紙全体の色彩)が、カーテンのそれに乗り移ってまがまがしさを与えている。カーテンにしてみればさぞ心外ではなかろうか。また、写真ではピーの顔の左側に赤いリボンのようなものが細く垂れているが(なんだろこれ)、これが映画版『獄門島』で鬼頭月世(浅野ゆう子)が頭に付けている妙な飾り物を連想させもする。
ベッドのヘッドボードにあごをのせて放心しているピーの表情にポイントを絞るならば「生首っぽい」ということがあるのだが、しかし、ひとくちに生首といってもさまざまだ、知らないけど。生首というとこれは映画のほうの記憶。『犬神家の一族』での犬神佐武(地井武男)のそれ、『病院坂の首縊りの家』における山内敏男(あおい輝彦)のそれ、はたまた松竹版『八つ墓村』に登場する落ち武者・尼子義孝(夏八木勲)のそれなどが主だったところだろうか。そのうち『八つ墓村』はDVDが手元にないので、借りてきた。何をしているのか、わたしは。

本日(1日)の電力自給率:27.3%(発電量:5.9kWh/消費量:21.6kWh)

本日の参照画像
(2012年6月 6日 01:47)

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