/ 28 Apr. 2018 (Sat.) 「牛尾さん、iPadを買う / ロックカフェロフト / 内田君に会ったばかりか、高山さんにも会う」
アクセサリー扱いにされる Mac Pro。
熱心に iPadの設定をいじる牛尾さん。
と、その足元のジダン。
ROCK CAFE LOFT。写真はこちらのインスタグラムより拝借。
終電のために駅に急いだわたしが居酒屋に忘れていったものたちは、島君が預かってくれている。
■盛りだくさんだ。
■ 13時に吉祥寺で牛尾(千聖)さんと、その旦那さんの山ちゃんと待ち合わせる。向かうはヨドバシカメラで、牛尾さんが念願の iPadを買うその付き添い。はたしてアドバイザー役は必要だったのかというようなド真ん中な選択だが、3月末に発表された、iPad Proの廉価版といった位置付けの新しい iPad(第6世代)の 128GBに、Apple Pencilと、AppleCare+を付けてお買い上げ。後刻、帰宅していよいよ iPadを開封した牛尾さんはしみじみと言うのだった。「すげえなあ。金出したら買えるねんなあ」。
■ところで、ヨドバシカメラの Mac売り場ではいま、かの(ゴミ箱)Mac Proは、「その他の Mac製品」といった括りで各種純正ケーブル類や純正 iPadカバーなどが並ぶガラスケースのなかに、まるでアクセサリー扱いでひっそりと収められている。思わず写真に撮ってツイートすると、すかさず高校同級の永澤(悦伸)から「拡張もできなけりゃ、改造派からは、ただの飾り(アクセサリー)ってことか」とコメント。なるほど。ヨドバシもなかなか辛辣である。
■購入後、三人で荻窪の牛尾さんちへ。前回来たのがちょうど牛尾家がジダン(チワワ)を迎え入れる前日だったので、ジダンに会うのはこれがはじめてだ。歓待をジダンから受ける。
■家までおじゃました理由のひとつは、うちのお古の Apple TVをあげるということがあって、そのセッティングと、とある用途に特化した使い方の説明をひととおり。宅配ピザをごちそうになり、iPadの開封と初期設定を見届けて、荻窪をあとにする。
- 17:48
- さて新宿へ。
■ 3月にオープンした歌舞伎町の「 ROCK CAFE LOFT」に、宮沢(章夫)さんの「 80年代地下文化論講義スピンオフ」を聞きに行く。80年代に「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」等の舞台で使った曲をかけ、舞台の映像もいくつか流しつつ、当時のことをしゃべるという 3時間のイベント。昼過ぎに連絡を取りあい、「行こう」という話をしていた石原(裕也)君に「そろそろ新宿に着く」と開場時刻ごろにあらためて LINEを送ると、「二度寝して今起きました」という返信だ。その石原君に呼び出されたかっこうの島(周平)君と先に落ち合って店内に入る。
■イベントのなかでとりわけ興味を惹かれたのは、〈飽きる〉ということをめぐって宮沢さんが言葉を紡ごうとしたひとコマである。DJ作業の物理的な慌ただしさも多少手伝って、イベントの半ば、自身の進行スタイルにいままさに飽きはじめていることを口にした宮沢さんはそこで、「竹中(直人)の魅力炸裂の」と形容したとあるコント(死神コント)の映像につなぐ。そのコントもまた一度作ったあとで飽きて、まるまる壊して作り直した記憶があると宮沢さんは言い、それ以上の具体的な言葉はけっきょく紡がれなかったけれど、〈一度飽きてしまった〉その地平からの眺めはたしかにコントそのもののなかに折り畳まれていたし、〈屈折〉しきったはずの笑いの構造の内側に竹中さんの〈ド直球〉の魅力が生き生きと宿るという、粗野で優雅な実験がそこにはあった。一度飽きるというある意味必要な手続きの果てに、その更地のうえに、あらためて〈笑うに足る〉エネルギッシュなものを立ち上げたその作業現場の、集合的な記憶に宮沢さんが接続しかけた瞬間があって、その記憶に外部から同時に接続を試みるようなスリリングな体験をこちらは味わったのだった。
■と、不意に宮沢さんの言葉はスライドし、そのコントから次のコントへつなぐ転換部分における試みの話に移る。そして、けっきょくラジカル・ガジベリビンバ・システムとはどんな〈運動〉だったのかといえば、これだったのだ──場面と場面をいかにつなぐか、いかに転換するかという方法の探求だったのだ──といったような意味合いのことを口にしたのが印象深い。
■イベント終了後もしばしカフェに残ったあと、いよいよ宮沢さんとも別れ、石原君、島君と新宿の街へ。すでに終電をなくして夜更かしをする気満々の石原君が内田(智也)君に LINEを入れると「いま新宿」だというので、落ち合うことになる。内田君の案内で新宿三丁目の居酒屋へ。
■四人で何を話したかというのはもうあらかた覚えてないものの、近々また集まって遊ぶとして、さて何をして遊ぶかということについて、ひとつ出た案は「握手会に行く」というものだ。うん。それでいいのではないかと思う。
■わたしひとり終電を守って三人と別れ、ぎりぎり滑り込んだつもりの中央線は山手線の遅れにともなって発車が遅れていたが、そのおかげか、横浜 blanClassからの帰りだという高山(玲子)さんと車中でばったり。何駅か過ぎてから「あ」となったのだが、すぐ目の前にいた。西荻窪で先に降りていく高山さんが去ったあと、取り残されたわたしは淋しさのあまり泣くのではないか、とか、なんかそんなような話はどっからどう出てきたのだったか、降りていった高山さんから「泣かないで」と DMが届く。あと、渡したことをすっかり忘れていた「 24条変えさせないキャンペーン」のパンフレットの話とか、もろもろ。
Cycling: 1.3km • 7mins 37secs • 28 calories
Transport: 31.9km • 46mins 8secs
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アクセサリー扱いにされる Mac Pro。
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熱心に iPadの設定をいじる牛尾さん。
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と、その足元のジダン。
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ROCK CAFE LOFT。写真はこちらのインスタグラムより拝借。
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終電のために駅に急いだわたしが居酒屋に忘れていったものたちは、島君が預かってくれている。
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/ 27 Apr. 2018 (Fri.) 「愛しのピー / テアトロコント」
■ひと月ぶりくらいで更新された児玉(悟之)君の日記、27日付の「愛しのもきち」を彼のツイートから知って読み、そのツイートに「いいね」を付けた。
- 15:29
- 「いいね」だ。断固「いいね」なのだ。
というのはそれのこと。あ、いや、いまドキッとされた方がもしあったら(わたしなぞ「愛しのもきち」というタイトルだけでドキッとしたクチなので)言っておきますが、死んでないですよ、もきち。死んでないけど、末期の腎不全であることがわかったという日記。
元気のないもきちを見つめていると、滂沱しつつも、愛おしいから笑みもこぼれる。
どのくらいになるかはわからないが、そんな時間がこの後つづく。
愛しのもきち – Kodama Satoshi
「この後つづく」「そんな時間」のことを思うとき、心の底からの「いいね」が湧く。うちのロビンがロビンを全うしたように、もきちももきちを全うするだろう。
■もきちに似て「具合が悪くなる(それを表に出す)のが急」なうちのピーは、ここ何日か左目を気にし、涙と目ヤニを出している。3月に同じ症状を患って、そのときは典型的な風邪という診断だった。抗生物質の錠剤と目薬を処方されてそれは一度おさまったが、今度も風邪だろうか。前回の目薬が冷蔵庫に残っていたのを点してお茶を濁す飼い主、それがわたしだ。
■風邪だとして、不思議なのは、前回もそうだったがあとの二匹にまったくうつらないことだ。ピーがひとりでひいている。ニボルはまあワクチンを打ってまだ一年と経たないから道理っちゃ道理なのだが、ポシュテがわからない。だいたいポシュテは、飼いはじめのときに検査とワクチンと去勢とで都合三度ほど病院に行ったきり、丸 9年半、病院に行っていない。9年半前に行っていたのは隣駅、国立のダクタリ動物病院というところで、そのあと二箇所行きつけの動物病院を変えているがいずれもポシュテは世話になっておらず、いまの病院もポシュテだけ診察券がない。ぽっくり死ぬのではないかともっぱらの噂。
■と、猫の話はいくらでも続くので時系列の先を急ぐが、夜、渋谷で「テアトロコント vol.27」。明日のアー、かが屋、古屋と奥田、しずるの四組が 30分ずつ。古屋と奥田『小便は流れて、あたたかくて』はロロ・三浦直之による書き下ろしで、そうと謳われてはいないが、はっきり「いつ高」シリーズの番外に位置付けられる作品だった。
■しかしまあ、今夜特筆されるべきはやはり「かが屋」だろうか。『電車』『相談』『練習』『夫婦』という四本のコント。言っても、最後の『夫婦』がなければ「なるほどね」という感想の域内を出なかったかもしれない〈テイスト〉なのだけれど、それゆえに、最終地点から振り返ってみて見事だと思わされるのが四本のコントの順番であり、四本による組み立て、積み上げである。思えば『電車』は、かが屋のコントの適切な入門編となっていた。『電車』における心地よい〈裏切り〉の連続は「ボケない」という一点にある。ボケによって駆動させられるのでないその展開を支えているのは一見〈状況〉のようだが──そしてじっさい、その〈状況〉のレベルで巧みに客の賛同を得、早々にプレーヤーとしての信用を獲得することにも成功するわけで、その信用なくして『夫婦』での冒頭から爆笑は起きていないと思われるのだが──、しかしついに『夫婦』の冒頭に至ってわれわれは、彼らのコントを根底で支えているものが〈状況〉などではなく、強固な〈ナンセンス〉なのだということをはっきりと思い知る。
■もちろん〈状況〉と〈ナンセンス〉とのせめぎ合いは四組の出演者ともに──言ってしまえば広くコント一般に──指摘できることだろうが、今夜、土台としてのナンセンスの、その底知れない深さをもっとも示し得たのがかが屋だったように思うのだ。
■それはそれとして、会場の物販──大北栄人さんが自分で売っていた──で明日のアーの台本各種をごっそり買う。
■で、会場には思いがけず山村(麻由美)さんがいた。今日もきちに会いに行ったそうで、今日はだいぶ復調した様子を見せていたとのこと。もきち、11歳。まーねー、もってもあと八、九年てとこでしょうなあ、おそらく。
Cycling: 2.3km • 10mins 45secs • 50 calories
Transport: 70.8km • 1hr 30mins 36secs
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/ 22 Apr. 2018 (Sun.) 「百年目日和」
■ 9時半に起き、11時半に家を出て、神田に 12時半。だいぶ余裕をもって出てきたのはきのう買いそびれた「小粋」をこの辺りで買う、そのタバコ屋探しの時間を見たからだが、「神田 タバコ屋」で検索して出てきためぼしい二軒がいずれも日曜定休なのか閉まっていた。このあとは日本橋なのでそちらに徒歩で向かいつつ、「日本橋 タバコ屋」で出てきたもののうち時間的な制約から「日本橋たばこ店」というそれに最後の望みを託すと、これはつぶれていた。
■ 13時半開演で桂南光の独演会。善積(元)君と。(下記ツイートの時刻が遅いのはちなみに、あとになって書き間違いに気づきツイートし直したため。)
- 21:11
- 4/22 日本橋南光亭@お江戸日本橋亭。天災/米輝、あくびの稽古/南光〈仲入り〉百年目/南光。善積君と。
■南光一席目のマクラは月亭可朝の思い出と桂ざこばの近況をまず。そこから一瞬〈病気・医者〉といったワードを出して進みかけたので、ありゃ、「義眼」かと思ったものの、さすがに去年の「浅草南光亭」でも演ったことを思い出した(か、客の顔から察した)か、ふわふわっと〈お稽古事〉の話題に転じて、「あくびの稽古」。
■二席目はネタ出しの「百年目」。マクラで「百年目」という言葉を死語だとして意味の説明をしていたのでちょっと驚く。そうかあ。たしかに時代劇が手近にない地上波編成となってみれば、「ここで会ったが百年目」というセリフにもそうそう出会うものではないのかもしれない。とはいえ、特撮ヒーローものとか、あるいは名探偵コナンとか、その辺りではいまでも連綿と使われていてけっこう出会うんじゃないかと想像しなくもない。知らないけど。
■「百年目」はもちろん、よかった。
■終わって善積君とお茶をする。なぜか秋葉原まで歩いてルノアールに入った。こう言っちゃあなんだが、わたし、善積君とは話が合うのではないか。いや、お互いに訥々と語るし、「これ、伝わってるだろうか」というような漠とした話をそれぞれがそれぞれの脈絡で好きに繋いでしゃべるから、傍からはとても会話が弾んでいるとは見えず、それどころか話が噛み合っているとすら聞こえない有様だったとしても、これはたぶん、「合う」と見ていいのだろうと力強く思う。
■おもに落語の話と演劇の話、表現の話などし、2時間ぐらいしゃべって散会。秋葉原駅前、ルノアールのごく近くにある「ミマツたばこ」という店で「小粋」をゲットした。
■テニス男子・モンテカルロの決勝と、女子・フェドカップのチェコ対ドイツを夜、テレビで。
- 9:35
- 起床。
- 11:50
- 南光、8月の奈良の独演会が「まめだ」だ。7月のにぎわい座、「まめだ」、来るか?
- 12:55
- 最後の頼みは日本橋たばこ店。
- 12:57
- つぶれてた。
- 13:12
- 21日付「日記回帰」。
- 21:02
- 猫をゆっくりなでる。
- 21:09
- おっと。
- 20:45
- やっぱりクビトバ、グレアム・チャップマンに似てる。
Cycling: 2.4km • 14mins 20secs • 53 calories
Transport: 79.6km • 1hr 24mins 47secs
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/ 21 Apr. 2018 (Sat.) 「日記回帰」
- 11:27
- 18日付「志ん好の『ねずみ』」。
- 18:55
- 小粋を買い損ねる。
- 25:33
- おはようございます。
■日記が回帰する。いやさ、日記に回帰する。
■ 7時くらいに目が覚めて起き出す。SomaFMをかけ、テレビ録画した映像を iTunesに「ダビング」する処理作業をうしろでちまちま進めながら、「志ん好の『ねずみ』」を書く。床屋を予約。妻が起き出してきて食事。ふたりでキッチンの換気扇を掃除した。
■テニスのフェドカップ、日本対イギリスの初日を DAZNで。牛尾(千聖)さんと LINE。来週末、牛尾さんの iPad購入計画に付き添うことが決まる。
■床屋は近所の美容室だ。何の根拠もないが、担当してくれたひとの腕のよさを漠然と感じる。繰り返すが根拠はない。見ちがえる出来の頭になったわけでもない。床屋へ出たその足でオリオン書房へ。
をお買い上げ。
■高いので買いはしなかったが、矢野誠一・編『落語登場人物事典』(白水社) なるものを本屋で手に取る。これがすごかった。思わず写真に撮ったこの「源さん」の項を読んでみていただきたい。たぶん、万事この調子なのだろうと考えると、そのばかばかしさ、その情熱に圧倒される。あのひと、「源さん」だったのか。
■そんなこんなで本屋に長居していたら「小粋」を買い損ねた。刻みタバコの「小粋」。「ゼフィルス」という駅前のタバコ屋で買い求めるのだが、ここが 19時までで、18時55分に慌てて駆けつけたらもう閉まっていた。そして日曜定休。
■夜は TennisTVでモンテカルロの準決勝。ナダル v. ディミトロフを見ているうちに寝てしまい、起きたら圭君がズベレフ(弟)に勝っていた。わお。
Cycling: 2.6km • 15mins 2secs • 56 calories
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/ 18 Apr. 2018 (Wed.) 「志ん好の『ねずみ』」
- 0:30
- 9日付「『洒落やないがな』とあのひとに言われました──月亭可朝の死を悼む」。
■ぐずぐずといつまでも推敲していたらいまごろの更新になってしまった。9日に飛び込んできた月亭可朝の訃報から出発するあれこれが上の日記。「あぎゃー」のうめきに代えて。
- 14:34
- パパ勝。 #杵屋勝東治
■
- 20:42
- 4/18 落語しんこうどう・その27@日暮里サニーホール。鈴ヶ森/志ん好、一年生/粋歌〈仲入り〉ねずみ/志ん好。
■古今亭志ん好は 1月の「廓噺研究会」以来。ネタ出しが「ねずみ」だと聞いて駆けつけたのは、かつて先代志ん五のその高座( 2008年7月)に震えたからだ。是が非でも、志ん好に継いでほしい噺のひとつである。
■その志ん好の「ねずみ」は無事及第。「でもまだ及第、ぜんぜん及第」とこちらの欲を掻き立てられるくらいにはニヤニヤ聞けた。あとは場面々々の解像度を上げることと、場面から場面へスッスッと〈ただつないでいく〉その技術かなあ。ってそれ「全部」か。まあでも、手応えのあるいい「ねずみ」だった。あとはもう、ひたすらうまくなってもらうしかないよ。
■志ん五は「ねずみ」と「大工調べ」の二席。収穫は「ねずみ」。口はばったい言いようながら、いま、「古今亭」のもつ最良の部分をもっとも体現できるのは(あるいは、その可能性があるのは)やっぱりこの人なのだと再確認させられる一席。演りようによっては粘っこくも描写できるだろうところを軽く、すっすっと筋から筋へつなげていきながら、それでいて個々の場面(ショット?)は非常に解像度が高いというようなそんな印象で、たとえば甚五郎の二度目の仙台行きにほぼ藪から棒に同行する大工・政五郎の江戸っ子ぶりなどはもう一種のクライマックスである。
2008年8月7日付「さかのぼって志ん五のことなど」
あー、そっかー、「政五郎がクライマックス」かー、そりゃすげえと、いま当時の日記を確認して志ん五のすごさをあらためて。あと、今夜とりわけ物足りなく感じたのは最後のねずみ自身で、志ん五の高座にはあそこ、「ねずみがしゃべってる!」と感じさせる何か工夫があったように思う。ごく些細な工夫だったような気がするが、とにかく、「あっ、(いま話者は)ねずみだ」とごく自然に(しかしはっきり意識させられて)思わされた記憶がある。「政五郎のクライマックス」を経た最後、「ねずみ、しゃべるのかよ」という得も言われぬ気持ちよさの到来が、やはりこのファンタジーの成就には必要なのだ。
■助演の二ツ目、三遊亭粋歌ははじめてだったが、なるほどとそのスタイルが伝わった。噺のなかに〈巧まない女性〉をいかに出すかといった感じで、おのずと登場人物全員が巧まない存在となるのだが、そのことと、いっぽうでまっすぐ衒わずに巧まれたマクラや筋、サゲとが矛盾しないのが魅力だろう。なぜか(ってこともないか)、大師匠の圓歌を思った。
■あ、そうそう、粋歌さん、この 4月からは NHKラジオの「すっぴん」にも隔週で出ているそうで。
Cycling: 1.3km • 6mins 42secs • 28 calories
Transport: 92.2km • 2hrs 6mins 3secs
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/ 16 Apr. 2018 (Mon.) 「新宿で佐藤君と会う」
- 1:46
- 寝言かなあ。
■佐藤君というのは佐藤一晃君だ。わたしが演出助手として参加していた 2005年1月の舞台、遊園地再生事業団の『トーキョー/不在/ハムレット』で「島村幸彦」役だった──って、13年も経ったいま役名を言われても誰が誰やらでしょうが、自動車雑誌を大声で読み上げてたあのひと、と言えば像が結びますか? の──佐藤君である。いやわたし、『不在』の当時はなんとなくの距離感でもって佐藤「さん」と呼んでいた気がするが(いまだって、面とむかえば「さん」付けがしっくりくる感じはあるが)、どうやら同い年であるらしいところのその佐藤君と、じつに『不在』以来の再会をはたす。となればそりゃあ、折しも岸田戯曲賞の受賞パーティーが終わったばかりの宮沢(章夫)さんがめざとくリプライをくれるのも無理からぬ話なのだ。
佐藤(一晃)君はやっぱりでかかった。
2018年4月16日 20:52
@soma1104 あの、佐藤か? どこでた?
2018年4月16日 21:19
■というのもいま、前にもちょっと書いたが佐藤君の個人サイトを頼まれて作っていて、わたしの怠惰もあって声をかけられてからすでに二ヶ月ぐらい経ってしまったが、それがもうじき出来上がる。で、佐藤君はいま軽井沢に住んでるんだそうだが、今日から三日ほどこっちに来ているというので、夜、新宿で待ち合わせたのだった。
■もうじき出来上がるサイトは、佐藤君の撮った写真を載っけるポートフォリオサイトだ。被写体には事欠かない軽井沢に住みだしたのが何とも素直なきっかけで完全に趣味としてはじめた写真が、ちょっとは仕事として成立するくらいにまでなったので、自分をけしかける意味でもちょっとこう、いっぱしのサイトを……といったような感じらしい。今回の東京来訪も写真の仕事だとのこと。
■西口の改札付近で落ち合って、西口地下に土地勘のない者同士(わたしはブックファーストになら行けるという程度)、いちばん手近にあったというだけの欲のかけらもない選択っぷりでカフェレストランのようなところに入り、ハンバーガーセットを食べた。ノートパソコンでテストサイトを見せながらあれこれ説明したり、懐かしい話をしたり。
■まあ、何というか、ちっとも変わらないですね。「ちっとも」は言いすぎだとしても、変わってなかったです。
Cycling: 2.4km • 11mins 59secs • 52 calories
Transport: 70.4km • 1hr 22mins 13secs