/ 29 Dec. 2008 (Mon.) 「マフラーをなくす年の瀬」
■さて、うかうかしているとこれが年内最後の更新となるかもしれない時期にさしかかった。一年を振り返りつつ、すぐそこまで来て顔をのぞかせてもいる二〇〇九年に一瞥をくれて、ここはひとつ何かまとまったことを書きたいところだけれど、そうもいかないのは、そんな文章に頭を悩ませている暇があったら一冊でも本を本棚に片付けたらどうだという顔で、大掃除中の妻がこちらをにらんでいるからだ。いまも、右手にダイソン、左手にもダイソンを持って、にらんでいる。あれ?いつのまにダイソンが二台も?と思うまもなく、左手にもっていたダイソンを妻はこちらに投げつけてくる。ひらりと身をかわしたわたしはキーボードを肩に、なおも描写をつづけるが、気づけば、わたしの脇を通りすぎたダイソンはシネマディスプレイに命中してそれを木っ端みじんに砕いた。「おのれ!」とばかりに「おのれ!」と打つわたしにはもう、きちんと「おのれ!」と打てているのかたしかめる術がない。なにしろディスプレイが壊れてしまった。妻はクイックルワイパー殺法でたたみかける。クイックルワイパー殺法についてはまた後段で説明しようと思う。
■27日の夜は「奥沢にある某所」での忘年会。それへ向かうさい、立川駅でマフラーをなくした。南武線のホームにある立ち喰いそば屋で、カウンター下の棚に脱いだそれを置き、食べ終えてそのまま電車に乗ったのだった。これから忘年会に向かおうという者がいったいなぜ立ち喰いそばを食べなければならなかったか、悔やんでも悔やみきれないが、というのもそのマフラーが妻のものだからだ。いつも巻いているマフラーなのだったが、じつは妻からの借り物なのである。妻はおかんむりだ。困った。
■似たマフラーをネットで探してみてはじめて、「あれは、同じものとなるとなかなかないのだ」という妻の言い分が実感となってわかってくる。微妙な色のニュアンスはあるものの、柄自体はまったく特殊なものではなく、定番というか、ありふれてさえいる柄だ。ブラックウォッチと言うのだそうで、グリーンとネイビーのチェック柄である。問題は色味と同時に、フリンジと呼ぶらしい、端に付いているビラビラした部分で、一般にそれは長方形の短いほうの辺に付いているのが常だが、なくしたマフラーはそれが長いほうの辺に付いているのだった。これがちょっとない。ついにひとつ見つけ、「あ、これは似てるねえ」と妻に言わしめたものの、それはその輸入ショップですでに完売になっていた。
■28日は大掃除に付き合う。パソコン机のまわりを片付けるのにほぼ一日かけてしまった。29日、いちおう、仕事納め。
■いやまあ、もう一回ぐらい書けるかな、年内。
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