8
Aug.
2009
Yellow

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/ 20 Aug. 2009 (Thu.) 「さんざんなピーの話」

二段重ねでもすっぽりだ。あまり居心地がいいとも思えないのだが、「残念な人」に何を言ってもはじまらないのである。

いっぽう短毛種のポシュテは床に寝そべる。見るからに床のほうが涼しいと思うのだが、そこのところ、あの写真奥の人はどう思っているのだろうか。

ねこベッド

だいたいねえ、そんなうまくいくわけがないじゃないかというのは右の写真だ。「本格木製ベッドで愛猫の安心と心地良い眠りをサポート」「無垢材を使用して北海道旭川の職人さんがひとつづつ手づくりし」た逸品、「ねこ家具シリーズ」の愛猫用木製ベッドは48,000円である。
先日、猫用のクールマットというやつを通販で買ったのだった。数千円である。誰ひとり使やあしない。
おもにはピーのことを思ったのである。ピーは玄関の土間によくひっくり返っている。ひんやりするのだろう。長毛種だけに、さぞ暑かろうとは想像されるのだ。そして、ピーはダンボールも好きだ。とりわけアマゾンのダンボールがお気に入りである。届いた本を取り出して空になったそれにすっぽり収まっている。ダンボールは、いったい涼しいのかわからない。むしろ温まるのではないかと思うが、いっこう気にせず、満足げにすっぽりである。収まりきる体格ではないので「嵌っている」と言ったほうがいいかもしれない。嵌り、はみ出し、もじゃもじゃしている。とにかくもじゃもじゃだ。この時期、ピーが足元にすり寄ろうものなら暑くってしかたがない。あっちに行っててもらいたい。と、さんざんなピーだが、しかしクールマットは案外いけるかもしれない、さんざんな言われようをする労をねぎらってやれるかもしれないと親心を出したのである。
さっぱりだった。たしかに、上に乗れば幾分クールではあるのだ。ただ、上に重みが加わってはじめて、数秒後にひんやりとした感じが味わえるというモノの仕組みだから、なかなか猫相手に「数秒待て」というのもむずかしい話なのである。掴まえ、その上に置くがぜんぜんである。すぐにそこから離れ、そうしてアマゾンにすっぽりだ。いったい涼しいのかそこは。
そもそも、仮にクールマットのひんやり感がうまく機能して、かつピーがそこに寝そべったとしても、こんな繊細なひんやり感など、あのもじゃもじゃに阻まれてピーに伝わろうはずがないではないかと街では囁かれはじめるのだった。いやそれどころか、まったくなにひとつあいつは感じていないのではないのか、暑いも寒いも、ただもうあのもじゃもじゃの前ではひとしく「わからない」にちがいない、なにしろあの鼻の穴は、くぼんでいるだけで奥まであいてないのだしという声さえ専門家のあいだからは上がって、つまりは、まったく「残念な人」だというのが数年来の評判である。
あまり関係ないが、昨夜には「それ以外の人」というあだ名がついたピーである。「ロビンと、ポシュテと、それ以外の人」だ。なんてさんざんなのか。

佐々木中『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』(以文社)を少しずつ読んでいるが、きのう電車のなかで読んでいて、うっかり笑ってしまったのがラカンのつぎのような言葉である。

ボロメオの結び目のメタファーは、そのもっとも単純な形態においては、不適切なものです。それはメタファーの濫用です。なぜなら、実際には、想像界と象徴界と現実界を支えるものなどないからです。性的関係は存在しないということ、これがわたしが口にしたことのなかで本質的なことです。性的関係が存在しないのは、ひとつの想像界とひとつの象徴界とひとつの現実界があるからです。これは敢えてわたしが言ってこなかったことです。にもかかわらず、今いいました。

 「今いいました」じゃないよ。
 わたしは黙読しつつ、この言葉を、矢内原美邦さんの声で聞いていた。
肩と足の痛み、だいぶひく。
きのう今日の電力自給率:(19日)42.5%、(20日)84.4%

本日の参照画像
(2009年8月21日 01:44)

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