/ 6 May. 2010 (Thu.) 「風邪などひいている場合ではない」
路面電車は浮かんでいくよ銀河へと──2010.5.5
大きな破裂音が二度、しばらく間を置いて小さくもう二度、やがてあまたのサイレンが鳴りだして止む気配がない。夜おそく、細目にあけた寝室の窓の網戸越しにその喧噪が届けられ、「なんだなんだ?」とツイッターにつぶやいたわたしの頭は取り替えたばかりのアイスノンの上にある。風邪なのだった。「こちらは立川消防署です」とラウドスピーカーで話し出した声はなかなか枕元まで届かない。ノドと熱。水銀式の体温計を振って、上がった目盛りを元に戻すアレが、妻はとてもうまい。一、二度振るともう水銀が三十五度の手前に少し顔をのぞかせるばかりになっている。わたしがやるとなかなか引っ込まないのに、である。ツイッター上を「立川」で検索したり「火事」で検索したりするうちにほどなく、
momoiro_momoji: 近所で火事だ!ちょっとみてくる!
11:23 PM May 5th movatwitterから
という立川在住らしい人のつぶやきにぶつかり、火事らしいとはわかったものの、「ちょっとみ」にいったその人はその後なかなか戻らず詳細が知れない。ゴールデンウィークの入りばなにひいた風邪である。治りかけのままここまで来てしまった。またべつの人のつぶやき。
YoshiakiMatsun: @camperPAPA 立川通りで車が爆発炎上してましたよ。
11:44 PM May 5th Chromed Birdから camperPAPA宛
微熱を微熱と気づかずにいたはずもないが、やっぱり気づかずにいたのだな、微熱のなかで、わたしはゴールデンウィークのあいだずっと、まる五日も宙に浮いていたようなものだ。こちらは立川消防署です。この車輌の運転手、もしくは関係者の方がいらっしゃいましたら、お近くの署員までお知らせください。とかなんとか。
京都二日目──2010.4.25
男どもが起き出すはるか前、朝早くに、山村(麻由美)さんは駅ちかくのバイト先へと自転車でひとり出かけたようだった。その山村さんがバイトを終える昼すぎの頃合いに駅へと向かい、落ち合って、三人でまた昼食を食べてからわたしは帰りの新幹線に乗ろうという算段で、それまでのあいだ家に残された男ふたり──児玉(悟之)君とわたし──は、リビングのこたつに収まり、あるかないかの会話をしながら午前中をぼんやり過ごしたという。
陽気がさそうのか、もきちがしきりと外に出たがった。児玉君が玄関を開けると外に出ていく。すぐ目の前の路地がお気に入りの場所で、そこより遠くへ行く心配はまずないが、隣り合う家の玄関が開いていたりすればするすると上がり込んで平然としているらしく、それであまり目を離すことができないと主はいう。路地へ出て、それで何をするわけでもないらしいもきちを「もういいだろ?」と家のなかへ戻せば、またしばらくして出せとせがんで土間に陣取るから、いったんはいっしょに出て隣家の案配を確認したのち、路地にもきちを残しこたつへ戻ってくるという繰り返しを数度、主が重ねるのをわたしはこたつから眺めていた。
そのことが話題にのぼったわけではなく、たんにかれのサイトのプロフィール欄から引いて確認してみるのだが、児玉君は1983年生まれ、わたしの8ツ下である。年の離れ具合はおおまかに言って、わたしとわたしの兄たち(7ツ上と10コ上)のそれぐらいだ。そんなふうに書くところをみると、なんだ、「弟のような存在」だとでも言いたいのか俺はってことになるが、なんせ、これまで兄ってもの以外に持ったことがないのでね、それはちょっと想像の埒外だ。とはいえ、そうか、兄たちからすればわたしはこうした距離にいた(/いる)んだろうかということを、少し想像しないではないのであり、だから──とつないでいいものかどうかわからないが──、わたしからかれへ〈影響を与える〉ということが仮にあったとして、それはどんどん与えていいんじゃないかというふうに、いま、ふと思うのだった。
という前置きでもって何を記すのかといえば、かれの日記にさらりと書かれた一節のことであり、
25日。昼過ぎに相馬さんと京都駅で別れる。それから地点の公演に向かった山村と、52円しか所持していなかったため観れない俺は別れ、帰宅。裕木奈江『水の精』を聴きながら、必要があって舞台公演の出来そうな寺を調べる。
LOSCO » 2010. 4. 25|SUN
という、この唐突なまでの〈裕木奈江『水の精』〉は、まったくもってわたしのせいなのだった。
昼は駅ナカで、つけめんと丼の組み合わせにさらに唐揚げだのなんだのさまざま添えられてちょっといやんなるくらいのボリュームのセットを食べた。で、山村さんと児玉君からは土産に「緑寿庵清水」の金平糖をいただく。ミルクの金平糖で、これ、うまかった。
「007」一挙録画──2010.4.29 - 4.30
4月29日から5月1日にかけてWOWOWでは、映画「007」シリーズ全22作品の吹替え版を一気に、48時間ぶっつづけで放映するということをやっていたのだった。で、そのうち、ショーン・コネリーからティモシー・ダルトンまでの16作品、約36時間を録画。というのは、まあ全部DVDはもってるんだけど、わたしが買ってもっているDVDボックスではピアース・ブロスナン以降の近作をのぞき、それらには吹替えの音声が併録されていないのだった(現在売られているパッケージでは全作品日本語音声が収録されている)。今回放送された吹替えはそれぞれ、ショーン・コネリー=若山弦蔵、ジョージ・レーゼンビー=小杉十郎太、ロジャー・ムーア=広川太一郎、ティモシー・ダルトン=大塚芳忠で、いずれも現DVD版と同じもののようである。
なお、
soma1104: おいっ、広川っ、「だから石鹸じゃないって」は言ってないだろぜったい。
10:47 PM Apr 30th TwitBird iPhoneから
と思わずつぶやいたのは『007/美しき獲物たち』のラストシーンのことです。
最近読んだ少女マンガ
なんでしょうか、わたしは。卒論でも書くんでしょうか。
- 椎名軽穂『君に届け』(1〜10巻、集英社 / マーガレットコミックス)
- 末次由紀『ちはやふる』(1〜8巻、講談社 / コミックスビーラブ)
- ろびこ『となりの怪物くん』(1〜4巻、講談社 / KCデザート)
- 鈴木ジュリエッタ『神様はじめました』(1〜5巻、白泉社 / 花とゆめCOMICS)
- 岩本ナオ『町でうわさの天狗の子』(1〜6巻、小学館 / flowersフラワーコミックスα)
- 咲坂伊緒『ストロボ・エッジ』(1〜8巻、集英社 / マーガレットコミックス)
- 小椋アカネ『絶対平和大作戦』(1〜3巻、白泉社 / 花とゆめCOMICS)
- 葉月かなえ『好きっていいなよ。』(1〜4巻、講談社 / KCデザート)
- 小村あゆみ『うそつきリリィ』(1巻、集英社 / マーガレットコミックス)
-
外へ出せとせがむもきち。
-
これが『水の精』のジャケット。と、アマゾンにリンクを張ってみたもののいま現在は「出品者からお求め」いただくほかない。『細野晴臣の歌謡曲20世紀BOX』などでもその収録曲を聴くことができるが、これはやはりアルバムで(筒美京平楽曲も併せて)聴いておきたい一枚。名盤。
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