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Jan.
2012
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/ 31 Jan. 2012 (Tue.) 「何だろう?」

寄席や落語会に行ったときに、その日聞いた演者と演目とをまとめてツイートするひとというのはままいて、たとえば(きのうまでなら)鈴本(演芸場)の昼の部に出ていた(古今亭)志ん公さんが高座で何を演ったか、それがツイートされて流れてこないともかぎらないのを逃さずキャッチできるようにと、「志ん公」とか、「鈴本」といったキーワードで検索したツイッターの画面をつねにタブのひとつとしてひらいておくような毎日である。だもので、いま、わたしのパソコンにはだいたいいつもツイッターの検索結果画面がひとつはひらいているが、その画面の左側には「トレンド」という、いまこの瞬間に多くつぶやかれている言葉を知らせてくれる──くれるったって、ふだんはついぞ気にかけたこともないのだが──欄があり、そこにつまり、昼前だったかな、「川勝さん」とあったのだ。まさに目に飛び込んでくるというやつで、ふだんは気にかけないトレンド欄からふとその言葉だけが浮かび上がって見えたのは、ライブ会場などで「あ、川勝さんだ」と、人混みのなか、いつだってぱっとその姿に気づくあの感じに似ていた──などというのはまあ後付けの感想で、そりゃ、ねえ、「何だろう?」と思うじゃないですか。
最後にお見かけしたのは昨年末のジェーン・バーキンのコンサート会場でだった。同日同時刻にはザ・ビートニクスのライブも行われていたので、そうか、こっちか川勝さんは(わたしらもだけど)と思ったのを思い出す。そのさらにひと月ほど前、遊園地再生事業団の『トータル・リビング 1986-2011』を観にいらしたときには、終演後、宮沢(章夫)さんを探していた川勝さんを案内して「じゃ、呼んできますから少々お待ちください」「あ、すいません」といった何でもない言葉を交わした。楽屋から出てきた宮沢さんとしばし会話されているのを、ただのファンよろしく、少しそばで聞いていたり、いやいや、おれはあっち行ってようと遠巻きに眺める恰好になったり、していた。
ここにも何度か書いているように、「FM-TV」(当時筆者13歳ぐらい)に人生の半分を決定づけられたような恰好のわたしにとって、川勝さんは「アイドル」のひとりだったし、川勝正幸さん、宮沢章夫さん、えのきどいちろうさん、押切伸一さんというこの四人は言ってみれば、わたしにとってのジョコビッチ、ナダル、フェデラー、マレーのようなものである。なぜテニスなのか、そもそも比喩としてどこかまちがっていないか、四人は戦うのか、いきおいで書いてしまったのでよくわからないけれど、まあ、そういったね、あれなのだった。
2006年7月14日、夜、川勝さんと下井草秀さんによる高円寺「円盤」でのイベント「文化デリックのPOP寄席」に宮沢さんがゲスト出演した回を見に行った折り、その打ち上げにも参加させてもらった。「客の会話にあわせて店主がすぐさまレコードを(会話にアルバムタイトルが出ればそれを)かける」というその奇妙な店である。いちばん最初に買ったレコード(世代によってはCD)は何かという話になり、わたしに番が回ってサディスティック・ミカ・バンドの『晴天(せいてん)』だと答えると、「あ、それ逆だよ、『天晴(あっぱれ)』でしょ」と川勝さんに訂正された。ほんとうはまちがいではなく、スタジオ録音のアルバムが『天晴』、ライブ盤がそれをひっくり返して『晴天』で、中学生のわたしがあまりわけも知らずレコード屋で手に取ったのはライブ盤の『晴天』だったのだが、タイミングを逸したのだったか、たんに緊張していたのだったか、「いや、『晴天』なんです」とは訂正しかえさなかったのがやけに心に残っている。訂正すればよかったと、そんな、ほんのささいなことが心に残っている。
この日は 26日付の日記(「いよいよ」)を更新した。川勝さんにはとくに何の関係もない内容の日記だが、とにかく、よく推敲しようと思った。すでに朝にはほぼ書き上げてあったが、何度も何度も推敲して、夜、やっと載せた。

本日(31日)の電力自給率:34.5%(発電量:14.6kWh/消費量:42.3kWh)。1月の自給率:27%(発電量:307kWh/消費量:1115kWh)

(2012年2月 5日 03:39)

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