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Feb.
2012
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/ 15 Feb. 2012 (Wed.) 「10日から15日のこと」

2/10(金)

林家ぼたんさんの会である「倶楽部ぼたん」に志ん公さんがゲスト出演するということで、駒込は「ソフィアザールサロン」へ。行ってみると民家だった。二階(三階に吹き抜けている)がちょっとしたコンサート用のスペースになっていて、奥にはグランドピアノがでんと鎮座するその部屋でふだんは演奏会やピアノ教室などが開かれているらしい。
第66回を数える「俱楽部ぼたん」はつまりぼたんファン(?)の集いであり、20人弱のお客さんたち(そのほとんどが男性)はおそらく固定客なのだろう。アットホームな空気のなか、電気ポットに入った紅茶(だかコーヒーだか)や、クッキーなどのお菓子がふるまわれる。すごいとこ来ちゃったなと、そりゃ、思わないでもない。

夢の酒 林家ぼたん
妾馬 古今亭志ん公
(仲入り)
饅頭こわい 古今亭志ん公
転宅 林家ぼたん

「妾馬」は二度目。出来は去年「志ん五追悼 弟子の会」で聞いたときのほうがよかった。空間が空間なのでどうも自分の家で稽古しているような感覚になり、緊張感がなくなりがちでいけないと自身マクラで話していたのがまさしくそのとおりの分析で、こまかな起伏が感じられず、ツルツルと進行してしまった印象はぬぐえない。
終演後に懇親会があり、志ん公さんに、志ん五の「時そば」を焼いたDVDを渡す。志ん公さんは師匠・志ん五からは「時そば」を教わっておらず、師匠が演っているのを見たこともなければ、師匠の口から「時そば」という単語が出たのを聞いたこともないという。別れぎわ、次回はおそらく 19日の黒門亭に伺いますと伝えると、「じゃあ 19日は、〈志ん橋仕込みの〉ですけど『時そば』でも」と言ってくれた。 [電力自給率:35.9%(発電量:13.5kWh/消費量:37.6kWh)]

2/11(土)

ひさびさ妻とふたりで電車に乗り、タクシーに乗り継いで川越南文化会館へ。「森のイスキア」を主宰する佐藤初女さんの講演会。義姉が妻をさそい、妻がわたしをさそった。少し前から妻が夜、夕飯の残りご飯でおにぎりをむすんでいるのはいわゆる「初女さんのおむすび」に感化されてのものだが、影響云々を言うにはちょっとあれなくらいの自己流で「ただ無骨にむすんでいる」らしく、つい先日、ネットで検索して初女さんのおむすびについてその作り方など調べたという妻曰く「ぜんぜんちがった」とのこと。次兄家族が全員来たのと、あと、こちらも義姉にさそわれた(荒川)里沙さんが赤ん坊を抱いての参加。荒川(泰久)のほうは風邪で来られず。
講演会が終わったころに志ん公さんからメール。「時そば見ました」とのこと。
帰りにはみんなで食事。「大穀」という店で「そばと小天重」。うまかった。[電力自給率:42.1%(発電量:15.2kWh/消費量:36.1kWh)]

2/12(日)

KAAT 神奈川芸術劇場で地点の『トカトントンと』を観る。神奈川芸術劇場は NHK横浜放送局との合築施設になっており、だからだろう、入ってすぐの一階アトリウムには壁面に大きな液晶モニタが据えられて、NHKの放送が常時流れている。ちょうどわたしが建物に入ると、折しもその放送中の画面に「陛下が 18日に手術へ」という速報テロップだ。いや、ほとんど予備知識なしで劇場にむかったのだが、「近代」という巨大なテーマを扱っているらしい『トカトントンと』に「天皇」の影が差しているだろうことはまず間違いなく、こりゃなんというタイミングかと、いっぽうでは単純に「えっ」と驚きもしつつ、その速報を見たのだった。
舞台についてはいまちょっとこれという言葉がない。またかいの声もあろうが、ひとまず @HRAK_GM さんのブログ記事など参照していただければさいわいである。
志ん公さんのブログが更新されていた。古今亭駿菊さんが理事長をつとめる「今そこ演芸団(今そこに落語と笑いを配達する演芸団)の落語会に参加し、大船渡の仮設集会所など 3箇所で「時そば」をやったらしい。そのことを書いたブログ記事のタイトルが「松世」。志ん公さんの日記のタイトルは毎回漢字二字の造語というかエセ熟語なのだが、「松世」はおそらく「まっせ」で、つまり「末世」のシャレなのだろうと思われ、「末」が「松」にどうしたって置き換わってしまうような、そうした〈根源的な希望〉こそがあるひとつの実感なのだろうと想像された。いい言葉だよ、松世。[電力自給率:46.2%(発電量:15.9kWh/消費量:34.4kWh)]

2/13(月)

志ん生は文楽型である。
以前にネットサーフィンしていて、とある落語通の文章を読んだ。煎じ詰めれば「美濃部家(志ん生、馬生、志ん朝)が好き」というタイプの落語好きらしいそのかたは、志ん朝についてよく語られるところの「破天荒な父志ん生とは違った文楽型の名人を目指した」という定説に否を突きつけたい欲求を抱えつつ、しかし「さんざん聞き込んだCDと、読みまくった可能な限りの本から、最近ではやはり文楽型なのだろうと思うようにやってきた」と書かれていた。その結論を導くために引かれた補助線は多岐にわたるが、「CDと一言一句変わらなかった」という「多くの寄席好きの証言」もまた傍証のひとつである(これは「そうかなあ?」と思わないでもないが、まあ証言なのでしょうがない)

 志ん朝はやはり「文楽型」なのだろう。そういう意見を読むたびに反発し、そうではないと言い続けてきたが、それはファンとしての意地っ張りだったように思う。自分なりに勉強しての今の時点での結論である。どこかでひっくり返したい気持ちをいまだに持っている。

で、きょう、ひっくり返すとすればこの手しかない──というか、この手がある──とわたしが思いついたのが、「志ん生は文楽型である」だ。もちろんご想像のとおり、アクロバティックにならざるをえない論ではあり、まだ思いつきなので詳述は控えるが、でもこれ、「言える」と思うんだよなあ。[電力自給率:27.8%(発電量:10.9kWh/消費量:39.1kWh)]

2/14(火)

じぶんの Tumblr サイトをひさびさいじってみたり。ロビン(猫、オス、15歳)の食欲と行動に「おや?」と思わせる点が出始める。[電力自給率:2.9%(発電量:0.9kWh/消費量:30.1kWh)]

2/15(水)

「やっぱり具合悪いかも」というロビンについてのメールが昼間、妻からあり、ついついツイッターにその心配をつぶやいて、フォロワーのみなさんにご心配をいただく。病院に連れて行ったりなんだりという、ロビンのその後についてはひきつづき 16日以降の日記で。[電力自給率:17.5%(発電量:4.9kWh/消費量:27.9kWh)]

(2012年3月 1日 14:21)

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