/ 20 Feb. 2014 (Thu.) 「早稲田へ / モリ / これが浅田真央です」
小川さやか『都市を生きぬくための狡知──タンザニアの零細商人マチンガの民族誌』(世界思想社)
『スペクテイター vol.27』、特集「小商い」のなかに「小川さやか アフリカ・タンザニア商人たちに学ぶ『路上で生き抜く知恵』」という記事がある。茂木さんが興奮していたのはたぶんこれのことだろう。
これは面白そうですな。 関東地区研究懇談会 2014年2月20日(木)14:00〜18:00 早稲田大学早稲田キャンパス 22号館502教室 小田亮(首都大学東京)「アクチュアル人類学宣言!」 小川さやか(立命館大学)「Living for Todayの人類学」
2014年2月18日 15:25
というこのツイートをゆうべ目にしてしまい「わわわ」となる。折しも今日の午後に入っていた外出の案件がなくなったところだったし、「だったし」じゃないよという声もごもっともながら、何のための有休だとばかりに半休の届けを出して、午後、早稲田へ。早稲田は入学試験中で、いつも開放されている門が閉じられていたりとかなり雰囲気がちがった。そのメインの構内からは外れた位置にある 22号館というところへ。
■いや、だからなんでわたしが日本文化人類学会の関東地区研究懇談会なんぞに足を運んでいるのかって話ですけど、面白そうなんだからしょうがない。22号館502教室はさほど広くないふつうの教室で、参加者は 20数人といったところか。名前を書けという名簿(所属大学・団体を書く欄がある)がまわってきて最後に書いたが、一般参加はわたしだけだったっぽい。とはいえ首都大の何人かや、去年 8月の小田ゼミ夏合宿でいっしょだった方の顔もあり、もちろん小田先生もいて、ちょっとしたホーム感はある。
■発表者のひとり、小川さやかさんは『都市を生きぬくための狡知』(世界思想社) の著者だ。知人の茂木(成美)さんが以前に、「 Spectatorに小川さやかさんのインタビュー載っててビビっときて我慢できませんでした。マチンガのウジャンジャやばいですよね」と興奮していたところの小川さんである。そのマチンガのウジャンジャにも当然触れつつ、「瀬戸際の狡知とウソ」から「ぱちもん/模造品交易」へと至る矢継ぎ早な話。
■小田先生の「アクチュアル人類学宣言!」は以前にも聴いた内容のバージョンアップ版。そのこまかな内容をいまここで子細に紹介している時間はないのだが、質疑に応えて小田先生が言っていたグレゴリー・ベイトソンのメタメッセージの話はとりわけ刺激的だった。曰く──
- 遊びと労働とを分けるのはその行為の中身ではない。「本気で遊ぶ」ということはごくふつうにあるわけで、行為の「本気度」が、それが遊びかどうかを決めるのではない。
- 遊びには、その行為の外側に「コレハ遊ビダ」というメタメッセージが込められている(から、それは遊びとしてコミュニケートされる)。
- そして遊びには、ときに「コレハ遊ビダロウカ?」というメタメッセージが込められることもある。
- 〈システム〉への批判は大事だが、批判が区別を強化するのだったら意味がない。
- だから、そこ(批判/研究)に「コレハ遊ビダロウカ?」というメタメッセージを付ける(しのばせる?)こと。
■研究会は 18時半ごろに終わり、わたしは懇親会をパスして会社へもどる。帰還先のデスクトップでは森元首相の発言が話題になっていた。何か言ったらしい。押し寄せる憤りツイートの一群がいったん過ぎ去ったあとで、こう飛び込んできたのには笑ってしまった。
事情はよくわからないけど見事なモリが決まったのか
2014年2月20日 18:30
それは技か。技の名前なのか。
で、こちらはほぼ一日たってのツイート。
全文読んだら立て続けにモリが決まってるじゃないか
2014年2月21日 17:15
ふざけつつも、ちゃんと原文にあたったりして @tak_kameradさんはえらいなあと思ったり。
■深夜に帰宅。未明に、そのフィギュアスケートの女子フリーを見る。「(見てると失敗する、という自前の経験則から)わたしは見ないほうがいい」と妻はもっぱら目を伏せるので、見届け役はわたしに回ってくる。結果はご存知のとおり。ところで後日高橋(祐子)さんが、
「これが浅田真央です」っていうアナウンサーの第一声、私一生忘れないと思う。一人で行う行為が、どれ程の多数の人の気持ちを声高にではなく冷静に静かな怒りや悔しさや驚きとともに響かせることができるのか、職人芸の極みを聞いたようだった。何度きいても泣ける。
2014年2月21日 21:02
とつぶやいて、浅田真央選手のフリー演技終了後の実況アナウンサー(鳥海貴樹さん)の第一声──「これが浅田真央です」──について絶賛していたが、これ、聞き返してみると演技終了からしばらく間があって発せられ、しかも途中でつっかえていることをいまさら知ってちょっと驚くのだった。というのも、記憶では間髪置かず、すっと言い放たれたように思っていたからで、ということはつまりそれだけ、この言葉──が発せられるまでの時間と、そのつっかえと──が、競技を見ていたわたしの思いにじつにリアルタイムに寄り添っていたということなのだろう。
■あ、フィギュアといえばロシアのソトニコワ選手ももちろんかわいかったが、その愛くるしさがあまって、まれに立川志らくめくときがあったように思う。
Ran 0.3km • 292 steps • 1min • 15kcal.
Cycled 1.8km • 9min • 39kcal.
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