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Feb.
2017
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/ 1 Feb. 2017 (Wed.) 「平地の奴らがうるせえーよ。」

本日の、むかしのロビン。

ジェームズ・C・スコット『ゾミア──脱国家の世界史』(みすず書房)

ケイト・ブッシュ『 Before the Dawn』

2月である。
去年、11月の末に SIMフリーの iPhone 7 Plusを買い、12月8日から回線を OCN モバイル ONEに切り替えた。そして 10GB/月(期間限定の増量キャンペーンが加わって都合 11GB/月)のコースを選び、見事に余らせたのである。余った分は翌月にだけ繰り越される仕組みで、だから 17GB/月ぐらいあった 1月はけっきょく繰り越し分を使い切ることさえかなわずに終わった。1月の 11GBがまた、まるまる繰り越し。さすがに 2月はコースを変え、3GB/月(同じくキャンペーンにより 4GB/月)にしたので、足して 15GB/月ほどである。
これはしばらく前のやりとり。

@obami23: 国とか国家について教えてくれるような本、おすすめありませんか。知りたいよう。わたしは国になりたい。
2017年1月13日 1:35

@soma1104: @obami23 もう何かオススメあった?
2017年1月19日 14:05

@obami23: @soma1104 何冊かおすすめもらいましたよ。何かありますか?
2017年1月19日 19:50

@soma1104: @obami23 そのおすすめをこっちにも横流ししてくれるとうれしい。そしてわたしはこれから『ゾミア』を読みます。 http://www.msz.co.jp/book/detail/07783.html
2017年1月20日 9:11

 何日か前にべつの訊くことがあって連絡をとったときに、「何冊かおすすめもらいましたよ」とここにあるうちの一冊と、またべつの、手始めにいま読んでいるという一冊とを教えてくれた。アマゾンに注文しておいた前者の本が届き、ぱらぱらと読む。議論の手つきは厳格ながら言葉は平易なのでするすると読めはするのだが、いまいち、いま〈その議論に乗る気がしない〉のは、たぶん、まだ中途になっているもう一冊、『ゾミア──脱国家の世界史』 のせいなのではないかと思うのだ。
語弊なら大いにあるが、〈ゾミアのせいである種の議論に乗る気が起こらない〉というこの気分を、いっそ〈むしゃくしゃしている〉と言い表してもいいのかもしれない。つまりいま、わたしは〈理不尽〉になっているのであり、「うるせーよ平地の奴らがよ」と、そんな口のひとつも──まったくもって平地側の人間であるくせに──叩きたくなっているのだ。
ともあれ『ゾミア』が面白い。すこぶる面白い。二段組みの分厚い本なのでなかなか進まないが、何だろうこの面白さは。

 このベルベルの事例は二つの点で示唆に富んでいる。まずひとつは、ゲルナーが明らかにしているとおり、アラブとベルベルの境界線を規定しているのは、文明の差でもなければ、宗教の相違でもないという点である。それは、国家に支配されている者と支配圏の外にいる者を区別する真に政治的な境界であった。ところが、この境界を越える移動と交通は実のところ歴史上盛んであったというゲルナーの指摘に従えば、政治的立場にもとづく区別は興味深いことに民族的差異として符号(コード)化されるようになる。つまり、境界が区別する根本的な違いは政治的選択による違いとしてではなく、あたかも民族的差異として理解できるようになるのだ。この視点から見ると、国家権力から逃れる人々とは、自らを部族化する人々であったと理解できる。統治権と徴税が行使されなくなる最果ての地において、民族や部族が現れる。他民族の地が脅威とみなされて差別の対象になったのは、そのような地はつねに国家に対する抵抗を促し、国家からの逃避を誘惑していたからである。
Ⅰ 山地、盆地、国家──ゾミア序論、p.30〔太字強調は引用者〕

 たとえばここだ。すごく面白い。面白いのだが、太字で示した肝心の一文について、いまいちハナシのスジが見えないのもたしかだ。そこんとこもうちょっと説明してくれよという感じだが、ま、序論だけあって、あとでちゃんと詳しくフォローされるだろうか。されるとうれしいなあと先を急ぐ。
あ、あと、きょう更新された小田亮先生の連載コラム「第15回:災因論で読み解く『出来事の単独性』」も面白かった。こちらも最後のもっとも盛り上がる場面、もうちょっと説明が要るんじゃないか? という気にさせられるが(なぜ、その世界では霊感商法が成立しないのか等)、たぶん次回で噛み砕かれるんだろうと期待する。

 ところが、現代社会では、占い師による詐欺まがいの「霊感商法」が問題にされます。「先祖の祟り」だからといって何十万円もする壺とか、悪霊を祓う宝石(ただの安い石)を売りつけるといったものです。「迷信」を批判するときや、科学的精神が必要なんだという人たちがよく持ちだす事例です。けれども、生命世界やその世界の裂け目という感覚・観念を共有している村の世界では、そのような霊感商法は成立しません。霊感商法は、現代社会で不幸に見舞われた人々が、「なぜ」自分に不幸な出来事が起こっているのか? という説明を提供してくれる「災因論」をすでに共有できなくなっている状況で、なおもそのような説明を求めることにつけ込んだ詐欺だからです。いいかえれば、「キツネに騙されなくなった」から「占い師に騙されるようになった」のです。
第15回:災因論で読み解く「出来事の単独性」 - はぐらかし・やり過ごし・じゃれ合い的生活のすすめ〔太字強調は原文〕

とある音楽の選定作業──要は、何かいいアルバムないかなーというようなこと──をしていて、ついつい、選定そのものとはまったく関係なく、ケイト・ブッシュの『 Before the Dawn』 を買ってしまう。
『スープ屋しずくの謎解き朝ごはん』に刺激を受けた妻がブロッコリーと玉ねぎとじゃがいものポタージュを作った。夕飯はそれと、キャベツとアンチョビのペペロンチーノ。そりゃうまかろうぜ。

Walking: 3.1km • 4,341 steps • 44mins 38secs • 147 calories
Cycling: 2.6km • 14mins 14secs • 57 calories
Transport: 70.7km • 1hr 34mins 57secs
本日の参照画像
(2017年2月 3日 20:48)

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